アダルトチルドレン5つのタイプ
アダルトチルドレンは、大きく分けて以下の5つのタイプに分類できます。
ケアテイカータイプ、ヒーロー・ヒロインタイプ、クラウンタイプ、スケープゴートタイプ、ロストワンタイプ
このページでは、各タイプの概要を解説します。詳細はタイプごとのトリセツ(リンク先)をご覧ください。
アダルトチルドレンに関する解説はこちら
アダルトチルドレンのタイプ
アダルトチルドレン(AC)
幼少期に負った心の傷(発達性トラウマ)が癒されておらず、生きづらさを感じている人。
子ども時代に、不完全な家族の隙間を埋めるためになんらかの演技をしており、インナーチャイルドが傷ついていて、ケアが必要な状態である人。
と解説したとおり、アダルトチルドレンは「子ども時代に、不完全な家族の隙間を埋めるためになんらかの演技」をしています。
その演技をしていた「役」によって、おとなになってからの生きづらさに特徴が出ます。
大きく分けて5つのタイプに分類できます。
※タイプ分けはあくまで傾向を見るものであり、記載している内容すべてにあてはまるわけではありません。
ケアテイカータイプ
お世話役。自己犠牲的。
母親に代わって幼い弟妹の面倒をみたり、父親に代わって母親の悩み相談に乗ったりと、小さいお母さんのように献身的に振舞う。
母親が多忙な場合や、母親が依存的な人の家庭で多く現れる傾向がある。第一子(特に女子)に多い。
おとなになってからも自己犠牲的で自分のことは後回しにしがち。
人から頼られやすい反面人に頼るのが苦手で、いつも自分ばかりが損をしているような感覚に陥りやすい。
他人の世話を焼くことによって自分が向き合うべき問題から逃げ続けるため、生きづらさが付きまとう。
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また、ケアテイカータイプには、「イネイブラー型」「プラケーター型」という亜種が存在します。
ヒーロー・ヒロインタイプ
英雄役。完璧主義。
勉強やスポーツなど、目に見える高評価をもらうことが最優先。
自分の興味関心ではなく、家族の平和のため、親の期待に応えるため、他人から評価されるための努力を続ける。
親が学歴至上主義であったり、逆に学歴コンプレックスがあったり、外面にこだわる傾向が強い家庭で多く現れる。
第一子(特に男子)に多い。第一子がなんらかの事情でこの役を負えないときは、第二子が負うことが多い。また、女きょうだいだけの場合には長女か、年の近い次女が負いやすい。
おとなになってからもまじめで承認欲求が強く、周りの人と自分を比べがち。
成績やステータスなどに執着する。
少しの挫折や失敗で心が折れてしまいやすい。
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クラウンタイプ
ピエロ役。自虐的。
深刻な雰囲気を嫌い、おどけたりふざけたりして、家族に少しでも笑いをもたらそうとする。
出る杭にならぬよう、健気でかわいい子であろうとする。一見すると無邪気で子どもらしく見えることも。
他のきょうだいからは「要領がいい」「親にかわいがられている」と思われがち。
末っ子に多い。
おとなになってからも自分に自信がなく、常に他人の機嫌をうかがっている。どうすれば険悪なムードを避けられるか試行錯誤している。
優柔不断で自分で決断することが苦手。八方美人になりがち。
その場をまるく収めることに尽力して、自分の問題に真剣に向き合おうとしない。
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スケープゴートタイプ
悪役・生贄役。トラブルメーカー。
問題行動を起こしたり、勉強をせずテストで悪い点取ったりするなど、家族の悪役を一手に担う。
また、病気やケガをしがちで、親の手を煩わせるようなケースもある。
単に親の注目を得る目的だけでなく、家庭内の真の問題(夫婦不仲・嫁姑問題など)から親の気をそらすために、身を挺して怒りや憎しみのはけ口になる。
一見するとわがまま放題に見られがちで、周りの理解が得にくいタイプ。
中間子に多い。夫婦仲が険悪な場合や、親がヒステリックな家庭にも現れやすい。
おとなになってからも他者とのトラブルを起こしがち。
敵が多く、自分の気持ちを素直に表すことが苦手でついひねくれた態度を取ってしまうことも。
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ロストワンタイプ
陰役。ミステリアス。
他のタイプが、何らかのアピールをして親に存在価値を認めてもらおうとするのに対し、親の機嫌を損ねないよう、家族の問題を荒立てないよう、ひたすら自分の存在を消そうとする。
感情表現が乏しく、自己主張はせず、おとなしくしている。
ひとりっ子や、ネグレクト気味に育った人、親が過保護・過干渉気味だった人に多い。
おとなになってもコミュニケーションが苦手で、人との関りを避けようとする。
何をやってもムダと考え、損をしないように必要最低限の行動を取ろうとする。
感情の抑圧が最も強いタイプ。
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なぜタイプが分かれるのか?
どのような役を選ぶか、またどの程度演じるかは、その子の特性や、生まれた家庭でどんな隙間があるかによって決まります。
選ぶ役はひとつとは限らず、いくつかのタイプが混在していたり、場面に応じて複数の役を巧妙に演じ分けたり、親以外の人の影響を受け途中でタイプを変えたりすることもあります。
たとえば、年上のきょうだいがすでにヒーロー・ヒロインを演じている場合、後から生まれた子はクラウン役を選択したり、スケープゴート役を選択したりして家庭内のバランスを取ろうとしがちです。
上の子どもからすると「甘えん坊でわがまま」「マイペースで自分勝手」などと見えるかもしれませんが、実は生存のため(親からの注目を得るため)にあえてそのような役割を演じていることがほとんどです。
また、ひとりっ子やきょうだいの健康状態などに問題があるような場合には、親の期待を一身に背負って複数の役割をひとりで同時に担い疲弊していたりもします。
いずれにしても、家庭内に何らかの問題がある場合、そこに生まれた子どもたちはどこで自分の存在価値を見出すことができるかを無意識のうちに探り、役を選び取っているのです。
周りを見渡してみればきっと、あの人もこの人も、アダルトチルドレンだと気づくのではないでしょうか?