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【お悩み相談】注意されると頭が真っ白になってしまう

    
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【お悩み相談】注意されると頭が真っ白になってしまう

ご相談者さま:たくもさん(30代・会社員)

はじめまして。たくも30代会社員です。

お悩み相談お願いします。

私は、注意されると頭が真っ白になって何も言い返せなくなってしまいます。

基本仕事はまじめにやるタイプなので、サボって叱られたりすることはなく、小さなミスの指摘やもっといい方法のアドバイスをされることくらいです。

すぐにミスの理由を説明できたり、不注意は素直に謝ればいいのはわかっているのですが、その場になると固まって反論できません。

あとから、「こう言えばよかった」「もっと言い返せばよかった」と思いついてはモヤモヤします。

しっかり冷静に言い返せない要領の悪い自分が嫌になります。

後輩の中には、「後でやろうと思っていました」とか「それは○○が理由で」とすぐに反論できる人もいて、正直そんな人がうらやましいです。

森さんが以前、親が怖いと圧のある人が苦手になるというお話をされていて、もしかしたらそれにあてはまるのかもと思っています。(両親はわりと強く叱るタイプです。)

その場で冷静さを保つにはどうしたらいいでしょうか?

森からのお答え

たくもさん、ご質問ありがとうございます。

注意や指摘をされると、頭が真っ白になってフリーズしてしまうという人、実はけっこういらっしゃいます。

男性からご相談いただくことも多いです。

仕事を円滑に進められるためにも、これを克服する方法をぜひ身に着けていただきたいなと思います。

頭真っ白=プチ解離

この問題をわたしなりにいろいろ研究しまして、「頭真っ白=プチ解離」だと思っています。

解離とは、意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態です。この状態では、意識、記憶、思考、感情、知覚、行動、身体イメージなどが分断されて感じられます。

引用元:恩賜財団 済生会 解離性障害

解離というのは、一時的な記憶の欠落や一時的に自分の意識が外界から切り離されているように感じることを言いまして、その発生状況(きっかけ・頻度・程度など)によっては、「解離症」として精神疾患と診断されることもあります。

解離の解釈は非常に幅広く、誰にでも普通にある正常な範囲のものから、障害として扱われる段階までを含んでいます。

たとえば、テレビや映画を観ているときに、その話に没入しすぎてしまって周囲の出来事に気づかなくなるというのも、意識が現実から切り離されているという意味においては解離であり、こういったことは誰にでも起こり得る正常なものです。

一方で、ストレス下において、

  • 数分間、数時間、ときにもっと長期間にわたって、自分が行った活動を完全に忘れることがある。(一定期間の記憶が欠落していることに本人が気づいている場合もある。)
  • 自分が自己(すなわち、記憶、知覚、自己同一性、思考、感情、身体、行動など)から切り離されている(解離している)ように感じることがある。

などの重度な解離症状が見られる場合には、精神疾患が疑われますので、医療機関の受診をおすすめします。

▶参考:MSDマニュアル家庭版 – 解離症

ここでは、ストレス下において生じる解離のうち、軽度のものについて「プチ解離」と名付けて解説します。

ストレス下におけるプチ解離

たくもさんのように、人から叱られる・注意されるなどのストレスにさらされたときに頭が真っ白になってしまうのは、トラウマ(心的外傷)が影響しての解離だと考えられます。

トラウマと言っても、事件や事故などの大きなできごとによるトラウマ(単回性トラウマ)ばかりではなく、子どもの頃に親に厳しくしつけられたなど、小さなできごとの積み重ねによるトラウマ(発達性トラウマ)の影響もあります。

▶参考記事:原因不明の生きづらさは「発達性トラウマ」のせいだ!!

