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機能不全家族とは? ~アダルトチルドレン大国ニッポン~

    
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機能不全家族とは? ~アダルトチルドレン大国ニッポン~

「インナーチャイルド」とか「アダルトチルドレン」について調べているとたびたび遭遇する「機能不全家族」というワード。この言葉の定義はどのようなものでしょう?

アダルトチルドレンの歴史

アダルトチルドレンは元々アメリカで生まれた言葉です。

アル中の親に育てられた子は、高確率でおとなになってから生きづらさを抱え込むという問題から生まれた言葉で、当初は「親がアルコール依存の家庭で生まれ育ちおとなになった人(Adult Children of Alcoholics)」の定義でした。

そこから、同じような問題がアル中の家庭だけでなく、虐待やネグレクトなどの問題を抱える家庭でも起きていることに着目され始め、機能不全家族で生まれ育ちおとなになった人(adult children of dysfunctional family)全般をアダルトチルドレンというようになりました。

機能不全家族とは?

では、その「機能不全家族」とはなにかというと、言葉そのまま「機能」が「不全」な「家族」です。

本来家族としてあるべき機能が健全に備わっていない状態を指します。

「あるべき機能」については、アスク・ヒューマン・ケア研修相談センター編の「アダルト・チャイルドが自分と向きあう本」の中に書かれた、「健康な家庭」の定義が参考になります。

健康な家庭とは、何の問題もなくていつも幸福な家庭をさすのではありません。どの家にも、問題は起こります。その問題についてオープンに話しあうことができ、解決を探ることができ、それぞれが自分を大事にし、感情や欲求を表現でき、一人一人の成長にともなって関係が変化していく - そんな家庭をいうのです。

引用元:アダルト・チャイルドが自分と向きあう本

これをまとめて、以下の8つのルールが書かれています。

  • 問題があったら話しあう。
  • 感情は率直に表現する。
  • 言いたいことは、直接言う。
  • 現実的な期待 - 弱くても、まちがっても、完全でなくてもいい。
  • 自分のことを第一に考えてもいい。
  • 本音で話す。
  • 大いに遊び、楽しむ。
  • 変化はワクワクするチャレンジだ。

このような条件がそろっていない家庭が「機能不全家族」であるとすると、DV・ネグレクトなどのわかりやすい問題だけでなく、どこの家庭にもありふれているようなことがアダルトチルドレンの原因になることがわかります。

胸に手を当てて、よーく考えてみてください。

おそらくどんなに「普通」の家庭で育った方も、なにかしら思い当たるところがあるのではないでしょうか?

感情を率直に表現することの難しさ

上記の「健全な家族」の定義の中でも、日本の家庭で最も持ちにくい機能が「感情は素直に表現する」「本音で話す」あたりなのではないかと考えます。

わたしのクライアントさんの多くは、「普通」の家庭で育ち、「それなりに」ちゃんと育ててもらった人ばかりです。

でも「感情をありのままに表現できていたか?」「いつでも本音で話せたか?」という問いについては、自信を持ってYESと答えられる人は皆無です。

たとえば、

  • お母さんを怒らせないようにいい子にしていた。
  • お母さんを悲しませないように嫌なことは言わないようにしていた。
  • 学校に行きたくなくても言えなかった。
  • 勉強をがんばるとお父さんがよろこぶからつらいけどがまんしていた。
  • 甘えるのが恥ずかしくてそっけない態度を取っていた。
  • 無理に「子どもらしく」していた。

こんな風に、お父さんお母さんの顔色見て、何かしらの無理や我慢をしています。

それも、息を吸うようにあたりまえに。

子どもは家庭内の問題に気づけない

子どもはよほどのことがない限り、生まれ育った自分の家庭しか知りません。

よそのお家に頻繁に出入りしたところで、その家庭に暮らしていないとわからないことはたくさんあります。

もし、DVやネグレクトなどの顕著な問題があれば、周りのおとなが気づいてくれるケースもありますが、多少のことで介入されることはありません。

だから、多くの人はおとなになるまで、いやおとなになっても、自分の家庭の問題には気づきにくいのです。

わたし自身も「うちってちょっと変なのかも?」と思ったのは、結婚して夫の家族と密に関わるようになってからです。

夫の実家では誰も大きな声を出すことなく、みんなが穏やかでニコニコしています。

会話があったりなかったり。それぞれが好き勝手なことをしながら寛いでリビングで多くの時間を過ごしています。

そこにいるわたしだけが所在なく、会話が途切れれば不安になり、手持無沙汰になればすぐにでもひとりになりたいと思ってしまうのです。

はじめは、「なんでみんなこんなにマイペースなんだろう?」なんてあっけに取られていたのですが、そのうちわかってきたのは、「あぁ、家族って、リビングって、きっとこれでいいんだ。」ということです。

