【認知のゆがみ】③心のフィルター ~ネガティブなことしか目に入らない~
『認知を変えれば人生が変わる』をテーマにお届けする、認知のゆがみ解説シリーズ。
「うつ病のバイブル」とも言われる、デビット・D・バーンズさんの著書「いやな気分よさようなら」に書かれている代表的な10種類のゆがみをご紹介しています。
今回はそのうちのひとつ「心のフィルター」について解説します。
認知の歪み10種類
種類 | 内容 |
---|---|
1. 全か無か思考 | 白黒思考、ものごとを極端に考える |
2. 一般化のしすぎ | 「一部」のできごとを切り取って、あたかもそれが「すべて」であるように思い込む |
3. 心のフィルター | ネガティブなことに注目しすぎて世界が全体がどんよりしてしまう |
4. マイナス化思考 | ポジティブな面をねじ曲げてネガティブに捉えてしまう |
5-a. 心の読みすぎ(結論の飛躍) | はっきりとした根拠もないのに、相手の心を深読みして、勝手に傷ついたり怒ったりしてしまう |
5-b. 先読みの誤り(結論の飛躍) | 未来のことを読み間違えて決めつける |
6. 拡大解釈と過小評価 | ものごとや人物をありのままの大きさで捉えることができず勝手に拡大&縮小してしまう |
7. 感情的決めつけ | 自分が感じたことをあたかも事実を裏付ける証拠のように思い込む |
8. すべき思考 | 何か行動をおこすときに、マイルール(自分の中にあるルール)と照らし合わせて、それに沿っているかどうかにこだわる |
9. レッテル貼り | 自分や他者にペタペタとネガティブなタグ付けをする |
10. 個人化 | 自分に関係ないことまで、なんでもかんでも「わたしのせい」と思い込む |
心のフィルター
ネガティブなことばかりに注目しすぎて世界が全体がどんよりしてしまうような思考パターンです。
このフィルターを通じて世界を見ると、ネガティブなことしか視界に入らないので、自分の周りで起きているポジティブなことに気づくことができません。
心のフィルターの例
「心のフィルター」のゆがみを持つ人は、こんな風に考えがちです。
- 大勢からもらった高評価よりも、たったひとりからの低評価が気になって仕方がない。
- たくさんの人が笑っていても、無表情な人がいると、自分の話はつまらないのではないかと思う。
- ささいなミスにこだわって自分はダメだと落ちこんでしまう。
- 自分の容姿のわずかなコンプレックスが気になって、自分の良さを認められない。
- 相手のちいさな欠点が許せずに、その人自体を受け付けなくなってしまう。
ものごとには必ず、いい面と悪い面がありますが、このような思考パターンを持つと、ネガティブな部分にばかりこだわって、他のポジティブなことは考慮しないようになります。
意識したいフラットな視点(適応的思考)
「心のフィルター」のゆがみがある人は、以下のようなフラットな視点を持てるようになると、生きづらさが改善されていきます。
- ものごとには必ずいい面と悪い面がある。
- 好意的な意見もあれば、批判的な意見もある。
- 全員に好かれるはずはないし、その必要もない。
- 悪いことの中にもきっといいことが隠れている。
- 悲観しすぎることはない。
フラットな視点に導く自身への問いかけ
「心のフィルター」のゆがみを持つ人がフラットな視点を導き出すためには、自分に対して以下のような問いかけをしてみます。
- 本当にネガティブな意見だけだろうか?
- このことの良い面はなんだろうか?
- ネガティブなことばかりに着目してしまっていないだろうか?
無意識のうちに心のフィルターを通じて見てしまっていないかを俯瞰してみましょう。
ものごとのポジティブな面を探す習慣をつけましょう。
認知がゆがんだのにはわけがある
認知のゆがみの意味を解説したこちらの記事にも書きましたが、あなたが「心の読みすぎ」の思考パターンを持つようになってしまったのは、あなたのせいではありません。
▶参考記事:『認知のゆがみ』を治せば生きづらさは手放せる
幼少期から好ましくない経験を重ねたり知識を仕入れたりしてきたからで、周りのおとなの言動が色濃く反映された結果です。
子どもの頃に、短所ばかりを指摘されていた人は、自分に長所があることを認められません。
子どもの頃に、他人の悪口ばかりを聞かされていた人は、他人のいいところを認めることができません。
親自身の心にフィルターがかかっていれば、無意識のうちにそれが子どもに伝播し、子どもも「心のフィルター」を持つようになるのです。
それはあなたの潜在意識(無意識の領域)に深く根付いていきますので、ただフラットな視点を意識しただけで改善するのは非常に困難です。
こびりついてしまった認知のゆがみを修正するには、単にフラットな視点を意識するだけではなく、潜在意識に住むインナーチャイルドの癒しが必要です。
認知がゆがむ原因となった幼少期の心の傷を癒す(インナーチャイルドケアをする)ことで、その思考が必要のないものであると腹落ちさせていくことが大切です。
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