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【カサンドラ症候群】HSPな妻とASDの夫。わかってもらえない苦しさから脱するには?

    
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【カサンドラ症候群】HSPな妻とASDの夫。わかってもらえない苦しさから...

「パートナーがわかってくれない」「夫がわたしの気持ちに共感してくれない」奥さま方からよくいただくご相談です。
たいていの場合、ご主人がASDもしくはそれに近しい状態で、適切なコミュニケーションが成立しないことが、お悩みの理由です。
今日はカサンドラ症候群についてのお話です。

既婚女性のお客さまから、「わたし、カサンドラ症候群かもしれなくて・・・」というご相談をいただくことが多いです。

  • 夫がぜんぜん共感してくれない。
  • なにを聞いても、「なんでもいい」しか言わない。
  • 子どもの教育に関心を持ってもらえない。

といった具合に、ご主人との意思疎通がうまくいかなくて、落ち込んでしまうケースです。

「カサンドラかも」とおっしゃる奥さまはご主人のASDを疑っているわけなのですが、そのことをご主人に言いだせないでいるか、言っても「おかしいのはおまえだ」などと返されてしまい、病院で検査を受けることもせず、解決方法が見いだせないままだとおっしゃる方がほとんどです。

今日はそんな苦しい苦しいお悩みを抱えた方に向けてのお話です。

まだご結婚されていない方も、カサンドラ症候群の予備軍の方がたっくさんいらっしゃいますので、ぜひ読んでいってくださいませ。

カサンドラ症候群とは

ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、先にカサンドラ症候群の言葉の意味を解説します。

【カサンドラ症候群】
パートナーや家族など、身近にいる人が自閉症スペクトラム障害(ASD)であるため、適切な意思疎通や関係性を築けずに、その心的ストレスから不安障害や抑うつ状態などの症状に陥る状態のこと。
※カサンドラ症候群という名称は、ギリシア神話の王女の名前に由来する。
未来予知能力を持ちながら誰にもその力を信じてもらえないという不幸な境遇にあったことから、「理不尽な状況に置かれ、周囲からの理解を得られない」状態を指す言葉として名付けられた。

つまり、パートナーが発達障害ASDであり、日常的に「会話がかみ合わない」「気持ちを理解してもらえない」といったことが繰り返されるうちに、自分自身の精神が不安定になり、不安感やうつ傾向などが見られる状態です。

そして、念のためASDについても簡単に説明をしておきます。

【ASD】
発達障害の一種、自閉スペクトラム症のこと。
生まれつきの脳の特性により、相手の考えていることを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが苦手で、特定のことに強い興味や関心を持っていたり、こだわり行動があるといった特徴が見られる。
症状は多岐にわたり、医師によっても診断が分かれることがある。
※ASDの中でも、知的障害を伴わない人のことをかつては「アスペルガー症候群」と呼んで区別していたが、2013年にASD(自閉スペクトラム症)として統一された。

つまり、ご主人の側からすると、「共感しないわけじゃなくて、できない」「興味を持たないんじゃなくて、持てない」のです。

そこに「悪意」がないがゆえに、余計にややこしい問題になります。

もし、もう奥さまにすっかり愛想を尽かしていて、「共感したくない」「興味を持ちたくない」というほどにイヤになっているのなら、お互いに次の道を考えることもできますが、大半の場合そうではないのです。

奥さま側が一方的に「わかってくれない!」と怒っているだけで、ご主人にとっては「なんでそんなことで目くじら立てるの?」という状態だから、暖簾に腕押しで話し合いにもならないのです。

そんな心通わない環境で毎日過ごしているうちに、だんだん奥さまの精神状態が不安定になり、気分がうつうつとしてしまうというわけです。

それがカサンドラ症候群です。

HSP妻とASD夫

この記事を女性向けに書く理由は、ASDは圧倒的に男性が多いからです。

ASDの割合は人口の1%(100人に1人)超。男女比は4:1程度だそうで、さらに知的障害を伴わないアスペルガーの割合だと6:1とも言われます。

また、イギリスの発達心理学者サイモン・バロン=コーエンさんの理論よると、「自閉症は極端に発達した男脳である」とされています。(諸説あり)

これらのことから、グレーゾーン(診断が降りるほどではないがその傾向がある人)も含めると、ごく普通に社会生活を送っている男性の中にもなかなかの割合で、ASDもしくはその傾向がある人が存在するのではないかなと考えます。

うちの夫も例外ではなく、先日子どもの学校の話をしている最中に、「そういえばマッチ、今年でホークス辞めるらしいね」と突然野球選手の進退話をぶち込んできたKYっぷりです。笑。

その中で、診断を受けるほどでもなくてもASD傾向のあるご主人の共感のなさに悩んでいる奥さまの多くは、繊細な気質(HSPなど)をお持ちです。

この問題、わたしの考えでは、

  • HSP:ミラーニューロンの働きが活発で、相手の気持ちを鏡で映しとるように察することができる。
  • ASD:ミラーニューロンの働きが鈍く(と言われている)、相手の気持ちを汲み取ることが困難。