たくもさんは、「両親はわりと強く叱るタイプ」と書かれていますので、おそらく幼少期に親御さんからきつい言葉で叱られる経験をたくさんしていらっしゃるのではないかと思います。

幼い子どもにとって、親からの叱責は「命の危険」を感じるほどに恐ろしいものなので、そのときの恐怖心が心の傷(トラウマ)となり、癒されないまま残ってしまっていて、同じような体験(上司からの注意や叱責)をするたびに恐怖が蘇ってくるというメカニズムです。

インナーチャイルドケア視点でこのことを解説するなら、インナーチャイルドが上司を親だと思い込んで怖がっているということです。

頭で考えれば、たいしたことないとわかっていても、心(インナーチャイルド)が過剰反応して、取り乱してしまうのです。

プチ解離発動フロー(概略)

たくもさんの例でプチ解離の発動フローを整理すると、ざっくりこんな感じになります。
(本当はもっと細かな心の動き(認知)がありますが、ここでは割愛します。)

①きっかけ:他者から注意される

②知覚:相手の語気や表情などから、インナーチャイルドが「命の危険だ」と察知する。

③プチ解離(防衛機制):自分の心を守るため、身体をその場に残し、意識を切り離す。(頭真っ白状態)。

➃モヤモヤ:安全が確保されたことが確認できると意識が身体に戻り、通常の思考になる。「こう言えばよかった」「もっと言い返せばよかった」とぐるぐる思考に陥る。

という具合です。

後になってモヤモヤするのは、家に帰るなど相手と距離ができ安心安全が確保されたと確認したことで、いつもの思考回路に戻り、「こう言えばよかった」「もっと言い返せばよかった」とぐるぐる思考をするからです。

プチ解離克服① インナーチャイルドケア

ご説明したとおり、注意されて頭が真っ白になるのは、たくもさんの中に幼少期に負った心の傷(トラウマ)が残っているからです。

つまり、このトラウマを癒さなければ、解離から逃れることはできません。上司に何か言われるたびに頭真っ白になる状態は続いていきます。

これを克服するには、インナーチャイルドケアをしてください。

「あのくらいたいしたことない」「別に叱られたわけじゃないし」「相手は良かれと思って言ってくれているんだから」

こんな風に、理性で考えて感情を閉じ込めると、ますますトラウマに上塗りを重ねることになります。

まずは、プチ解離からぐるぐる思考に戻ったタイミングで、インナーチャイルドケアをする習慣を身につけましょう。

「怖かったね。たいしたことないって頭ではわかっていても、どうしても怖くなっちゃうんだよね。それは仕方ないことだよ。だって小さなころからたくさん叱られてきたんだもん。子どもが大きなおとなにきつく叱られたら怖いのはあたりまえだよ。そのときの傷を今も抱えているから、怖くなっちゃうの無理ないよ。自分を責めなくていいんだよ。」

こんな風に愛情深く丁寧に、自分に寄り添って恐怖心を溶かしてあげてください。

※インナーチャイルドケアの方法は、おひとりおひとりの特性や家庭環境等によって異なります。詳しくは入門講座でお伝えしますので、ぜひお越しください。

プチ解離克服② グラウンディング

インナーチャイルドケアと併せて取り組んでいただきたいのが、グラウンディングです。

トラウマの癒しには、心へのアプローチ(インナーチャイルドケア)だけでなく、身体へのアプローチ(グラウンディングなど)がとても有効です。

グラウンディングは、尾骨から出る直線を地面にアンカリング(杭打ち)するようなイメージで、大地にしっかりと根差し安定しているのを身体で感じることです。

特に、解離が起こる人は、自分の身体と意識が切り離されてしまっていますので、意識を身体に戻すようなイメージでグラウンディングをすることが非常に効果的だと考えています。

グラウンディングの詳しいやり方は、こちらの記事に記載していますので、ぜひ参考にしてください。

▶参考記事:精神安定にはセンタリングとグラウンディング

まとめ

叱られる・注意されるなどをきっかけに発動する頭真っ白フリーズ状態は、トラウマ再体験によるプチ解離だと考えます。

インナーチャイルドケアとグラウンディングで、心と身体両方からアプローチして、トラウマを克服すれば、プチ解離は発動しなくなっていきます。

頭が真っ白にならなければ、冷静な話し合いができるようになり、

わたしで良ければお手伝いさせていただきますので、ぜひ入門講座へお越しください!

補足

  • 解離症の自己診断は危険です。違和感を感じたら迷わず医療機関を受診しましょう。
  • インナーチャイルドケアは、「相手に言い返せるようになること」を目的に行うものではありません。悔しさ理不尽さを自分で癒すことができるようになると、相手と穏やかに話し合いができるようになります。

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