ロストワンタイプのトリセツ(アダルトチルドレン)
生きづらさを抱えるアダルトチルドレンは、大きく分けて5つのタイプに分類されます。
こちらはその中の「ロストワンタイプ」に関する解説です。
アダルトチルドレンに関する解説はこちら
タイプ別トリセツへのリンク
▶ケアテイカータイプ
亜種:イネイブラー・プラケーター
▶ヒーロー・ヒロインタイプ
▶クラウンタイプ
▶スケープゴートタイプ
▶ロストワンタイプ(この記事です。)
ロストワンタイプとは?
通称「ことなかれこじらせさん」。
ロストワンは日本語で、陰役という意味です。Lost Oneですので、迷子、いない子というニュアンスです。
ロストワンタイプは、他のアダルトチルドレンとは異なり、他のタイプがなんらかの役を演じることで家族の中での居場所を獲得しようと努めてきたのに対し、このタイプは、できるだけ自分の存在を消すことで、周りに迷惑をかけないように、もしくは厄介ごとに巻き込まれないようにしてきたという特徴があります。
いるかいないかわからないような人。
まるで学芸会の舞台の端っこにたたずむ木の役のように、できるだけ目立たずにそっと存在している人。
実際にはそこにいるのに、あたかもいないかのように扱われる人。
それがロストワンタイプのアダルトチルドレンです。
このタイプの人は、他のタイプに比べて自分の感情に鈍感なところがあり、ものごとをわりと冷静に見ていたりします。
そのため、ひといちばい損得勘定が強く働き、目立って注目されたり目をつけられたりすることは、どうにか避けようとする傾向があります。
周りの人からは、おとなしい人、影の薄い人、何考えてるかわからない人、なんて思われていたりもします。
でも、、、
- 一度きりの人生をもっとのびのび楽しみたいなぁと思っていませんか?
- わけもなく重苦しい憂鬱感にさいなまれたりはしませんか?
- たくさんの感情を味わって豊かに生きてみたいと感じていませんか?
せっかくこの世に生をうけたのですから、喜怒哀楽を自由に表現して、周りの人と穏やかに楽しく暮らしていける毎日を手に入れてほしいのです。
ロストワンタイプの特徴
ロストワンタイプの特徴や言動パターンはこんな感じです。
※もちろんすべてにあてはまるわけではありません。
- クール
- 喜怒哀楽が少ない
- 大人っぽい
- 落ち着いている
- おとなしい
- 存在感が薄い
- 表情が乏しい
- 何を考えているかわからないと思われる
- つまらなそうと思われる
- 怖い人と思われる
- 怒っていないのに「怒ってる?」と聞かれる
- 秘密主義
- 言葉数が少ない
- 口下手
- ノリが悪い
- 協調性がない
- 体育会系のノリが苦手
- 群れない
- 大人数が苦手
- 友だちが少ない
- 損得勘定で動く
- テンションが低い
- 面倒くさがり
- 情熱を持てない
あなたにも当てはまるところがありますか?
ロストワンタイプの生きづらさの理由
ロストワンタイプの生きづらさの理由をひとことで言うなら、「感情抑圧」。
ネガティブな感情だけでなくポジティブな感情も感じないように自分をコントロールして生きていたため、表情が乏しく、相手に何考えているかわからない印象を与えてしまう人が多いです。
そのため、周りの人と親密な関係を築くのがなかなか難しく、本音で話せるようになるまでに非常に長い時間がかかります。
感情を露わにするようなこともめったにないので、周りの人と表立った争いが起きることは多くありませんが、一方でワイワイ盛り上がるようなことも苦手で、体育会系のノリについて行けず、大勢の中でもポツンと浮いた存在になりがちです。
また、感情で動かず考えてから行動するタイプで、その場の状況を冷静に損得勘定で見ているので、「ミスをするかもしれないからやらない」「損をしそうだからやらない」「面倒なことに巻き込まれるのは勘弁」というように自分への不利益を第一に考え言動を決めがちです。
そのため、仲間意識で熱くお互いを支え合うようなチームワークを形成するのは得意ではありません。
その一方で、感情豊かに楽しそうに生きている人たちを見ると、「わたしこれでいいのかな」「もっと楽しくやれたらいいのに」とも感じていて、自分を取り巻く無味無臭の毎日に虚しさを感じていたりもします。
でも、ロストワンタイプの人が、これまでの感情抑圧をやめて自由に感情を表現できるようになるのは本当に難しいこと。
