プライドが高く負けず嫌いな理由と克服方法(見下され不安タイプ)
このページでは、各種「不安タイプ」のうち、見下され不安タイプについて解説します。
幼少期に万能感を自己肯定感に変換しそびれてしまった人は、おとなになっても他人から見下されることに強い恐れを抱きます。
見下され不安タイプ
こちらのタイプの方は、プライドが高く、他人から見下されることを恐れています。
周りの人に「できないヤツ」「無能なヤツ」と思われないように気を張っていて、「自分が誰かと比べて優れていること」に強い執着心を抱きます。
そして、自分が見下されるのを恐れながら、心の中では誰かのことを見下していたりもします。
さらに、人から評価されたい、賞賛されたいという欲求が強いのも特徴です。
常に自分と他人を比較して劣等感と優越感のはざまでゆらゆら揺れている、そんな人たちがこのタイプにあてはまります。
万能感
このタイプの方は、「万能感」を抱えたままおとなになってしまいました。
「万能」という響きは良いですが、本来これは子どもだけが持っている「自分を特別なものだと思う感覚」のことです。
【万能感】
「自分は特別な人間である」「自分にはたぐいまれなる才能がある」「自分は何でもできる」という自信に満ちた感覚のこと。
自己肯定感の原型で、幼児期には誰もにこの感覚が備わっている。幼児的万能感ともいう。
小学校低学年くらいの男子にありがちな、「海賊王にオレはなる!」「ポケモンマスターにオレはなる!」みたいなあれですw
おとなになってもその感覚を手放せずにいると、社会生活においてつらい思いをしやすくなります。
たとえば、
- 自分がまちがえたことを他人が正解する
- 自分よりも後から入った人が先に出世する
- 自分が提案したものとちがう案が採用される
- 自分の好きな人が別の人を選ぶ
こういう小さな挫折って生きていると腐るほどあるわけですが、万能感が残ったままだと自分が人より劣っていることが受け入れられず、些細なことでも耐えがたいほどの屈辱に感じます。
「見下され不安タイプ」の人の頭には「特別であること=存在価値がある」という方程式があるので、できない自分と対峙することがとんでもない恐怖なのです。
見下され不安の理由
子どもは、ルフィーやサトシの万能感全盛期が終わる小学校高学年あたりからだんだんと周りが見えくるようになり、「オレは海賊王って柄じゃないな」とか「オレはポケモン捕獲より絵を描くのが得意なんだな」という風に、等身大の自分に気づくようになります。
そんなときに親や周りのおとなから過度な期待をかけられず、ありのままを受け入れられて育った人は、
- 得意なこともあるけどできないこともある。
- 長所もあるけど短所もある。
- あの子みたいに上手にできないこともある。
- 自分には自分だけの良さがある。
- 自分は自分のままでいい。
という具合に、社会と折り合いをつけつつ、万能感を上手に自己肯定感(ありのままの自分を愛している感覚)に変換していくのです。
ところが、見下され不安タイプの方は、この「万能感→自己肯定感」の変換作業をすっ飛ばして、万能感を握りしめたまま(自己肯定感を育めないまま)おとなになってしまうのです。
それが生きづらさの理由です。
では、どうして変換作業をしなかったのか。
それは、あなたがまだ幼いころに人よりできないことの恐怖に怯えていたからです。
親や周りのおとなから、
- 過剰な「ほめ育て」をされる
- 親自身の夢を子どもに託される
- 「あなたはしっかりしている」などと評価される
- 「お母さんにはできないわ」など、親よりも優れていると言われる
- できないこともできるだろうと思われる
- 弱音を吐くことを良しとされない
- 勉強やスポーツができると褒められる
- 自分の成績がいいことを親が内心自慢に思っている
- きょうだいよりも優秀であることで認められる
逆に、
- できないと痛烈に非難される
- 何かときょうだいや周りの子どもと比較されけなされる
- バカにするような言葉を幾度も浴びせられる
- 何をしても叱られる
- やることなすこと否定される
あてはまることはありませんか?
問題の大小に関わらず、環境や個人の感受性の高さなども加味して、その人が実際に「見下される恐怖」を感じていたかどうかが焦点です。
こんな風に等身大の自分よりもひと周りもふた回りも大きな期待をかけられてしまった子どもや、逆に過度な批判を浴び続けて育った子どもは、自分の欠点・短所・苦手なことなどから目を背けて、過大評価してしまうことがあります。
そしていつまで経っても等身大の自分と向き合えず、特別な自分であり続けるためにずっと万能感を握りしめているのです。
見下され不安とパーソナリティ障害
見下され不安は、比較的男性に多いです。(女性にもたくさんいます。)
アダルトチルドレンのヒーロー・ヒロインタイプ、スケープゴートタイプに多く見られます。
見下され不安タイプの人がその状態を悪化させると、「自己愛性パーソナリティ障害(NPD)」と診断されることがあります。
もし今、見下されることに強く恐怖や屈辱感を感じたり、逆に他人への見下しが強くあったりして社会生活に支障がある場合には、迷わず専門医を受診してください。
放っておくと症状は悪化の一途をたどりますので、早め早めの行動をお願いします。
そして、傾向が見られる程度の予備軍の方もぜひ今のうちに対処をしておくことをおすすめします。
まだ大丈夫と思って放置していると、医療の手を借りずに立ち直るのが難しくなってしまうこともありますので、余力のあるうちにしっかりと向き合っておいていただけたらと思います。
見下され不安の克服
あたりまえですが、パーフェクトな人間などこの世に存在しません。
いくら誰かと比べて優越感を感じても上には上がいますし、厳しい言い方をすれば、万能感を手放せていない時点で残念ながらあなたはご自分で思っているほどには優れた人物ではないのかもしれません。(ひどいこといってごめんなさい。)
虚勢を張って他人を見下していても、周りの人はあなたの強がりにきっともうとっくに気づいているのではないでしょうか。
しんどいと思うかもしれませんが、そろそろご自分の等身大と向き合うタイミングかもしれませんね。
見下され不安を克服するためには、自分で自分の等身大を受け入れるしかありません。
他の誰かに高い評価をもらうことに固執せず、できない部分もひっくるめたありのままの自分を自分自身で認めてあげるのです。
わたしがお伝えしているインナーチャイルドケアメソッド(ICCM)では、ご自分の中にインナーマザーとインナーチャイルドという母子関係を確立し、自分に対して過度な批判も賞賛もせず、万能感を自己肯定感に変換していくことを目指します。
「万能感→自己肯定感」の変換作業が進むにつれ、他人からの見下しを恐れたり、他人を過度に見下したりすることから解放されていきます。
そうすることで「他人=敵」という見方が少しずつ変わり、人と友好的に関われるようになっていきますよ。
あなたがつい人を見下してしまうのは、あなたの性格が悪いからではありません。
幼いころから争いの中で生きてきて、今なおその心の傷が癒えていないだけのです。
ルフィーもサトシもそうしてきたように、万能感を自己肯定感に変換して、できない自分と対峙して仲間の必要性を感じていくことが大事なんですよね。
「見下され不安」に悩まされているそこのあなた。
ぜひ一度、インナーチャイルドケア入門講座へお越しください。
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