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【お悩み相談】<メタ認知>自分を俯瞰するってどうすればいいの?

    
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【お悩み相談】<メタ認知>自分を俯瞰するってどうすればいいの?

ご相談者さま:サホさん(30代)

私は冷静になれず、自分の感情に振り回されてしまうことが悩みです。

家族からは被害妄想が激しいと叱られ、上司からは、もっと落ち着いて自分を俯瞰できるようになろうとアドバイスされました。

どのようにしたら、自分を俯瞰で見ることができるようになるでしょうか。

森からのお答え

サホさん、ご質問ありがとうございます。

「自分を俯瞰する」って自己啓発本とかでもよく目にする言葉ですが、何をどうしたらいいかいまいちよくわからないですよね。

わたしは、ビジネスのみならず、人間関係を心地良いものにするためには、自分を俯瞰する力がとても大切だと思っています。

また、正しい俯瞰の仕方を知らないままだとある問題が生じますので、そのあたりもぜひお話させてください。

「俯瞰する」とは?

「俯瞰する」という言葉には、元々「高いところから見下ろす」という意味があって、これが転じて、「広い視野で物事を見ること」「客観的に物事の全体像を捉えること」といった意味に使われています。

つまり、「主観を外し、物事の全体像を捉えること」です。

自分自身からちょっと離れて斜め上から全体像を眺めているような、そんな感じをイメージしていただくと良いかと思います。

心理学では、自分を俯瞰することを「メタ認知」と言ったりします。

俯瞰=メタ認知=主観を外して全体像をとらえること

と理解しておきましょう。

「メタ認知」とは?

心理学における「メタ認知」の意味についてもう少し掘り下げます。

分解すると、

  • メタ=超越した、高次の
  • 認知=これだと認めること、理解・判断・論理など

という意味です。

つまり、自分が「そうだ」と思うこと(認知)に対して、もう一段上から、「わたしはそうだと思っている」と認知することをメタ認知といいます。

今、あなたの目の前においしそうなお菓子があるとします。

あなたが「ここにおいしそうなお菓子がある」と思うのは認知。

あなたが「わたしは、ここにおいしそうなお菓子があると認識している」と思うのが、メタ認知だというわけです。

自分を高いところから見ているもうひとりの自分が、自分の認知を実況中継しているような感じですね。

余談ですが、最近ではネットスラングとしても「メタ」という言葉が広く使われていて、たとえばアニメの登場人物が作者の情報を知っていたり、視聴者が番組の残り時間で物語の結末を推し量ったりするようなことを、「メタ発言」「メタ推理」「メタ視点」なんて言葉で表現したりもしますね。
あと、2021年にFacebook社がMeta社に社名変更したのも記憶に新しいところです。Meta社のメタはメタユニバースの仮想世界からきています。

メタ認知が必要な理由

では、メタ認知(俯瞰)した方が良いと言われる理由は何なのか。

それは、生きづらさの原因である「認知のゆがみ」(偏った思考のクセ)の影響を受けず、ものごとをフラットな視点で捉えられ、冷静な判断ができるようになるからです。

▶参考記事:『認知のゆがみ』を治せば生きづらさは手放せる

認知のゆがみを持つ人は、ものごとをネガティブに解釈してしまうため、人間関係においてさまざまな問題に直面します。

わかりやすいように例を出します。

今、目の前で小さな子どもが牛乳の入ったコップを持ってウロチョロしているとします。

これを「こぼすかもしれないし、こぼさないかもしれない」というフラットな視点ではなく、「どうせこぼすに決まっている!」という決めつけ(ゆがんだ認知)で見たとき、「ちょっと!何ウロチョロしてんの!?またこぼすわよ! 」とヒステリックに叱ることになります。

ここで「わたしは子どもがまた牛乳をこぼすだろうと思っている(思い込んでいる)」とメタ認知ができると、「こぼしそうで心配だから、座って飲んでくれる?」と落ち着いて優しく伝えることができるようになります。

また、夕飯の準備をしているところに帰ってきたパートナーから「あ、今日カレーなの?」と言われたとします。

この質問を「今日の夕飯がカレーかどうかを問われている」というフラットな視点ではなく、「うちの夫はいつもわたしの料理にケチをつける」という思い込み(ゆがんだ認知)で捉えると、「はぁ?なに?また文句?文句があるなら自分で作れば?ムカつく!!」といきなりブチ切れることになります。

でもここで、「わたしは夫がいつもわたしの料理にケチをつけると思っている(思い込んでいる)」とメタ認知できると、「深い意味はないのかもしれない」とか「お昼にカレー食べちゃったのかな?」とか他の可能性も考慮することができ、とりあえずは「うん。カレーだよ」とシンプルに返すことができます。
(「えー、またカレー?」と言われてからキレても遅くはないですねw)

このふたつの例えでおわかりのとおり、メタ認知ができると、認知のゆがみによる一方的な思い込みや決めつけ(被害妄想など)をしなくなるので、不要な人間関係のトラブルやお悩みを回避できるようになるというわけです。

何度も繰り返しお伝えしているとおり、生きづらさの原因は「偏った思考のクセ(認知のゆがみ)」によるものなので、ものごとをフラットな視点で見られるようになるメタ認知の習得を目指したいのです。

安易なメタ認知に潜むワナ

メタ認知のやり方自体は、実はそんなに難しいことじゃありません。

斜め上にいるメタ(高次)の自分(B)が、リアルの自分(A)の認知をリアルタイム実況するとうまくいきます。

またまた具体例を出します。

たとえば、あなたが大勢の人の前で発言するときに、「うまく話せなくて、みんなに笑われたらどうしよう!」と考えているときには、「わたしは、うまく話せずにみんなに笑われてしまうかもしれないと考えている」と実況中継すると、一時的に緊張が和らぐのを感じられるでしょう。

また、怖い上司と目が合って「わ!また何か言われるかも!」と思ったたときには、「わたしは今、この人から何か言われるかもしれない考えている」と実況中継してみると、スッと怖さが引くのを感じられるでしょう。

こんな風に、自分の思考をある種他人事のようにして捉えなおすことで、感情の渦に巻き込まれず冷静にその場を俯瞰できるようになるということです。

ただし!

