生きづらさを手放して自分と仲良く生きていく

インナーチャイルドケア講座

「観念」が世界を創る。

    
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「観念」が世界を創る。

「観念」というのはインナーチャイルドが深く信じ切っている考えのこと。
人は観念に基づき思考をしており、不要な観念に囚われていることが生きづらさの理由です。

わたしがインナーチャイルドケアメソッドを作った理由は、生きづらさの原因がその人が持っている「思考のクセ」(認知のゆがみ)にあり、さらには思考のクセの大元になっているのが幼少期から潜在意識に深く刷り込まれてきた観念であり、観念を手放すためには、潜在意識の癒し(インナーチャイルドケア)が必要だと考えているからです。

たとえば、子どもの頃から「ちゃんとすること」「いい子であること」を繰り返し要求されてきた人は、「完璧にやらなければならない」という観念が潜在意識に深く刷り込まれてしまい、その観念に基づいて毎回のできごとを考えるため(思考のクセ)、少しのミスで落ち込んだり、過度に失敗を恐れたりするようになるといった具合です。
この方の場合、「完璧にやらなければならない」という観念が人生の邪魔をしているわけですから、それを手放さなければ生きづらさの根本解決はしないのです。

人が持つ観念はそれぞれで、どんな観念がどのようにあなたの人生の邪魔をしているのかということに気づけなければ、生きづらさは手放すことができません。

この詳しい仕組みについては、はじめてのインナーチャイルドケアBOOKでも解説していますので、良かったらそちらもご参照ください。

そして、このシリーズでは今後、わたしのお客さまが抱えているよくある観念を取り上げて解説していきますので、みなさまの観念を見つけ出すヒントにしていただけたらと思います。

観念とは?

まず、「観念」という言葉の意味について。

観念は、個人がものごとに対して抱く主観的な考えのことです。
その人があたりまえに「そうだ」と信じていることで、無意識にかけている色眼鏡ということもできます。

心理学では、「スキーマ」や「コアビリーフ」などの言葉で表現されることもあります。

また、よく「固定観念」という言葉が使われますが、これは、その人の考えが他人の意見や周りの状況によって変化せず凝り固まっている状態。いわゆるステレオタイプの思考のことです。

インナーチャイルドケアメソッド(ICCM)における「観念」の定義は、インナーチャイルド(潜在意識)が頑なに信じていることとしています。
幼少期から知らず知らずのうちに刷り込まれてきた、周りの人たちからの「呪い」と言い換えることもできます。(通称、母の呪い)

観念の例

「友だち」といえば?

  • しょっちゅう会う人だけ
  • 年に数回会う人まで
  • 何年会わなくても友だちは友だち

親戚の結婚式のご祝儀の額といえば?

  • 3万円
  • 5万円
  • 10万円

こんな風に、人それぞれ自分の「正解」がちがうようなものは、個人が持つ観念と言えます。

不要に傷ついたり、もめ事が起きないようにするためにも、自分の「あたりまえ」「常識」「ふつう」が相手と同じとは限らないということを心に留めておく必要がありますね。

生きづらさにつながる観念

そして、観念の中でも、特に生きづらさにつながる不要で偏った観念があり、ICCMではそこに注目しています。

たとえば、

このような自他に対する、強く屈折した思い込みです。

このような不要で偏った観念が潜在意識レベルにまで深く浸透していると、他者との軋轢を生むだけではなく、自分に自信を持てなかったり、他人の評価ばかりが気になってしまったりと、強度な生きづらさを感じやすくなります。

「人の役に立たなければ価値が無い」という観念を持っていれば、家族の何気ない言動で働いていない自分を責められたように感じてしまったり、「完璧でなければならない」という観念を持っていれば、少しのミスや失敗で落ち込み、人から笑われているのではないかなどと勘繰ってしまったりするからです。

そして観念の何より恐ろしいところは、当の本人はその観念を心の底から信じ切ってしまっているため、「そうとしか思えない」ことです。

いくら他人から「そんなことない」「そういう意味で言ったんじゃない」と言われたところで、簡単には覆らないのです。

「ぜったいにそう思っている!」「○○に決まってる!」そんな決めつけの思考を多用する人は、不要で偏った観念に潜在意識が占拠されてしまっている恐れがあります。

なぜ観念が人によって異なるのか

観念には上記であげた例以外にも、数えきれないほどの種類があります。そしてどんな観念を持っているかはおひとりおひとり組合せがちがいます。

どうして人はそれぞれちがった観念を持つようになるのでしょう。
その理由は、以下のようなことがひとりひとり異なるからです。

  • 生まれ持った特性
  • 生まれ育った環境(地域・家庭)
  • 親・祖父母・親戚の価値観
  • きょうだい構成(生まれ順)
  • 出会った他人(先生・友人)
  • これまであったできごと など・・・

同じ特性を持って生まれ、まったく同じ経験をして育ってきた人はいないので、必然的にそれぞれちがう観念を持つようになります。

上記の中で、わたしが最も影響力が強いと考えているのが、「親の価値観」です。
幼いときに一番身近な存在だった親の価値観は、そのまま子へと受け継がれるケースがほとんどです。

