ヒーロー・ヒロインタイプのトリセツ(アダルトチルドレン)
生きづらさを抱えるアダルトチルドレンは、大きく分けて5つのタイプに分類されます。
こちらはその中の「ヒーロー・ヒロインタイプ」に関する解説です。
アダルトチルドレンに関する解説はこちら
タイプ別トリセツへのリンク
▶ケアテイカータイプ
亜種:イネイブラー・プラケーター
▶ヒーロー・ヒロインタイプ(この記事です。)
▶クラウンタイプ
▶スケープゴートタイプ
▶ロストワンタイプ
ヒーロー・ヒロインタイプとは?
通称「ちゃんとやりたいこじらせさん」。
ヒーローは日本語で、英雄という意味です。ヒーローは男性、ヒロインは女性。
強くて賢くて、悪を倒し、世界に平和をもたらす。完全無欠のかっこいい人。
ヒーロー・ヒロインタイプの人は、まさにそんなイメージの人。
まじめで努力家。ひといちばいがんばり屋さんです。
正義感が強く、負けず嫌いで妥協を許さず、なにごとも完璧にやろうとする向上心の持ち主です。
あなたも、周りの人から「できる人」「意識高い人」として一目置かれる存在なのではないでしょうか?
でも、、、
- 他人と自分を比較しては、一喜一憂していることにしんどくなったりはしませんか?
- 失敗やミスを恐れ、些細なことで自分を責めすぎてはしませんか?
- 「なんのためにこんなにがんばっているんだろう」とときどき途方に暮れちゃったりしませんか?
もしかしたら、あなたの「ちゃんとやりたい」が、自分自身も周りの人も息苦しくしてしまっているかもしれません。
ヒーロー・ヒロインタイプの特徴
ヒーロー・ヒロインタイプの特徴や言動パターンはこんな感じです。
※もちろんすべてにあてはまるわけではありません。
- 真面目
- 努力家
- 負けず嫌い
- 完璧主義
- 仕事ができる
- プライドが高い
- 正義感が強い
- 自他に厳しい
- 妥協ができない
- ブランド志向
- 学歴至上主義
- 世間体を気にする
- 権力に弱い
- 勝ち負けにこだわる
- 期待に応えたい
- 失敗を恐れる
- 自分の非を認めない
- 弱みを見せるのが苦手
- 姉御肌
- 内心人を見下している
- 根拠なき自信がある
あなたにも当てはまるところがありますか?
ヒーロー・ヒロインタイプの生きづらさの理由
ヒーロー・ヒロインタイプの生きづらさの理由をひとことで言うなら、「完璧主義」。
努力家でまじめなところはすばらしいのですが、負けず嫌いでプライドが高く、知らず知らずのうちに、自分や周りの人たちを追い詰めてしまいます。
常に周りからの評価を気にしており、学歴・職歴・収入・所有物の値段・子どもの成績など、他人と比較できるものに価値を感じやすい傾向があります。
人前でのミスや失敗は耐えがたい屈辱。
他人と比べて劣っている部分や足りない部分を認めるのも難しいので、負けるような試合はせず、勝ち試合を好みます。
失敗を恐れてチャレンジを避け、せっかく能力はあっても、鶏口牛後。
新たなステップになかなか一歩踏み出せないまま、時間ばかりが過ぎてしまうという方が多いのもこのタイプです。
そして、部下や子どもといった自分の責任範囲が及ぶ存在に対しては、自分と同様に完璧であることを強く望み、厳しくし過ぎてしまう傾向が見られます。
厳しく言い過ぎて、相手のモチベーションを下げてしまうようなこともあるかもしれせん。
でも、そんなヒーロー・ヒロインタイプの人が、これまでの完璧主義癖を手放して、自分のダメなところも受け入れられるようになるのは本当に難しいこと。
なぜならヒーロー・ヒロインタイプは意識の深いところで「人より優れていることが自分の存在価値」と信じ切っていたりするので、人に負ける自分を許容することができないからです。
だけど、このまま完璧主義を続けていても、あなたが本当の意味でしあわせに生きることはできません。
ヒーロー・ヒロインでい続けることの恐ろしさ
ヒーロー・ヒロインさんが完璧主義をやめずに、自分や周りの人に厳しくし続けることのリスクはおおきく分けてふたつあります。
ひとつは、挫折をしたときに立ち直れなくなること。
人間ですから、どんなに完璧を目指しても失敗やミスをすることはあります。自分の努力だけではどうにもならないことも直面します。
それまで完璧にやってきた人ほど、たった一度の挫折が致命傷になり、社会復帰できないくらいに落ち込んでしまうこともあります。
出世争いに敗れて鬱になってしまう、不妊治療がうまくいかず自暴自棄になってしまうなどは、完璧でない自分を自分で受け入れられなくなった結果と言えるでしょう。
そして、もうひとつは、周りの人と横のつながりを持てないこと。
