ケアテイカータイプのトリセツ(アダルトチルドレン)
生きづらさを抱えるアダルトチルドレンは、大きく分けて5つのタイプに分類されます。
こちらはその中の「ケアテイカータイプ」に関する解説です。
アダルトチルドレンに関する解説はこちら
タイプ別トリセツへのリンク
▶ケアテイカータイプ(この記事です。)
亜種:イネイブラー・プラケーター
▶ヒーロー・ヒロインタイプ
▶クラウンタイプ
▶スケープゴートタイプ
▶ロストワンタイプ
ケアテイカータイプとは?
通称「やくにたちたいこじらせさん」。
ケアテイカーは日本語で、お世話役という意味です。
ケア(Care・お世話)をテイク(Take・取る)するのが、ケアテイカー。テイクには、(お世話を)させられるのではなく、わざわざ進んで取りに行くというニュアンスが含まれています。
ケアテイカータイプの人は、その名のとおり、誰かの役に立つことがよろこびで、相手に頼まれる前から進んでお世話をしにいくという特徴があります。
困っている人を見るとほっておけない面倒見のいいあなたは、自分のことは後回しにして周りの人に献身的に尽くしてしまいます。
よく気が利き、誰も気が付かないようなところも見逃さない気配り屋さんでもありますね。
でも、、、
- いつも自分が後回しになってしまって、なんとなく損をしているようなむなしさを感じていたりしませんか?
- 自分ばかりが気を利かせてあれこれやっているのに、周りの人はのんきにしていてイライラしちゃうときありませんか?
- あれこれ気が付くがゆえ、ご家族や周りの人のお世話をしすぎていませんか?
たとえ、ご本人に「進んで」のつもりはなかったとしても、周りから見ると世話好きのもの好き。
誰もやらないから仕方なく引き受けたのに、「あの人、好きでやってるから」なんて思われて地団太踏んだ経験もあるかもしれません。
ケアテイカータイプの特徴
ケアテイカータイプの特徴や言動パターンはこんな感じです。
※もちろんすべてにあてはまるわけではありません。
- 面倒見がいい
- 気が利く
- 困っている人を見ると放っておけない
- 先回りしてお世話をする
- かゆいところに手が届く
- みんなが嫌がる面倒な役を引き受ける
- 頼まれると断れない
- 人に頼られることがまんざらでもない
- おせっかいになりがち
- 過保護/過干渉
- 相手にトコトン尽くす
- 依存的な人に好かれる
- 相談を受けやすい
- 他人に頼れない
- 仕事を抱え込む
- 自己犠牲的
- 「お母さんみたい」と言われることがある
- というか、あだ名が「お母さん」だったりする
あなたにも当てはまるところがありますか?
ケアテイカータイプの生きづらさの理由
ケアテイカータイプの生きづらさの理由をひとことで言うなら、「自己犠牲」。
自分を後回しにしてまで誰かの役に立とうとしてしまうから、知らず知らずのうちにあなたの中に不満を溜め込んでしまいます。
もちろん、人の役に立とうとすることが悪いわけではありません。
ただ、アダルトチルドレンの場合には、その動機が心の奥に潜む「人に認められたい」「人から感謝されたい」というような承認欲求からくるものだったりするので、自己犠牲がやめられず、相手に尽くし過ぎてしまうことになります。
自己犠牲の結果、無理をし過ぎて疲弊したり、思ったような反応が得られず損をした気持ちになったり、相手に干渉しすぎてトラブルが起きたりするのです。
でも、ケアテイカータイプの人が、これまでの自己犠牲癖を手放して、自分を大切にできるようになるのは本当に難しいこと。
なぜなら、ケアテイカータイプは意識の深いところで「人の役に立つことが自分の存在価値」と信じ切っていたりするので、人の役に立たない自分を許容することができないからです。
だけど、このまま自己犠牲を続けていても、あなたが本当の意味でしあわせに生きることはできません。
ケアテイカーでい続けることの恐ろしさ
ケアテイカーさんが自己犠牲をやめずに、他人のお世話をし続けることのリスクはおおきく分けてふたつあります。
ひとつは、役に立てないときに自己否定に向かうこと。
いくらあなたが人のお世話が得意だとはいえ、四六時中誰かの役に立ち続けることなど不可能です。
得意なことも苦手なこともあるでしょう。
ましてや、年齢を重ねるごとにそれまで当たり前にできていたことができなくなっていくでしょうし、いつどこで病気になったりケガをしたりするかもわかりません。
この先、思ったように誰かの役に立てなくなることもあれば、逆に自分が誰かに面倒を見てもらうことだってあるでしょう。
そんなとき、ありのままの自分に価値を感じられず、「人の役に立つこと」にばかり価値を置いていると、ケアテイカーさんの自尊心はズタズタに引き裂かれてしまいます。
人に必要とされなければ存在価値がない。
人の世話になるくらいならいなくなってしまいたい。
そんな自己否定の気持ちが心身の問題を引き起こす可能性もはらんでいます。
そして怖いのがふたつ目。
自分の周りの人をダメにしてしまう「共依存」状態を作り出すこと。
厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、自己犠牲の上に成り立っている親切は、どんなに尽くしたとしても、相手から必要とされることや感謝されることが最終目的になっています。(たとえご自分にそのつもりは無くても!)