無理に会話をしたり、おもしろいことを言って盛り上げたりしなくてもいい。

皮肉や嘲笑、愚痴や不満がない、安心安全で快適な場所。

感じたことを素直に口に出しても、誰にも否定されたりバカにされたりしない。

どんな感情を持ち合わせていても、「ただそこにいればいい」という場所。

自分はここにいるみんなから「無条件で愛されている」と実感できる場所。

それがわたしがはじめて目の当たりにした「健全な家族」なのです。

わたしの実家族にも笑いはあったし、勉強しろと言われたこともありません。

わたしは十分に食事や着るものを与えられ、習い事もさせてもらったし、家族旅行にもいきました。

両親ともに苦労して育ったのに、わたしたちにはできるだけ不自由がないようにしてくれて、本当に感謝しています。

でも、「泣いたら笑われる」「こんなこと言ったらバカにされる」「甘えると嫌な顔される」「わがまま言うと怒られる」

たびたびそんな風に感じていたことも本当なんです。

「感情をありのままに表現できていたか?」「いつでも本音で話せたか?」

そう聞かれたら、やっぱり首をかしげてしまいます。

ほとんどの家庭が機能不全

そうです。お気づきのとおり、おそらくわたしの夫の実家が「特別」であり、わたしの実家が「普通」です。

おそらくこれを読んでくださっている方の多くが、わたしの実家とそんなに変わらない環境で育っていらっしゃることと思います。

また、わたしから見ると「特別」に見える夫の実家も、きっと感情の抑圧がまったくないというわけではないでしょう。

現代の日本において、普通の社会生活を送っていたら、一切の感情の抑圧なしにいられる家庭なんてまず存在しません。

戦争を経験した我が国が、お父さんとお母さんがふたりとも自己肯定感が抜群に高くて、子どもたちにもどこまでもおおらかで、地域や学校ともうまく連携をとって、まったく無傷で育つなんてありえないですよね。

日本人の8割はアダルトチルドレンと言われていますが、グレーゾーンも含めたら、ほぼ全員がアダルトチルドレンだろうとわたしは思っています。

テレビの向こうの厚化粧のおばちゃんも、偉そうにしている会社の上司も、やたらと人の問題に首突っ込んでくるお節介な友人も、みんなみんなアダルトチルドレンです。

世代間連鎖を断ち切る

だからといって、自分の生まれ育った環境のせいにして一生生きづらいままって、いったいダレトク?

ってわたしは思っています。

親がアダルトチルドレンであることは、そのまた親のせいであり、国のせいであり、戦争のせいであり、世界のせいであり・・・

そうやって責任転嫁し続けても、あなたが幸せになることは無いのです。

だったら、負の連鎖をここで断ち切ってやろうじゃないの!

残りの人生幸せに生きてやろうじゃないの!

自分の子どもには自分より少しは楽に生きてほしいし、そのまた子どもにはもっと楽に生きてほしい!

そう思いません?

誰かのせいにしててもつまらないですよ。

あなたが今ここで変わるかどうかは、あなただけの問題じゃなくて、後世の人の問題でもあります。

あなたが幸せになることで、自分の大切な人が幸せになるんですから、こんなにお得なことはないんです。

インナーチャイルドケアはじめてみませんか?

【まとめ】
●機能不全家族とは、本来家族としてあるべき機能が健全に備わっていない状態。
●DV・ネグレクトなどのわかりやすい機能不全家族だけがアダルトチルドレンになるわけではない。
●特に日本では「感情を素直に表現する」ことが難しく、ほとんどの人が息を吸うかのように何かしらの無理や我慢をしている。
●子どもは生まれ育った自分の家庭の問題には気づけない。大人になってもなかなか気づけない。
●日本人のほとんどはアダルトチルドレン。普通の社会生活を送っていて、一切の感情の抑圧なしにいるのはほぼ不可能。
●だからといって親やその上の世代に責任転嫁してても幸せにはなれない。「自分の代で負の連鎖を断ち切る!」と決めて、インナーチャイルドケアに取り組もう!

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