なぜなら、ロストワンタイプは意識の深いところで「感情を感じてはいけない」と信じ切っていたりするので、感情表現をすることに強い恐れを抱くからです。
だけど、このまま感情抑圧を続けていても、あなたが本当の意味でしあわせに生きることはできません。
ロストワンでい続けることの恐ろしさ
ロストワンさんが感情表現をせず、抑圧し続けることのリスクはおおきく分けてふたつあります。
ひとつは、逃げてばかりの人生になること。
ロストワンタイプの人は、心の奥で感情を感じることを恐れているため、無意識のうちに自分の感情が揺さぶられるようなことは避けてとおろうとしてしまいます。
そのため、なにかの問題に直面したときに「困難にどう立ち向かうか」「どう自分と向き合うか」といった建設的な思考ではなく、「とりあえず逃げる」という選択をしてしまいがちです。
その場しのぎで面倒を避けて通っても、結局同じような問題に何度も出くわし、不毛な堂々巡りを繰り返してしまいます。
そしてふたつ目は、感情をどんどん失っていってしまうこと。
幼少期から自分の感情を抑圧することが習慣付いているロストワンさんは、放っておくとどんどん感情が鈍っていってしまいます。
知っておいていただきたいのは、感情を失うといっても、潜在レベルでは感情は動いているということです。
ただ感情を抑圧することが常態化しすぎていて、それを顕在意識で感じられる力が無くなってしまっているということなのです。
抑圧を続けるうちに、以前には感じられていた心の揺れにもだんだん鈍感になっていき(感情鈍麻)、やがては感情がちっとも感じられない状態(失感情症=アレキシサイミア)にもなりかねません。
失感情症が潰瘍性大腸炎や気管支喘息などの患者さんに多く見られると言われていることからもわかるとおり、感情の抑圧は、心だけでなく身体への悪影響も非常に大きいと考えられます。
※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 失感情症(アレキシサイミア)
いろんな問題から逃げ続け、感情の抑圧を続けるうちに、何をしていても楽しくない、なんのために生きているかわからないという抜け殻状態になってしまいかねません。
せっかくの人生、喜怒哀楽たくさんの感情を味わって心豊かに生きていきられるように、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切です。
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幼少期を振り返ろう
「インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切」と言われても、まだピンとこないかもしれません。
きっと多くの人が今の生きづらさと幼少期の問題がリンクしていないのではないでしょうか。
そこではここから、ロストワンタイプのあなたの幼少期を振り返ってみましょう。
●あなたは子どもの頃、どんなお子さんでしたか?
●周りの人からはどんな風に評価されていましたか?
●あなたのごきょうだいとのちがいはどんなところでしょうか?
↓
ロストワンタイプにあてはまる人の幼少期は、概してこんな風であることが多いです。
- おとなしい
- 一人で過ごすことが多い
- 空想が好き
- 自己主張しない
- 手がかからず比較的育てやすい子
お心当たりはありませんか?
学校では騒がずおとなしい子。家にいても部屋の端っこで座って本を読んでいるような子。
いるんだかいないんだかわからない。毒にも薬にもならない。
そんな子どもがロストワンになりやすいです。
周りの大人の様子を見て、「静かにしておいた方が良さそうだな」「黙っておいた方が良さそうだな」などと、先回りして気を利かせるのが得意なので、「黙ってなさい」と言われるまでもなく、気を消しておとなしく過ごしていたりします。
お母さんから言わせると「手のかからない子」。
大人になってからお母さんに「わたしどんな子だった?」と聞くと、「あなたはおとなしくて手がかからなくて、ホント楽だったわー」とか平気で言われちゃうことも。
でも、ちがうんです。「手がかからないように演じている」だけなのです。お母さん、気づいて!!
ロストワンタイプの家庭環境
ロストワンタイプが育つ家庭は、考えただけで問題ありとわかりますよね?