それを証拠に、自己犠牲をして相手に尽くしたとき、相手が思ったような反応をしてくれないとがっかりしたり、やる気を失ったりするのではないでしょうか。
相手が自分以外の誰かを頼っているのを見ると、裏切られたような悔しい気持ちになるのではないでしょうか。
このように、ケアテイカータイプの人は、「自分が役に立っているという実感」が欲しいあまり、無意識のうちに自分を必要としてくれる人を周りに集めては依存させ、大変大変と文句言いながらもお世話をし続けてしまいます。
本当は相手が自分でできるようなことも、はなからできないと決めつけて先回りしてやってしまい、相手の成長の機会を妨げてしまいます。
その結果、パートナー、友だち、部下、子ども、、
必要とされたい相手に対して、過保護過干渉になり、相手の自立心を奪いダメにしてしまいます。
ケアテイカーの周りは、あなたがいなければ生きていけない依存心の強い人だらけになってしまうのです。
一方的に相手が依存してきているようでいて、実はあなたも自分の承認欲求を満たすことができるその人たちに依存しているのです。(共依存)
今あなたを必要としてくれる人たちもいつかこの問題に気づき、あなたから離れていってしまうかもしれません。
その先に待っている未来は、あなたがいちばん恐れている「誰の役にも立てない」孤独な人生です。
苦しい承認欲求を手放し、自己犠牲せずともありのままの自分に価値を感じられるようになるためには、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切です。
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幼少期を振り返ろう
「インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが大切」と言われても、まだピンとこないかもしれません。
きっと多くの人が今の生きづらさと幼少期の問題がリンクしていないのではないでしょうか。
そこではここから、ケアテイカータイプのあなたの幼少期を振り返ってみましょう。
●あなたは子どもの頃、どんなお子さんでしたか?
●周りの人からはどんな風に評価されていましたか?
●あなたのごきょうだいとのちがいはどんなところでしょうか?
↓
ケアテイカータイプにあてはまる人の幼少期は、概してこんな風であることが多いです。
- しっかり者のお姉ちゃん(お兄ちゃん)
- 家事やお母さんのお手伝いを任されやすい
- 幼い弟妹や祖父母のお世話をすることがある
- お母さんの愚痴聞き相手
お心当たりはありませんか?
本来、家の中でのお母さん(もしくはお父さん)の役割とされるものを、なんらかの事情があってできなかったか、もしくは不足していたために、それを補ってきたという方がケアテイカータイプになりやすいです。
「さすがお姉ちゃん。」
周りのおとなたちからこう言われるのがうれしくて、ますますがんばっちゃったりしていませんでしたか?