物事を優劣や勝ち負けでしか判断できないため、他者と公平で友好的な人間関係を結ぶのが難しく、本来仲間にした方が有益な相手までも、負けず嫌いが発動してライバル視してしまうようなところがあります。
先ほど、「部下や子どもといった自分の責任範囲が及ぶ存在に対しては、自分と同様に完璧であることを強く望み、厳しくし過ぎてしまう傾向が見られる」と書きましたが、それと同時に、自分よりも優秀であることを許さないという矛盾した思いを持っていたりもします。
自分のように完璧であってほしいけれど、自分よりも完璧であってはならない。
自分の責任範囲が及ぶ存在である部下や子どもは、ブランド品や学歴と同様、あくまで自分の評価の一部として見ており、彼らの成功は自分の導きの成果によるものであって、自分の立場を脅かすものであってはならないのです。
そのため、がんばって99点を取った子どもに対しては、「あと1点どうして取れないのか」と咎め、100点を取れば「そのくらいで調子に乗るな」などと言ってみたりします。
厳しく指導してきた優秀な後輩が、自分より出世しそうになると、途端に足を引っ張ろうとしたりします。
ヒーロー・ヒロインさんの周りにいる人たちは、優秀であることを求められ、優秀であれば潰されるという不幸な目に遭うのです。
このように、ヒーロー・ヒロインタイプの人は、「自分が周りの人より優秀であるという実感」が欲しいあまり、挫折を恐れチャレンジを避け、自ら成長のチャンスを潰してしまいます。
また、無意識のうちに周りの人を敵視しては、彼らの可能性もつぶしてしまうのです。
苦しい完璧主義を手放し、挫折を恐れず果敢にチャレンジし、周りの人たちと手を携えて共に成長していくためには、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切です。
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幼少期を振り返ろう
「インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切」と言われても、まだピンとこないかもしれません。
きっと多くの人が今の生きづらさと幼少期の問題がリンクしていないのではないでしょうか。
そこではここから、ヒーロー・ヒロインタイプのあなたの幼少期を振り返ってみましょう。
●あなたは子どもの頃、どんなお子さんでしたか?
●周りの人からはどんな風に評価されていましたか?
●あなたのごきょうだいとのちがいはどんなところでしょうか?
↓
ヒーロー・ヒロインタイプにあてはまる人の幼少期は、概してこんな風であることが多いです。
- 勉強やスポーツをがんばる優等生
- 親に言われなくても進んで勉強する
- 学級委員長やピアノ演奏など、みんなの代表になる役割を任される
- クラスで一目置かれる存在
お心当たりはありませんか?
ヒーロー・ヒロインタイプになるのは、幼少期に親の期待を一身に背負ってトコトンがんばってきた人たちです。
優秀。しっかりした子。立派。
世間からはおおむねそんな評価で、問題を抱えているとは気づかれにくいのもこのタイプの特徴です。
特に周囲の期待に敏感なタイプの子は、言われなくても自分から進んで勉強をする・スポーツをがんばるなど、子どもらしくない振る舞いをしがちです。
よって、親自身にも勉強やスポーツを押し付けた自覚はないため、「好きで勉強やスポーツをがんばっている」と思っていたりしますが、実際には空気を読んでの行動であることがほとんどです。
ヒーロー・ヒロインタイプの家庭環境
ヒーロー・ヒロインタイプの人の家庭は、一見するとなんの問題もなさそうに見えることが多いです。(むしろ人からうらやましがられるような家庭だったりもします。)
父親は会社でそれなりの役職に付き、母親は愛想もよく、PTAの活動などもそつなくこなすような、典型的な良家であることも少なくありません。
外から見ると立派なお父さんとお母さんという評価で、家庭内の問題に気づかれないことがほとんどです。
経済的な問題を抱えているご家庭も、あまり多くはありません。
ところが実際には、ヒーロー・ヒロインタイプの親は、学歴至上主義の父親、世間体を気にする母親のように、親のどちらかもしくは両方がヒーロー・ヒロインタイプであることが多いです。
学歴至上主義の親御さんは、ご自身が高学歴であるか、もしくは強い学歴コンプレックスがあるかのいずれかです。
子どもも自分と同じように高学歴でなければならないと考えていたり、自分が学歴で苦労した分、子どもを立派に育てようと考えていたりします。
そのためまだ小さなうちから習い事をさせたり、塾に通わせたりと英才教育を施します。