親が世間体を気にして、「人前でちゃんとしていなくては」と思っていたような場合、その子どもも大人になっても「人前でちゃんとしていなくては」と世間体を気にするようになりやすいです。

ときに反面教師になる場合もありますが、それもまた親の価値観の影響を受けていると言えます。

というわけで、親がちがえば子の持つ価値観もちがってあたりまえですし、さらには、血のつながったきょうだいであっても観念は同じにはなりません。
生まれ順や性別、親からの扱いや経験するできごとなどの影響も大いにあるからです。
ごきょうだいがいらっしゃる方は、自分とごきょうだいの価値観が同じでないことは、もうおわかりですね。

お伝えしてきているとおり、生きづらさを改善するためには、不要で偏った観念を手放さなくてはなりません。
気づけなければ手放すこともできないので、まずはご自分がどのような特性を持ち、どのような環境で育ったか、親はどのような価値観を持っていたかなどを振返り、抱えている不要な観念をリストアップしてみることをおすすめします。

前述のとおり、自分自身では「そうとしか思えない」ので、どのような観念を持っているかを客観視するのは非常に難しいことです。
ICCMの講座(入門講座本講座)では、じっくりお話をお伺いしながら、その方が持つ観念を一緒に探していきますので、もしご興味があればお越しくださいね。

観念がちがうと悩みもちがう

当然のことながら、持ってる「観念」がちがえば、できごと(ものごと)に対する「解釈」(自動思考)が変わるので、抱える悩みもちがってきます。

できごと(ものごと)× 観念 = 解釈

この方程式をしっかりと理解しましょう。

たとえば、朝、すれ違った人(同僚・ご近所さん・ママ友さんなど)に「おはようございます」とあいさつをしたのに返事が返ってこなかった場合、あなたはどのように「解釈」をするでしょう。

  • Aさん:聞こえなかったのかな?具合でも悪いのかな?
  • Bさん:なんで返事しないの!なんて失礼な!
  • Cさん:無視・・・。わたし何か嫌われるようなことしちゃったかな。

Aさんには、できごとに余計な解釈を掛け合わせず、フラットに解釈できています。したがって、特に悩みを抱え込むこともなく、すぐに次のことに切り替えられるでしょう。

Bさんは、「わたしはいつも人から雑に扱われる」「あいさつにはどんなときでも笑顔で応じるべきだ」なとどいう不要で偏った観念があるため、あいさつがないことを自分に対する攻撃だと解釈しています。その結果、イライラしたり誰かに陰口を言ってみたくなったり、自分も無視をし返したりという怒りの言動に繋がりかねません。

Cさんは、「わたしはいつも人から嫌われる」「わたしはいつも人を不快にしてしまう」などという不要で偏った観念があるため、あいさつがないことを自分を嫌っているからだと解釈しています。この場合、相手のことが頭から離れず、他のことが手につかなくなってしまったりするかもしれません。

このように、たとえ起こっているできごと(あいさつの返事がない)は同じでも、掛け合わせる「観念」によって「解釈」が変わり、その結果、抱え込むお悩みはちがってくるというわけです。
(ちなみに、わたしの講座を受講される方に最も多いのは、Cさんタイプの人です。)

black_box

上記の方程式で、自分の観念を把握できておらずブラックボックス化していると、あたかもできごと自体に問題があるように捉え、他者や環境への怒りや恐れに囚われてしまいます。

「観念」を把握できていれば、「なるほど。自分にはこういう観念があるから、できごとを○○と解釈したのだな」と客観的に捉えることができるようになります。

これがメタ認知というやつです。

観念が世界を創る

ここで改めて、記事のタイトルにもあるとおり、みなさんが今見ている世界は、ご自身が持つ観念によってできているものだということを知っていただければと思います。

上のあいさつの例でわかるとおり、人はその人が持つ観念に基づいた解釈で世界を見ているため、同じものを見ているようでいて、実はまったくちがったものとして捉えている可能性もあるわけです。

赤色眼鏡をかけて世の中を見れば赤色の世界しか見えず、青色の眼鏡をかけて世の中を見れば青色の世界しか見えないのと同じように、自分の観念で世の中を見れば、観念のとおりにしか見えないのです。

これが、「観念が世界を創る」ということの意味です。

今あなたの目の前に横たわるお悩みも、フラットな視点で見てみたら、思っていたほどにおおきな問題ではないのかもしれません。

あなたが恐れているあの人は、実は思ったほどに怖い人ではないのかもしれません。

あなたが「ない」と思い込んでいるものは、すでにそこに「ある」のかもしれません。

悩みが生まれたときには、自分の観念で世界を不幸色に染めてしまっているのではないかという視点に立つことが重要です。

不要な観念を手放すには?

