【アンガーマネジメント⑤】自分責めがやめられない!セルフ幼児虐待をしている怒り内向型さんが自分に優しくなるたった一つの方法。
シリーズでお届けしている「アンガーマネジメント」。
こちらは第五弾。怒り内向型さんに向けたアンガーマネジメント法をお伝えします。
自分責めがやめられなくて自尊心がボロボロに傷ついてしまっているそこのあなた、ぜひお読みください。
怒り内向型さんとは?
怒り内向型の特徴をおさらいしておきましょう。
怒り内向型
- すぐに自分が悪いと思ってしまう
- 不機嫌な人を見ると自分のせいかと不安になる
- 他人の悪口は言わない
- 自分に非がないとわかっていても怒れない
- うつ傾向、体調を崩しやすい
こんな特徴にあてはまる人たちのことです。
怒りのベクトルが常に自分に対して向かう人。
怒り外向型とは真逆で、なにがあっても自分が悪いと思い込んでしまい、自分をとことん責める。
ものごとを客観的な視点でみることができず、自分に非がないことでも自分の落ち度を探し、相手に怒りを向けることをしません。
怒り内向型の人にわたしがよく言う冗談は、「もしかして、ポストが赤いのも自分のせいと思ってません?w」
そのくらい、怒り内向型さんは自分責めがやめられないのです。
怒り内向型さんの幼少期
怒り内向型さんは、先天的な刺激に対する耐性が弱く、内気な性格の人に多いです。
危険を好まず慎重で、考えてから行動するようなタイプです。
HSP(Highly Sensitive Person)にも多いですね。
そして、幼少期の家庭環境で言えば、ご両親(片方もしくは両方)に厳しく育てられて、怒りを出すことが許されなかったという人が多いです。
子どもですから、できないこと、まちがえることがあって当たり前。
それを親が許容せず、「あなたはダメね」「どうしてできなの?」「○○ちゃんはできたのに」というように否定・非難・比較(トリプルHです)で育てられると、子どもは自分は未熟で愚かで無力な人間なんだと学習してしまいます。
たとえ言葉がきつくなくても、親の態度から子どもが無言の圧を感じているような場合には、自分を肯定できなくなります。
ほとんどの子どもは生まれた家庭で育ちおとなになるので、他の家庭を知らないままです。
親が自分の非を認めない人であれば、他を知らないまま「親=正」だと思い込まされてしまうので、親の意に反することは必然的に「子=誤」と思うしかないのです。
そして、「悪いのは自分だ」という思考回路を脳に焼き付けてしまいます。
そのことが自分責めの原点です。
また、親がいつもため息ばかりで不幸そうな場合も、「自分がいなければお母さんはもっと楽に生きられたのかもしれない」などと自責の念にとらわれ、自分責めをするようになることがあります。(そんなこと絶対にないからね!)
怒り内向型とアダルトチルドレンタイプ
怒り内向型とアダルトチルドレンの関係を見てみましょう。
怒り内向型さんには、クラウンタイプの人が最も多いです。
ケアテイカータイプの人も多く、特に見返りを求めないイネイブラー・プラケーターというケアテイカーの亜種と言われる人たちは内向型になりやすいです。
また、多くのヒーロー・ヒロインタイプのは承認欲求が強く怒り外向型になりがちですが、親の敷いたレールの上を寸分はみ出ず生きてきたようなおとなしいまじめな性格の人の中には、怒り内向型の人もいます。
アダルトチルドレンのタイプ別解説はこちら。
▶アダルトチルドレン5つのタイプ
共通点は、他人の機嫌を損ねることへの強い恐れがある点。
お父さん、お母さんのご機嫌を気にしながら生きてきたあなたの中に、「誰かの機嫌が悪くなったら家族がバラバラに壊れちゃう!」と思い込んでいるインナーチャイルドがいるのです。
怒り内向型さんの悩みごと
怒り外向型に比べて、圧倒的に表立った人間関係のトラブルが少ない内向型さん。
なんでもかんでも自分のせいにしてしまい相手を責めることはしないので、基本的に「いい人」(というかお人よし)と思われていることが多いです。
忍耐強くまじめで継続することを良しとするようなところもあるので、コロコロと職場を変えるようなこともあまりないかもしれませんね。
一見すると何の問題も無いように見えてしまいますが、他人と争わない代わりに、自分の中は常に紛争状態。
自分を責めまくったあげく、心を壊し、うつ病などの精神疾患を患う人がとても多いです。
病院で診断を受けないまでもほとんどの人が「抑うつ状態」(気分が落ちこむ、やる気が出ないなど)を味わっているのではないかと思います。
その他にも、怒りを内側にためることで身体疾患を患いやすくなるという説もあります。
自分責め癖をそのまま放っておくと、あなたの心身はむしばまれていきますので、早めに対処しておきましょう。
怒り内向型さんのアンガーマネジメント
怒り内向型さんは、怒りを外に向けないのでアンガーマネジメントなんて必要ないと思われがちですが、心身を健全な状態に保つため、自分の中に沸いている怒りのエネルギーを適切な形で外に放出することがとても大切です。
①自分責めが始まったことに気づく
いきなり何かを変えようとするのではなく、まず「気づく」ことから始めましょう。
怒り内向型さんの自分責めは息をするくらい当たり前に行われてしまうので、意識的に止めなければやり続けてしまいます。
自分責めが始まったらできるだけ早いタイミングで、「あ、わたしまたやってるな!」と気づけるように練習しましょう。
②客観的な視点を持つ
自分責めに気づけたら、次にしてほしいことは、客観的な視点からその事象を眺めてみるということ。
「もし、この立場が自分の大切な人だったとしたら、同じようにその人を責めるだろうか?」
そう考えてみてください。
きっと優しい内向型さんのことですから、「あなただけが悪いんわけじゃないよ」とか「そんなに自分を責めないで」なんて言葉をかけたくなるんじゃないかと思います。
自分の立場を他の誰かに当てはめ、客観的な視点に立つことができれば、必要以上にご自分を責めているということが実感できるハズです。
そして何よりもわかってほしいのは、自分に向けたきつい言葉を受け止めているのは、おとなのあなたではなく、インナーチャイルドだということです。
怒り内向型さんは、自分に優しくしようと思ってもうまくいきません!