このふたつの極端な気質がぶつかるからだと思っています。
※ASDのミラーニューロンの働きが鈍いとされる説には、異論もあるようです。

ミラーニューロンについても解説しておきます。

【ミラーニューロン】
高等動物の脳内にある、他者の行動を見て、自分自身までも同じ行動をとっているかのように反応をする神経細胞のこと。
他者の行動やその意図を理解する手助けになると考えられている。

名前のとおり、「鏡」のように相手の感覚を察することができる機能なわけですが、これが活発なHSPと鈍い(と言われている)ASDとでは、コミュニケーションに齟齬が生まれることは必然だと思います。

たとえご主人がASDと診断を受けるほどではなかったとしても、奥さまの繊細気質(HSP)ゆえに、コミュニケーションの困難さに拍車がかかっているようなケースがたくさんあるのではないかと思っています。

少しASD気味なだけであっても、ミラーニューロンの働きが活発なHSPにしてみたら、理解し難い冷たい言動にも思えるんですよね。

こうして、HSP妻とASD(傾向)夫の問題があちこちで勃発しているというのがわたしの考えです。

どうしてHSP妻はASD夫を選ぶのか

ここまで解説すると、「ASD傾向のない、共感的な夫を探せばよかった」と思う奥さまも多いはずです。

ところが、そうならないようにできています。

今、どんなに共感力のない夫に不満を抱えている奥さまも、おそらく離婚して再婚しようとするとき、気づけばまた同じような人を選びそうになったり、あえて真逆を選んだとしても、別の問題でうまくいかないことになるのではないかと思います。

その理由はなぜか。

ズバリ。

みなさまが単なるHSPではなく、自己肯定感の低い「隠れアダルトチルドレン(HSPAC)」だからです。

▶毒親育ちじゃないのにアダルトチルドレンになる!? ~隠れアダルトチルドレン(HSPAC)~

※「隠れアダルトチルドレン(HSPAC)」は森ようこの造語です。

生まれ持っての繊細気質(HSP)に加えて、これまでたくさんの傷つき体験をしてきたことにより、

  • 自分に自信がない
  • 人の目が気になる
  • 他人と比べて落ち込む
  • ささいなことで動揺する

といった自己肯定感の低さで悩んでいるところに、

  • 他人の意見に振り回されない
  • 我が道を行く
  • 人と比べない
  • 多少のことでは動揺しない

といったASD気質の男性が現れたら、心惹かれてしまうのです。

周りに気を遣ってオドオドしている自分と比べて、すごく強くたくましく頼りになりそうに見えるのです。(そういえばそう見えたよねw)

これらの長所がめいっぱい発揮されたのが、今あなたの目の前にいるご主人です。キラーン。

恋愛真っただ中で、あなたに対して必死に気遣いしてくれている間はいいとして、結婚生活になり、その長所が自分に向けてもいかんなく発揮されるようになると、たちまちそれが、

  • わたしの意見を聞いてくれない
  • 自分のことばかり考えている
  • 世間体を気にしない
  • わたしの気持ちをわかってくれない

といった、どうしようもない欠点に思えてくるのです。

このカラクリ、お分かりいただけますでしょうか??

ここをしっかり理解しておかないと、何度相手を変えても環境を変えても同じ結果待っています。

カサンドラ症候群を克服するには

ここまでの解説でみなさまお察しのとおり、カサンドラ症候群を克服する方法は、ただひとつ。

あなたの自己肯定感を上げることです。

ご主人とのことをなんとかしようとするよりも、まずはご自身の自己肯定感を育むことに取り組んでみていただきたいなと思います。

自己肯定感を上げた結果、それでもどうしてもご主人といるのが嫌だったら、そのときに新たな道を探せばいいのであって、今二人の関係の結論を出すのは時期尚早かもしれません。

(もちろん、暴力を振るわれているとか、金銭的なトラブルがあるとか、自分の精神がボロボロだとか、そのような状態であれば、先に環境を変える必要があるかもしれませんので、そちらの対処を優先してくださいね。)

そのためにわたしがご提案できることは、やっぱりインナーチャイルドケアです。

誰かにわかってもらおうとする前に、自分で自分のことをいちばんに理解し、癒せるようになる。

そうやって自己肯定感を高めて自立してしまえば、ご主人は案外、あなたを好き勝手にさせてくれる楽ちんなパートナーかもしれません。

ご参考になるかわかりませんが、わたしが今こんな風に思いきり仕事に打ち込めているのも、いい意味で夫がわたしに執着がないおかげだと思っています。笑

共感してもらえないと残念に思うこともあるけれど、決して悪いことばかりではないのです。

逆に、もし夫がわたしと同じような気質だったら・・・うーん。ムリ!w

結局のところ相手がASDであろうとなかろうと、自分のことを誰よりもわかってあげられるのは結局自分なので、そこを放棄して誰かにわかってもらおうとしても、ややこしくなるだけなのです。

そんなわけで、カサンドラのままいるなんて、人生もったいない!

自立して、主体的に自分の人生を楽しみましょう!

がんばるあなたを応援したいと思っています。

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