【お悩み相談】人間関係リセット症候群 ~人間関係の野焼きをやめるには?~
ご相談者さま:かなっぺさん
先日テレビで、人間関係リセット症候群の特集をやっていました。
特集の内容は、最近SNSを突然やめたり、LINEグループを突然抜けたりして、人間関係をリセットする人が増えているというものでした。
SNSの普及により、浅く広い人間関係が増え、簡単に繋がれる分、自分に合わない人との繋がりも増えてしまい、人間関係に疲れやすくなるのが理由とのことでした。
私にも思い当たる節があり、初めは自分から進んで加わった人間関係でも、長くなってくると面倒になったり、苦手な人が出てきたりして、そのグループから抜けたくなってしまいます。(実際には我慢してそのまま付き合い続けることも多いのですが💦)
この件もインナーチャイルドが影響しているのではないかと気になりました。ぜひ解説をお願いします!
森からのお答え
かなっぺさん、ご質問ありがとうございます。
もちろん、この件もインナーチャイルドの観点から解説することができます。
(人間関係のお悩みはすべてインナーチャイルドに関係します。)
わたしが考える「人間関係リセット症候群」の原因や解決方法についてお話しますね。
人間関係リセット症候群とは?
- SNSのアカウント削除
- LINEグループの退出・ブロック
- 転職
- 転居
- 音信不通
のように、これまでの人間関係をまっさらにしたくなる状態を繰り返す人のことを指します。(実際にするかどうかよりもしたくなるかどうか。)
もちろん正式な医学用語などではなく、流行語の一種です。
せっかくの人間関係のつながりを、まるでゲームのリセットボタンを押すかのように、一気に消してしまうことから、この呼び名がつきました。(わたしはかつて「人間関係の野焼き」なんて表現していたこともありますw)
特に、SNSなどのオンラインでのつながりは、ワンクリックで自分の存在を消すこともでき、リセットしやすい人間関係だと言えますね。
なのでこの言葉はオンラインの繋がりを断つことについて使われることが多い言葉ですが、わたしは転職や転居を繰り返すような人たちもこの症候群を患っていると思います。
続いてわたしが考えるリセット理由を解説します。
【リセット理由①】防衛機制による逃避
いちばんの理由はなんといっても「傷つきたくない!」ということなのだと思います。
そのコミュニティ(グループ・団体)に属していることで、何かしらの心が揺さぶられてしまうことがあり、そこから離れたいという気持ちです。
この逃避は、防衛機制という自分の心を守るための心理作用の一種です。
たとえば、SNSで言えば、
- 他の人の幸せそうな写真(結婚・出産など)
- 他の人の充実した姿(仕事の成功・旅行など)
- 自分以外の人たちが集まっている(飲み会・オフ会など)
職場で言えば、
- 上司からの叱責
- 同僚からの嫌がらせ
- 部下の出世
といった具合に、劣等感や孤独感を突き付けられることや、そこに属していながら仲間外れにされているような感じ(疎外感)があったりすると、居続けることがつらいと感じるようになるでしょう。
これ以上つらい思いはしたくない、もう傷つきたくないという気持ちから、手っ取り早くそのコミュニティそのものから離れようと考えてしまうのだと思います。
「人間関係リセット症候群」の人の特徴は、問題のある人間関係をピンポイントで対処するのではなく、コミュニティそのものから抜けることで、問題を一掃しようとすることです。
これは、その人の偏った思考のクセ(認知のゆがみ)により、ひとつのできごとを全体として捉えてしまうような極端さがあるからではないかと考えます。
- ひとりに嫌われているとみんなに嫌われているような気持になる。
- 1度あったことを「いつも」「毎回」などと捉える。
- 過去にあったことがこの先もずっと続くと考える。 など。
【リセット理由②】リスタート願望
そして、リセット後のメリットとしては、新たな自分として人間関係を作り直すチャンスができること。
更地の状態で、過去のしがらみにとらわれず、新しい関係構築ができることに魅力を感じてリセットする人も多いと思います。