ここには大きな問題が潜んでいます。

メタ認知は自分を俯瞰して見るため、その場での強い心の揺れを回避することができるかもしれませんが、それは場当たり的な対処に過ぎず、あなたの偏った思考のクセ(認知のゆがみ)が修正されたわけではありません。

それどころか、強引なメタ認知によって緊張感や恐怖感などのネガティブな感情を無理やり抑圧することになるため、癒されることなく自分の中にどんどん溜め込まれていってしまいます。

ネガティブな感情の抑圧は、認知のゆがみを強化します。

無理なメタ認知を続ければ続けるほど、あなたの被害妄想はますます強くなり、やがてメタ認知をする余裕がなくなるほど、強烈な感情の波が襲ってくることになります。

表面的なメタ認知術を身に着けただけでは、問題の根本的解決にならないどころか、ますます問題をおおきくしてしまう可能性があるのです。

メタ認知習得のプロセス

わたしはメタ認知獲得のプロセスを以下のように考えています。

インナーチャイルドを癒す(ヒーリング)

認知のゆがみ(偏った思考のクセ)を治す(レッスン)

自然なメタ認知の習得

これは、わたしがご提示している「生きづらさを手放すためのロードマップ」と重なります。(STEP 2→3の部分です。)

正直、多くの自己啓発本などでは、認知のゆがみを治す(STEP 3)ことについてしか触れられていません。
しかも、「思い込みで決めつけるのではなく、フラットな視点でものごとを捉えましょう」というような抽象的すぎる表現で。

これがまさに安易なメタ認知です。

生きづらさを抱えた人(認知がゆがんでいる状態の人)が、ただ表面的なメタ認知を習得しようとすることは、自分をさらに追い詰め苦しめることになるだけです。

だってその人には、子どもが牛乳をこぼして面倒な後片付けをさせられた経験があるし、夫にせっかく作った夕飯にケチをつけられて悔しい思いをした経験があるからです。

さらにその奥には、「自分ばかりが損をする」「誰もわたしの気持ちをわかってくれない」という認知のゆがみ(偏った思考のクセ)を獲得するに至った、幼少期からのたくさんたくさんの悔しい体験が積み重なっているからです。

癒しを飛ばして、無理やり認知のゆがみを治そうとすれば、インナーチャイルドの激しい抵抗を受けます。

周りの人へのイライラが抑えられなくなります。

だから、先に癒しが必要です。これまでの経験で負った心の傷の癒し(ヒーリング)無くして、偏った思考のクセ(認知のゆがみ)は治すことは不可能ですし、本当のメタ認知も

サホさんも、家族や上司に言われるがまま、俯瞰することを心がけても、きっと苦しくなるだけです。

まずは傷ついたインナーチャイルドを癒すことから始めましょう。

どうして、俯瞰できなくなってしまったのかに意識を向け、傷ついたインナーチャイルドに寄り添ってあげてください。

もし、サホさんが子どもの頃からいつも親に叱られてばかりいたのだとしたら、「わたしは人から責められる」という認知のゆがみを持ってしまうかもしれません。

また、困っているときに親が助けてくれなかったのだとしたら、「わたしは誰にも助けてもらえない」という認知のゆがみを持ってしまうかもしれません。

このような心の傷が、ご家族が言うところの被害妄想の元なのです。

だから無理やり、「責められてるわけじゃない」とか「助けてくれる人もいる」とかポジティブに考えようとしたってうまくいきません。

「子どもの頃からたくさん叱られて怖い思いをしてきたんだよね。だからつい人から何か言われると責められてるみたいに感じて怖くなるんだよね。怖かったね。つらかったね。」

「子どもの頃、困っていてもいつもお母さんは忙しくてロクに相手にしてもらえなかったよね。話を聞いてほしくても満足に聞いてもらえなくて、ぜんぶ自分でどうにかするしかなかったんだもん。そりゃ周りの人に助けてもらえないって思いこんじゃうよね。心細かったね。」

こうやって、心の傷を丁寧に丁寧に癒したうえで、認知のゆがみを修正していくと、無理をせずとも自然にメタ認知ができるようになっていくのです。

俯瞰できないご自分を責めていても何も変わりません。というか逆効果です。

俯瞰できないご自分を受け入れることが、俯瞰できるようになるための最短距離なのです。

まとめ

  • 俯瞰=メタ認知=主観を外して全体像をとらえること
  • 俯瞰(メタ認知)ができるようになると、生きづらさの原因である「認知のゆがみ」の影響を受けず、ものごとをフラットな視点で捉えられ、冷静な判断ができるようになる。
  • ただし、強引なメタ認知によってネガティブな感情を抑圧すれば、認知のゆがみは強化される。
  • メタ認知習得のプロセスは、インナーチャイルドの癒し(ヒーリング)⇒認知のゆがみの修正(レッスン)。
  • ヒーリングなしに認知のゆがみを治そうとすると、インナーチャイルドの抵抗を受ける。
  • 俯瞰できなくなってしまった理由に思いを馳せ、インナーチャイルドに寄り添うことから取り組もう。

具体的なインナーチャイルドの癒し方は、入門講座でお伝えしていますので、よかったらぜひお越しくださいね。

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