生きづらさを感じる人に目指していただきたいのは、上の例のAさん(聞こえなかったかな?の人)のように不要な観念に囚われない、フラットな視点を持てるようになることです。

わたしは、フラットな視点を獲得することで、できごとに余計な解釈を加えず、ありのままに見ることができ、あらゆる人間関係のお悩みを一掃すると考えています。

医学の分野で用いられる認知療法もこの考えですね。

では、フラットな視点を持てるようになるにはどうしたらいいかと言えば、シンプルに不要で偏った観念を手放せばいいのです。

<例>

不要で偏った観念:
完璧にやらなければならない
↓↓↓
新しくフラットな観念:
完璧にやらなくてもいい

不要で偏った観念:
わたしはいつも人から嫌われる
↓↓↓
新しくフラットな観念:
わたしを好いてくれる人もいる

こんな具合に、ひとつずつ不要な偏った観念を手放し、新しくフラットな観念に置換していけば、余計なお悩みは消えてなくなるわけです。

でも!!

わたしの経験上、生きづらさを抱えている人(アダルトチルドレン)は、顕在意識(インナーマザー)でだけ観念を書き換えても、潜在意識(インナーチャイルド)が頑なに不要で偏った観念を手放そうとしないという現象に陥ります。

頭ではわかっているけれど心が付いていかないとはまさにこのことです。

想像すればおわかりのとおり、完璧主義になりすぎていると気づいたところで、実際に完璧主義をやめるのはそんな簡単なことじゃないですよね。

いくら自分を好いてくれる人もいると思ってみても、いざ無視をされればやっぱり怖気づいてしまいますよね。

「それができたらとっくにそうしてるわ!」なんて声が聴こえてきそうです。

アダルトチルドレンの不要な観念の手放しには

「頭ではわかっているけど」の状態から試行錯誤を経て、わたしがようやくたどりついた不要な観念を手放すためのたったひとつの方法が、インナーチャイルドケアでした。

「生きづらさを手放すためのロードマップ」でもお伝えしているとおり、①ヒーリング(癒し)→②レッスン(認知のゆがみを治す)のステップで順に取り組んでこそ、本当に不要で偏った観念を手放せるようになるのです。

顕在意識だけで無理やり、「そう思わないようにしよう」「こんなの気のせいだ」「こんなことで悩んでいても仕方ない」などと力業で切り替えようとすることは、本当に無意味です。

無意味どころか、よりインナーチャイルド(潜在意識)は頑なになり、その観念を強く握りしめようとしますから、かえって逆効果です。

ぶっちゃけ、よくある「自分は愛されている」って100回言うアファーメーションの類が、根本的な変化をもたらさないのは、このことが理由です。

インナーチャイルドケアは、頑なになっているチャイルドの心を癒し、信頼関係を構築するところからスタートです。

完璧主義になってしまう自分、人から嫌われてるのではないかと怯えてしまう自分、そういった理想から外れたダメな自分をまずはしっかり受容してあげるところから始めないと、潜在意識レベルに染み付いた観念を手放すことはできないのです。

次回以降は、よくある観念の例を用いてより具体的にわかりやすく解説していきますので、どうぞお楽しみに。

また入門講座では、実際にみなさんのお話をお伺いしながら、持っているであろう観念、そしてそれを手放すためのインナーチャイルドケアの技法についてお伝えします。
ご自分の生きづらさに特化した癒しの方法が知りたい方は、ぜひ入門講座にお越しください!

【まとめ】
●生きづらさの原因は、その人が持っている「思考のクセ」(認知のゆがみ)にあり、さらには思考のクセの大元になっているのが幼少期から潜在意識に深く刷り込まれてきた観念。
●観念とは、個人がものごとに対して抱く主観的な考えのこと。インナーチャイルド(潜在意識)が頑なに信じていること。
●観念の中でも、特に生きづらさにつながる不要で偏った観念がある。「人の役に立たなければ価値が無い」「完璧でなければならない」などの屈折した強固な思い込み。
●観念の恐ろしいところは、本人はその観念を心の底から信じ切ってしまっているため、「そうとしか思えない」こと。客観的な視点を持ちづらい。
●人はそれぞれちがった観念を持つ、その理由は、生まれ持った特性や生まれ育った環境などがちがうから。中でも「親の価値観」の影響を非常に強く受ける。その他にもきょうだい構成や性別など、親からの扱いのちがいなども大きく影響する。
●「できごと×観念=解釈」の方程式を理解しよう。悩みはできごとにどんな解釈を掛け合わせるかによってちがってくる。
●自分の観念を把握しておくことが大事だが、客観視は難しい。
●人が見ている世界は、その人が持つ観念によってできている。他の人と同じものを見ているようでいて、全く違ったものとして捉えている可能性もある。
●フラットな視点を獲得することで、できごとに余計な解釈を加えず、ありのままに見ることができ、あらゆる人間関係のお悩みを一掃する。
●顕在意識(インナーマザー)でだけ観念を書き換えようとすると、潜在意識(インナーチャイルド)が頑なに不要で偏った観念を手放すまいと抵抗するので逆効果。
●インナーチャイルドケアで、①ヒーリング②レッスンの順に取り組むことによって、不要な観念は手放せるようになっていく。

このトピックは、YouTubeでも取り上げています。

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