他のタイプのようにどうにか演技をして生き延びようとするのももちろんしんどいですが、子どもなのに自分の存在を消そうとするなんて、どんなにつらいことでしょう。
ロストワンタイプの家庭環境は、会話や笑顔が少ない温かみの無い家庭であるケースが多いです。
たとえば、
- お母さんが子どもに対して冷淡
- お母さんが家事育児放棄をしていた(ネグレクト)
- 自分より兄弟姉妹の方が可愛がられていた
- 継母に冷たく接された
- 夫婦仲が悪い
- 家庭内暴力があった
- 親が精神疾患や依存症などの問題を抱えていた
- 親が共依存状態で子どもが入るこむ隙間がなかった
- 大家族で自分に注目が集まりにくかった
- 親が過保護/過干渉で感情をコントロールされていた
などの例があげられます。(もちろんすべてにあてはまるわけではありません。)
このような家庭環境であった場合、もらえない愛情を求め続けるのはつらすぎるので、やがて求めることすら諦めてしまうようになります。
自分の存在が家族の邪魔にならないように、もしくは自己主張して逆に厄介な目に巻き込まれないように、ロストワンとして生きていくことを決めてしまいます。
ご本人の記憶としては、「別に放っておかれても平気だった」と思っていたりするのですが、本当は諦めてしまっていただけなのかもしれません。
そして、最後の「過保護/過干渉」というのだけがちょっと特殊で、これはお母さんにひたすらお人形のように扱われて、主張を許されなかったために、自己を失ってしまうというパターンです。(これもこれで深刻)
ロストワンタイプを担うのは、下の子(特に末っ子)が多いです。
下の子になればなるほど、手をかけてもらえず放っておかれやすくなる傾向があるからです。
上の子には、洋服や学習道具などをせっせと買い与えるのに、下の子はいつもお下がりで、自分の意見を聞いてもらえない。
女の子なのに、お兄ちゃんのお下がりの青いズボンを履かされたり、黒い折りたたみ傘を使っていたり。
こういう小さな積み重ねが、下の子の自己主張の機会を奪い、存在を消すきっかけになります。
そして、実はあまり知られていませんが、ロストワンタイプは長子(特に長女)にも意外と多いです。
上の子がロストワンになるケースは、大きく分けて三パターンあります。
ひとつは、親が男の子(女の子)を望んていた場合。
たとえ軽い冗談のつもりでも、親の「男の子(女の子)が良かったー」などという言葉を耳にした子は、「自分は望まれなかった子だ」と感じ、自分には存在価値がないと思うようになります。
直接言われなかったとしても、弟が生まれたときの喜びっぷりや溺愛っぷりを見て、自分のとの扱いの差に落ち込んだりもするでしょう。
ふたつめは、女の子が父親似の場合。
これは、父母の仲が悪い場合によく起こります。
母親が父親似の子どもに嫌悪感を覚えて、面倒を見なかったり、極端に他の子を可愛がったりします。
父親似の女の子がロストワンになる。実は、これはけっこう多いパターンです。
みっつめは、母親に嫉妬されている場合。
母親が未成熟で子どもっぽい場合に起こります。
いつまでもお姫様でいたい母親が、娘に姫の座を奪われることに嫉妬して、わざと雑に扱ったり無視したりします。
未成熟な母親は自分が嫉妬していることにもなかなか気づけないので、「可愛いはずのわが子が可愛いと思えない」と思っていたりします。
見た目が可愛らしい子は、父親にちやほやされやすく、このターゲットになりがちです。
母親の嫉妬心を敏感に感じ取って、できるだけ陰のように生きようとします。
特に敏感な子は、親の気持ちをつぶさに感じ取るので、余計このような状態に陥りがちです。
ロストワンタイプのインナーチャイルドの声
ロストワンタイプは、「おとなしくしていよう」「迷惑をかけないようにしよう」と無理をしていた幼少期の方が多く、喜怒哀楽を人に見せることが苦手です。
あなたがクールな人に見られてしまうのは、本当にクールな人なのではなくて、たくさんの感情を押し込めて生きてしまったから。
自分でも気づいていないかもしれないけれど、本当はたくさんの感情を味わって、心豊かに生きていきたいのかもしれません。
そんなインナーチャイルドの本音は、きっとこんな感じです。
- 側にいて話を聞いて
- わたしを見て
- 一緒に遊ぼう
- もっとわたしを気に掛けて
子どもの頃からお父さんお母さんの負担にならないように、がまんしておとなしくしていたけれど、あなただって子どもだったんです。
「おとなしい子」や「手のかからない子」ではなく、感情豊かなひとりの子どもだったんです。
本当は思い切り笑ったり泣いたりしたかったハズ。もっとお母さんと一緒に遊びたかったハズ。
そんな思いを「無かったこと」にして抑圧しておとなになってしまったから、もはやなにを感じているのか自分でもよくわからなくなって、クールな自分でいるしかないのです。
おとなになってもアンドロイド然としていることをやめられないあなたのインナーチャイルドはきっと、「いつでも気に掛けてくれること」をあなたに望んでいます。
それを存分に叶えてあげればきっと、手のかからない子の重たい看板を下ろして、感情を豊かに表現できるチャイルドになるのです。
だから、うまく感情表現ができず自分でも自分の取り扱いに困ってしまう今のあなたには、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが、何より大切だというわけです。
幼少期の問題と今の生きづらさが少しでもリンクしたら、インナーチャイルドと向き合ってみましょう!
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今あなたが抱えている問題をヒアリングし、最適なケア方法をアドバイスする個別適応性の高いレッスン内容となっていますので、自分ひとりで向き合うことに限界を感じているあなたにも、きっと満足していただけることと思います。
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※「インナーチャイルドケア入門講座」では「ヒーリング」の基礎部分をレクチャーします。
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