それまで属していたところに、自分のことを良く思っていない人がいたり、そこで自分が失敗した汚点を見られていたり、自分の欠点や短所を知られていたりする人は、リセットをすることでそれらを「無かったこと」にして、自分の過去を知らない人と人生をやり直せるような気持になるでしょう。
その他にも理由があるかもしれませんが、おそらくこのふたつがリセット症候群になってしまう人のおおきな理由なのではないかと思います。
リセットしたあとに待っていること
リセット直後、多くの人はすがすがしい気持ちになるかと思います。
- もうあんな辛い思いをしなくていい
- あしたからアイツの顔を見なくて済む
- 投稿のタイムラインに怯えなくていい
- 返信内容やタイミングに悩まなくていい
しがらみから解放されて、自由になった気がするのではないでしょうか。
そして新しいコミュニティを見つけて入れば、そこは過去の自分を知らない人ばかり。
苦手な人もいないし、意地悪な人もいない。新しく入った自分に親切にしてくれる人までいる。
ここで人生やり直せる!と思ったりもします。
が、残念ながらそんな平和な日々は長く続かないハズ。
気づくとまた苦手な人が現れたり、気になることがあったりして心煩わされ、「あれ?また同じような状況に陥っている」なんて思うのではないでしょうか。
その理由は明確。なぜなら・・・
環境が変わっても自分の偏った思考のクセ(認知のゆがみ)が変わっていないから!!
- 人はわたしのことを悪く言う
- わたしは人に見下される
- わたしは人から疎外される
- わたしは人の輪に馴染めない
- わたしは人より劣っている
- わたしの人生はつまらない
いくら人間関係のリセットボタンを押したところで、こういった思考のクセをぶらぶらぶら下げたままであちこち渡り歩いているから、その思考のクセどおりの現実を作り出してしまうのです。
とても厳しいことを言いますが、あなたがリセットボタンを押したくなるのは、周りの人や環境のせいではありません。
自分に好意を寄せてくれる人以外を敵だとみなし、相手の一挙手一投足が自分への攻撃・批判・見下し・自慢だと誤認し、劣等感・孤独感・疎外感を抱くというパターンがやめられないから、どこにいってもしんどい現実が繰り返されるのです。
そのことを受け入れずにリセットを繰り返せば、毎回イチから人間関係を築かねばならず、いつまで経っても安定した状態になりません。
何度も何度もリセットを繰り返すうちに、やがて人と関わることが怖くなり、孤独な人生を歩むことになります。
リセット症候群をやめるには
これまでのご説明でおわかりのとおり、リセット症候群をやめるためには、あなたが持つ偏った思考のクセ(認知のゆがみ)を治さなければなりません。
「自分に好意を寄せてくれる人以外を敵だとみなし、相手の一挙手一投足が自分への攻撃・批判・見下し・自慢だと誤認する思考パターン」を手放さなければ、リセット症候群をやめることはできません。
そのためのファーストステップがインナーチャイルドの癒しです。
「生きづらさを手放すためのロードマップ」にも書きましたが、長年こびりついた思考のクセをいきなり手放すことは非常に困難です。
- 人はわたしのことを悪く言う
- わたしは人に見下される
- わたしは人から疎外される
- わたしは人の輪に馴染めない
- わたしは人より劣っている
- わたしの人生はつまらない
こういった思考のクセを持つことになった大元の体験(幼少期の原体験)にアプローチすることなくして、手放すことはできないとわたしは考えています。
そこをしっかり癒すことをすっ飛ばして、単純に思考のクセだけを治すことはできないのです。
ICCM(インナーチャイルドケアメソッド)は、癒し(ヒーリング)のあとに思考のクセを治す学習(レッスン)をすることで、最も効率的に最短距離で生きづらさを手放す方法をお伝えしていますので、気になる方はぜひ入門講座へお越しくださいね。
後半の記事では、わたしが転職を繰り返していたときの体験談を綴っています。ご興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください!!
▶後半:わたしが転職を繰り返した本当の理由 ~人間関係リセット症候群の転職二桁体験記~
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