【アンガーマネジメント①】怒りの正体 ~なぜわたしたちは怒るのか~
みなさんは「怒り」正しく取り扱えていますか?
怒りっぽい人、怒りたくても怒れない人、怒りをすっかり抑圧してしまっている人。
怒りはエネルギーが強いので、上手に扱わないと大けがをします。
人とぶつかったり、身体を壊したり、大切な人に八つ当たりして傷つけてしまったり、、、
ここからシリーズで怒りの取り扱い方(=アンガーマネジメント)について解説していきます。
今回は「怒りの正体」についての解説です。
怒りについて学んで、怒りの危険物取扱者を目指そう!
喜怒哀楽という言葉があるので、「怒り」を感情だと思っている人は多いです。
でも実は、怒りは沸いてくる感情そのものではないんです。
今日は怒りの正体についてのお話です。
喜怒哀楽
「喜怒哀楽」という言葉を辞書で引くと、「人間のもっているさまざまな感情のこと」だと出てきます。
- 喜=よろこび。うれしく思う気持ち。
- 怒=怒り。腹立たしい気持ち。
- 哀=深い悲しみ。哀れみ。
- 楽=楽しみ。快適。
ですね。
よくラブソングなんかでも、「笑ったり泣いたり怒ったり、どんな君も大好きだよ~」的なのありますよね。(今わたしが作りましたw)
そんなわけで、国語的には怒りは他の感情と並列に並べて感情の一種なんですが、心の問題を扱うときはそのように思ってしまうと解決に向かわないんです。怒りは特別枠。
怒りは二次感情
大ベストセラー「嫌われる勇気」の元になっているアドラー心理学(個人心理学)の提唱者、アルフレッド・アドラーさんは、「怒りは二次感情である」という旨の解説をしています。
怒りは、それ単体で発生するものではなく、不安や寂しさなどの「一次感情」が満たされないときに、怒りという「二次感情」を使って反応するというのものです。
これはつまり、本当の感情(悲しい・さみしい・悔しい・恥ずかしいなどのネガティブ感情)があるのに、その感情を適切に表現できなかった場合に、「怒り」を使うということです。
こちらをご覧ください。
今の説明を図にするとこんな感じ。
一次感情を閉じ込めて抑圧したとき、その抑圧のエネルギーが「怒り」という形でどっかーんと噴火してしまうというわけです。
これが怒りのメカニズムです。
怒りは不適切な反応
ここからはわたしの考えです。
わたしの本講座(インナーチャイルドケア講座)では、「怒りはフェイク(偽物の)感情であり、本当の感情を抑圧したことによる不適切な反応の一種」と解説させていただいています。
一種と言うからには他の種類もあるわけですが、例として、
- ぐるぐる思考
- 思考停止
- 八つ当たり
- 暴飲暴食
- 衝動買い
- YouTube・ゲーム
などをあげています。
これらの不適切な反応は、沸いてきた本当の感情(一次感情)を感じないようにするためのフタを上から押さえつける漬物石のような役割をしているとイメージしてみてください。
もう少し具体的に説明すると、
- 「悲しい」という一次感情(本当の感情)が沸いた。
- 悲しみを感じたくないという無意識の心の作用(防衛機制)で、慌てて「怒り」という漬物石(不適切な反応)を持ち出した。
- 「悲しい」という感情(一次感情)が見えないよう、漬物石(怒り)でギュッと抑圧した。
という仕組みです。
本当は悲しいけれど、悲しいという感情を直視したくないから、怒るわけですね。
ほとんど無意識に行われる心の作用なので、ご本人には自覚がなく、ただカッとなって怒ったと思っているのですが、実はこのようなフローを経てわたしたちは怒っているのです。
その他にもむしゃくしゃしたから高いアクセサリー買っちゃった(衝動買い)とか、仕事のストレスを家で爆発させちゃった(八つ当たり)とか、恋人と別れて飲みすぎちゃった(暴飲暴食)とか。
今日も世界中のあちらこちらで本当の感情を抑圧したことによる、不適切な反応が起きています。
怒りを適切に扱えないことにより、さまざまな問題を引き起こすんですね。
怒りはコントロール可能
そしてもうひとつ。
怒りっぽい多くの人は、自分の怒りはアンコントローラブル(制御不可)だと思っていますが、そんなことはないはずです。
想像してみてください。
- 子どもにガミガミ叱っているとき、学校の先生から電話がかかってきたら、急にワントーン高い声で「あ、どうも~。いつもお世話になってます~」ってなりませんか?
- 会議で意見が対立してもめてるとき、社内で最強なイケメンが仲裁に入ってくれたら、ちょっとその場の雰囲気が柔らかくなったりしませんか?
- パートナーのだらしなさに腹を立ててる最中に、宝くじが3億円あたったことを知らされたら、そのまま怒り続けられますか?
実は、どんなに怒りっぽい人も怒ろうと思って怒っています。
「本当は怒りたくなんてないんだけど・・・」とか言ってても、ちゃんと怒りたくて怒っています。
ただそれがクセのようになってしまっていて、「ネガティブ感情が沸いたらとっさに怒る」というルーティンが発動しているだけなんです。
怒りっぽい人はまず、怒りは制御可能であり、自分が怒りたくて怒っているのだということを自覚しましょう。
怒りが本当の感情ではなく二次感情だと言われるのは、他の感情とちがって制御が可能なものだからだとわたしは考えます。
怒りは感情そのものではなく、感情のエネルギーを抑圧しておくための手段だというわけですね。
以上が、怒りの正体の解説でした。
理解が深まりましたでしょうか?
では、制御可能なはずの怒りをどうやって怒りをコントロールしていけばいいのでしょう?
そんなに都合よくイケメンは仲裁に来てくれないし、宝くじもそう簡単にはあたらない・・・
次回以降、わたしの考える最強のアンガーマネジメント術をお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに!
怒りシリーズバックナンバー
【アンガーマネジメント①】怒りの正体 ~なぜわたしたちは怒るのか~
【アンガーマネジメント②】あなたはどのタイプ?「怒り」タイプをチェックしよう!
【アンガーマネジメント③】集計結果発表!みんなの怒りタイプを見てみよう!
【アンガーマネジメント④】究極のアンガーマネジメントはこれだ!怒り外向型さんに捧ぐ、本気の怒りの取り扱い方。
【アンガーマネジメント⑤】自分責めがやめられない!セルフ幼児虐待をしている怒り内向型さんが自分に優しくなるたった一つの方法。
【アンガーマネジメント⑥】外ではいい人なのに、家族へのイライラが抑えられない!?怒り混合型さんが平和に暮らすには。
【アンガーマネジメント⑦】怒りを感じない!?アレキシサイミア傾向の怒り抑圧型さんが人生を楽しむには。