人との関わりを避けてしまう理由と克服方法(不安回避タイプ)
このページでは、各種「不安タイプ」のうち、不安回避タイプについて解説します。
幼少期に人を信頼し自分をさらけ出した経験が少ない人は、おとなになっても他人を信頼し心を開くことが難しいです。
不安回避タイプ
こちらのタイプの方は、見捨てられることや見下されることを恐れるあまり、それらが起きそうな状況を事前に避けようとします。
どちらの不安が色濃く出るかは人によりますが、
- 人から嫌われるくらいならはじめから付き合わない方がいい(見捨てられ不安回避)
- 人からバカにされるくらいなら勝負を挑まない方がいい(見下され不安回避)
といった具合に、「不安だから何かをする」のではなく、不安を感じる状況になるのを避けるためにそもそものアクションを起こさないタイプです。
他人への猜疑心が強く、簡単には心を開こうとしません。
この方たちが、他人と関わるときやアクションを起こすときに求めるものは「保証」です。
- 嫌われない保証があるなら付き合ってもいい。
- 勝つ保証があるなら勝負してもいい。
- 得をする保証があるならやってもいい。
逆に、
- 好かれる保証がないなら付き合いたくない。
- 勝つ保証がないなら勝負したくない。
- 損する可能性があるならやりたくない。
となるので、自分から積極的に動くことが少なく、どうしても人間関係が希薄になり、人生が無味無臭の平たんなものになりがちです。
「損をしたくない」という気持ちもひといちばい強いので、やろうと思っても損得勘定が働き見て見ぬふりをしてしまったり、サービス残業など対価がない労働を嫌います。
このようなことから、周りの人からは、クールな人・感情が薄い人・変わった人・付き合いづらい人などと評されやすく、必然的に遊びやイベントなどに誘われる機会が少なくなります。
当のご本人も、「誘われないなら面倒に巻き込まれなくて楽」なんておっしゃったりもしますが、心の奥底では、人と心を通わせられない孤独感や、その場になじめない恥ずかしさなどを抱えています。
それを抑圧し続けているから、だんだんと苦しくなってくるんですね。
そしてそれを直そうにも、
- 絶対に信頼できるカウンセラーじゃないと話をしたくない
- 絶対に良くなる保証がないとお金を払って講座などを受けたくない
と思うので、なかなかクリニックやわたしのような者のところに足が向きません。(ね?w)
不安回避の理由
では、どうしてここまでリスクを避けようとするのか。
それは、あなたがまだ幼いころに人を信頼し自分をさらけ出した経験が少ないからです。
- 親に受け入れられた感覚が薄い
- あまり構ってもらえなかった
- 過干渉で親の思いを一方的に押し付けられていた
- 約束をしても反故にされることが多かった
- きつく叱られることが多かった
- 理不尽なことを言わることが多かった
- 褒められた経験があまり少ない
- 自分からアピールしても無駄だと思っていた
- 性格の明るいきょうだいと比較された
- おとなしい性格を批判的にみられていた
- 陰湿ないじめに遭っていた
あてはまることはありませんか?
問題の大小に関わらず、環境や個人の感受性の高さなども加味して、その人が実際に「見捨てられる恐怖」や「見下される恐怖」を感じていたかどうかが焦点です。
子どもは本来、いちばん身近なおとな(≒母親)に愛され、自分の感情を存分に表現し、共感やスキンシップを受けることで、愛着形成をしていきますが、それが十分に叶わないと基本的信頼感(自他への信頼感)が欠如し、他人に対して不信感を抱きやすくなります。
ゆえに、「見捨てられ不安」や「見下され不安」を抱くことになるわけですが、生まれつきの脳の特性や家庭環境によって引っ込み思案な性格になっている人は、その不安を払しょくしようと他人に依存したり(見捨てられ不安タイプ)、他人と競ったり(見下され不安タイプ)するのではなく、不安が生じそうなシチュエーションをあらかじめ避けるという策を講じます。
これが、不安回避タイプの人が人との関わりを避け、心を開こうとしない理由です。
不安回避とパーソナリティ障害
不安回避タイプはあまり男女差はないように思います。
アダルトチルドレンのロストワンタイプに多く、他のタイプの人に比べて感情を抑圧する力が強いです。
不安回避タイプの人がその状態を悪化させると、「回避性パーソナリティ障害(AVPD)」などと診断されることがあります。
もし今、社会的交流を拒み、わずかな批判にも敏感になっているなと感じたり、心身症状がある場合には、迷わず専門医を受診してください。
あなたが思っているより、信頼できるお医者さまはたくさんいますので、あきらめずにご自分に合うところを探してみてください。
放っておくと症状は悪化の一途をたどりますので、早め早めの行動をお願いします。
そして、傾向が見られる程度の予備軍の方もぜひ今のうちに対処をしておくことをおすすめします。
まだ大丈夫と思って放置していると、医療の手を借りずに立ち直るのが難しくなってしまうこともありますので、余力のあるうちにしっかりと向き合っておいていただけたらと思います。
不安回避の克服
「見捨てられ不安」タイプや「見下され不安」タイプに比べて問題意識が低く、自分と向き合うことを先送りにしやすいのが、不安回避タイプの人です。
関わらなければ心が揺れないので、どうにかやり過ごすことができてしまうわけです。
でも、年齢を重ねるにつれ、漠然とした焦燥感や無力感に襲われ、たまにどうしようもなく虚しくなったりするのではないでしょうか。
何のために生まれてきたのか、何のために生きているのか、その実感が得られずに日々を過ごすのは本当はつらいはずです。
不安回避タイプの人が、その生きづらさを克服するためには、「見捨てられ不安」タイプの対処法や「見下され不安」タイプの対処法の前に、感情を感じていることに気づく練習が必要になります。
インナーチャイルドケアは心の揺れに気づいて感情を拾い上げていくのですが、不安回避タイプの人はそもそも心が揺れる状況を避けようとする上、感情を感じてもそれを抑圧する力が強いため、まずはそこから取り組んでいく必要があります。
と、これを聞いただけで損が嫌いな不安回避タイプの人はなんだか損をしたようなお気持ちになるかもしれませんが、それだけ感情を閉じ込め続けてきてしまったのですから、楽になるにはやるしかないのです。
あなたがいろんなことから逃げ出したくなってしまうのは、あなたの性格が悪いからではありません。
幼いころから人を無邪気に信頼することが許されず、今なおその心の傷が癒えていないだけなのです。
向き合う選択をするも、回避し続けて生きるも、みなさんが選べます。
もし「不安回避」をやめて、ご自分の人生を歩んでみたいと思っていただけたら、ぜひ一度、インナーチャイルドケア入門講座へお越しください。
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