世間体を気にする親御さんは、自分の子どもが周りのおとなから見て「いい子」「できる子」であることを強く望みます。
礼儀やマナーにうるさく、学校や友人宅でどのように振舞えばいいかを、子どもに厳しく指導するようなところがあります。
どちらのタイプも建前では、「あなたのためを思って」と言いますが、本当は子どもが「いい子」「できる子」であることが自分のステータスのひとつと捉えているようなところがあったりします。
このような家庭環境であった場合、親にロックオンされた子どもは、期待を一身に背負ってがんばり続けることになります。
まさに機能不全家族の平和を守るためのヒーロー・ヒロインです。
「いい子」「できる子」であることで大好きな親に認められ、愛してもらえると信じているのです。
この役割を担うのは、長子やひとりっ子が多く、特に長男に多い傾向があります。
女姉妹だけの家庭や男兄弟が心身に問題を抱えている家庭では、長女がこの役割を引き受けることもあります。
また、長子がケアテイカータイプを担っている場合には、その下の子がヒーロー・ヒロインタイプになったりもしますし、中には、ケアテイカータイプとヒーロー・ヒロインタイプを兼務しているツワモノもいます。
兼務の場合は、両タイプの生きづらさを抱えることになるため重圧がひといちばい掛かり、自己理解も困難で、おとなになってからうつなどの精神疾患を患うことも多いです。
ヒーロー・ヒロインタイプのインナーチャイルドの声
ヒーロー・ヒロインタイプは、「いい子でいよう」「お母さんお父さんの自慢の子でいよう」とがんばってきた幼少期の方が多く、ダメな自分を見せることが苦手です。
あなたが人一倍努力家なのは、なにも努力が好きなわけじゃなくて、周りの人に負けるわけにはいかないから。
自分でも気づいていないかもしれないけれど、期待に応えられずにがっかりされるのが怖いのであって、本当はそこまでがんばりたくないのかもしれません。
そんなヒーロー・ヒロインタイプのインナーチャイルドの本音は、きっとこんな感じです。
- できないことだってあるよ
- そんなに期待しないで
- 別にいい子じゃないよ
- 無理していることに気づいて
子どもの頃からお父さんお母さんのよろこぶ顔が見たくて、いい子でいようとがんばってきたけれど、あなただって子どもだったんです。
「いい子」や「できる子」の前に、未熟で奔放なひとりの子どもだったんです。
本当はもっともっと家でのんびり寛ぎたかったし、子どもらしく無邪気に好きなことをしたかったハズ。
そんな思いを「無かったこと」にして抑圧しておとなになってしまったから、ちょっとの失敗で落ち込んだり、人と比べて負けず嫌いがやめられなかったりするのです。
おとなになっても優等生役然としていることをやめられないあなたのインナーチャイルドはきっと、「無条件で受け入れてくれること」をあなたに望んでいます。
それを存分に叶えてあげればきっと、優等生役の重たい看板を下ろして、安心してダメなところを見せられるチャイルドになるのです。
だから、完璧主義で自分のダメなところを受け入れられない今のあなたには、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが、何より大切だというわけです。
幼少期の問題と今の生きづらさが少しでもリンクしたら、インナーチャイルドと向き合ってみましょう!
【入門講座を受けてみませんか?】
森ようこのインナーチャイルドケアメソッド(通称ICCM)は、アダルトチルドレン克服のお手伝いをしています。
入門講座では、これまでのべ1000人以上のアダルトチルドレンの方との対話を通じて蓄積したデータを基に、森ようこの最大の強みである洞察力と言語化力をフル活用して、あなたの生きづらさの真の問題に迫ります。
今あなたが抱えている問題をヒアリングし、最適なケア方法をアドバイスする個別適応性の高いレッスン内容となっていますので、自分ひとりで向き合うことに限界を感じているあなたにも、きっと満足していただけることと思います。
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※「インナーチャイルドケア入門講座」では「ヒーリング」の基礎部分をレクチャーします。
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1.ヒーロー・ヒロインタイプと仕事
2.ヒーロー・ヒロインタイプと恋愛
3.ヒーロー・ヒロインタイプと子育て
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