自分の中にいる小さな子どもに優しくなるという意識を持ってください。
あの日お母さんに言われて傷ついた言葉と同じような言葉を、あなたは平気で自分のインナーチャイルドに浴びせ続けているのです。
「自分に自信がない」「自己肯定感が上がらない」とおっしゃる理由はすべて、あなたがインナーチャイルドをセルフ幼児虐待しているからです。
自分責めをすることはインナーチャイルドを虐める行為だという自覚を持ち、セルフ幼児虐待を辞め、自分に優しくなることがため込んだ怒りエネルギーの解放になります。
ご希望の方は、インナーチャイルドケア入門講座で詳しくご説明し、具体的なやり方をお伝えしますので、ぜひお越しください!
怒り内向型さんへ
怒り内向型さんは、外側にいる人にとっては、トラブルを起こさず優しくまじめで穏やかな人かもしれません。
だけど、インナーチャイルドの目から見えるあなたは、鬼の形相で叱る毒親です。
何かを言いたくても聞く耳を持ってもらえず、問答無用で「お前が悪い!」と怒鳴りちらす、ただただ恐ろしい存在です。
あなたの気分が鬱々としているのは、あなたの体調がいつも優れないのは、あなたの中にいる小さな子が恐怖に怯えているからです。
このままセルフ幼児虐待を続けると、いつか心も身体もボロボロに壊れてしまいます。
周りの人の顔色を窺ってばかりいないで、どうかまっさきにインナーチャイルドを見てあげてください。
叱らずに穏やかに話を聞いてあげてください。
だけど、怒り内向型さんにインナーチャイルドケアの大切さをお伝えすると、こんなご質問が返ってきます。
「もし、自分の中に怒りがあることを認めてしまったら、収拾のつかないことになってしまうのではないでしょうか?」
「我慢するのを辞めたら、今いる周りの人が離れていってしまうのではないでしょうか?」
そんな恐れを抱くお気持ちもよーくわかります。
今までそれが怖くて怒りを閉じ込めてきたのですから、強い恐れを抱くのも無理はありません。
でも、知ってほしい。
怒りの処理方法は、「抑圧する」と「まき散らす」の二択ではありません。
怒りの下の一次感情(悲しい・さみしい・怖い)に気づいて、それを受け止めてあげるという方法があります。
この方法であれば、あなたは他人も自分も傷つけることなく、怒りのエネルギーを手放せるのです。
あなたのインナーチャイルドが人生に絶望してしまう前に、どうか自分と向き合ってくださいね。
他の誰かのために、あなたが犠牲になるのはもうおしまい。
ぜひ一緒にインナーチャイルドケアしましょう。
怒り内向型以外の方へ
元々外向型だったわたしは、この世に自分責めがやめられない人がいるだなんて、はじめにわかには信じられませんでした。
「そんなハズある?自分が悪いとか言っておきながら、本当は相手を責めてるんでしょ?」なんて内心思ってました。(内向型さん、ごめんなさい!)
だけど内向型さんは、本当に!四六時中!ご自分をずっと責めているんですよね。
この仕事をはじめて、内向型さんがどれほど苦しんでいらっしゃるかよーくわかりました。
内向型さんは基本的に争いを好まず、なにを言ってもニコニコ笑ってくれたりするので、他の怒りタイプの餌食になりがちです。
「この人なら笑って流してくれるから大丈夫だろう。」「何も言い返してこないし、別に気にしてないんだろう。」そんな風に思われてしまいがちです。
でも、他の人に怒りを向けない内向型さんは、その代わりに自分を痛めつけてしまうんです。
もし、あなたの周りにそんな人がいたら、どうかあなたのストレスのはけ口にしないであげてください。
ニコニコ笑ってる笑顔の奥で、号泣しているチャイルドがいることを思い出してください。
内向型さんがもうこれ以上自分責めをしなくていいように、ご自分の怒りは誰かにぶつけるのではなく、自分で対処できる人になりましょう。
良かったら一緒にインナーチャイルドケアしましょう!
怒りシリーズバックナンバー
【アンガーマネジメント①】怒りの正体 ~なぜわたしたちは怒るのか~
【アンガーマネジメント②】あなたはどのタイプ?「怒り」タイプをチェックしよう!
【アンガーマネジメント③】集計結果発表!みんなの怒りタイプを見てみよう!
【アンガーマネジメント④】究極のアンガーマネジメントはこれだ!怒り外向型さんに捧ぐ、本気の怒りの取り扱い方。