ケアテイカータイプの家庭環境
小さかったあなたがお母さんの穴埋めをしなくてはならなかったということは、多少なりともご家庭にゆがみがあったのだと思われます。(無自覚の方も多いですが。)
ケアテイカータイプの家庭環境は、おおきく分けて二種類あります。
ひとつは、母親の手が十分に足りていない(もしくは不在の)ケース。
たとえば、
- お母さんが精神的に幼い・メンタルが弱い
- お母さんが家事育児を放棄気味
- お母さんの仕事が忙しくて、家事育児に手が回らない
- お母さんの身体が弱くて、育児家事が満足にできない
- 家族内に病気や不登校などで手がかかる人がいて、お母さんの手が他の家族に回らない
- 家庭内に不和があり、お母さんが苦労していた
- お母さんが夫や姑などへの不満を抱えていてその愚痴を子どもに言い続けていた
などの例があげられます。(もちろんすべてにあてはまるわけではありません。)
このような家庭環境であった場合、家庭内で一番お母さん役にふさわしい人がその役割を担うことになります。
順番的に先に生まれた長子(おもに長女)が担うことが多く、長子の心身になんらかの問題がある場合などには、その下の子が引き受けることもあります。
自分もまだ子どもだというのに、弟や妹をお風呂に入れてあげたり、お母さんの愚痴を長々聞いてあげたり。
家族の平和を守るため、まるで小さいお母さんのように甲斐甲斐しく家族のお世話をします。
そこには、「家族みんなの役に立ちたい」「大好きなお母さんの負担を少しでも減らしたい」という純粋で健気な子ども心があったりもします。
最近問題になっているヤングケアラーは、ケアテイカータイプの典型と言えるでしょう。
【ヤングケアラーとは】
日本ケアラー連盟
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと。
この定義を読む限り、ケアテイカーの多くがヤングケアラーと言えますが、自覚のある人は多くないのが実態です。
そしてケアテイカータイプが出現する家庭環境のもうひとつのパターンが、お母さん自身がケアテイカーであるケース。
自分を犠牲にして家族に尽くしている姿を見て育った娘さんが、尊敬や憧れの念を抱いて自分も同じようにケアテイカーになるというケースもよくあります。
おとなになったら、自分もお母さんみたいに周りの人のために尽くしてがまんして耐えて、そして感謝されることが立派な生き方だと思い込んでしまいます。
ケアテイカータイプのインナーチャイルドの声
ケアテイカータイプは、「お母さんの役に立とう」「お姉ちゃんらしくいよう」とがんばってきたので、お母さんに無邪気に甘えた記憶があまり無いかもしれません。
でも、あなたがしっかり者なのは、元々しっかりしてるからじゃなくて、しっかり者であることで、お母さんに愛され必要とされることを願ってきたから。
自分でも気づいていないかもしれないけれど、がんばってるからしっかりしてるだけで、本当はそこまで強くないのかも。
そんなケアテイカータイプのインナーチャイルドの本音は、きっとこんな感じです。
- わたしだってもっと甘えたい
- あてにしないで
- そんなに強くないよ
- がまんしてがんばってることに気づいて
子どもの頃から周りに気を遣って、頼りになるしっかり者でいようとがんばってきたけれど、あなただって子どもだったんです。
「お姉ちゃん」や「お兄ちゃん」の前に、甘えん坊で頼りないひとりの子どもだったんです。
本当はもっともっとお母さんに甘えたかったし、子どもらしく無邪気にわがままも言いたかったハズ。
そんな思いを「無かったこと」にして抑圧しておとなになってしまったから、いまだに自己犠牲をしてまで周りの人に尽くし過ぎてしまうし、要領良くズルい人たちに腹が立ってしまうのです。
おとなになってもお姉ちゃん(お兄ちゃん)然としていることをやめられないあなたのインナーチャイルドはきっと、「たくさん甘えさせてくれること」をあなたに望んでいます。
自己犠牲なんかしなくても、自分を優先していいし、甘えたいときは甘えていい。
そんな願いを存分に叶えてあげればきっと、お姉ちゃん役の重たい看板を下ろして、安心してのびのび寛げるチャイルドになるのです。
だから、自己犠牲をしてまで周りの人に尽くしてしまう今のあなたには、インナーチャイルドケアで幼少期に負った心の傷を癒すことが、何より大切だというわけです。
幼少期の問題と今の生きづらさが少しでもリンクしたら、インナーチャイルドと向き合ってみましょう!
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森ようこのインナーチャイルドケアメソッド(通称ICCM)は、アダルトチルドレン克服のお手伝いをしています。
入門講座では、これまでのべ1000人以上のアダルトチルドレンの方との対話を通じて蓄積したデータを基に、森ようこの最大の強みである洞察力と言語化力をフル活用して、あなたの生きづらさの真の問題に迫ります。
今あなたが抱えている問題をヒアリングし、最適なケア方法をアドバイスする個別適応性の高いレッスン内容となっていますので、自分ひとりで向き合うことに限界を感じているあなたにも、きっと満足していただけることと思います。
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1.ケアテイカータイプと仕事
2.ケアテイカータイプと恋愛
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4.【観念】人の役に立たなければならない
5.【観念】いつもわたしばっかり損をするという観念
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