へこみやすい。立ち直れない。【お豆腐メンタル】の本当の克服方法
お客さまからよくご相談いただくことのひとつに「お豆腐メンタルをなんとかしたい」というのがあります。
へこみやすくて疲れるから、もっと強い心を持ちたいということです。
今回はこのことへの対処法をお伝えします。
いつからでしょう。
「お豆腐メンタル」とか「ガラスのメンタル」とかいう言葉が使われ出したのは。
ささいなことで落ち込んだり、いつまでもくよくよ悩んでいる人のことを、精神的に弱い人という意味で、このように言ったりしますよね。
わたしのところにもよく、「お豆腐メンタルで困っています。鍛えるにはどうすればいいですか?」とか、「打たれてもへこまない鋼のメンタルを手に入れるにはどうしたらいいですか?」なんてご相談があります。
今回は、こういったお悩みにお答えしていきたいと思います。
メンタルってなに?
メンタル(Mental)ってそもそも、フィジカル(Physical・肉体の)の対義語で、「心の」「精神の」という意味の形容詞なのですが、日本では名詞化されて、「心」「精神」という意味で使われることも多いですね。
日本で「メンタル」と言ったら、「心」「心の」両方の意味で使われているのが現状です。
ちなみに、近年では「メンヘラさん」「メンヘラ女子」なんて言葉もよく使われていますね。「精神疾患を有する人」「情緒不安定な人」という意味で使われますが、これは元々「mental health(精神的健康・心の健やかさ)」からきている言葉で原形を留めていないです。もちろん、これらは専門家が使うものではなく、和製英語的に社会に定着してきた言葉です。
メンタルが弱いってどういうこと?
すぐに落ち込んだり何かとくよくよ悩むような人を「メンタルが弱い人」、少々のことではへこまない人を「メンタルが強い人」、と表現したりしますね。
比喩的な言い回しで、
- メンタルが弱い=お豆腐メンタル・ガラスのメンタル
- メンタルが強い=鋼のメンタル・鉄のメンタル
なんて言ったりもします。
でも、実は、メンタル(心)自体に強いも弱いもありません。(少なくともわたしはそう思っています!)
わたしの言葉で表現するならば、
- メンタルが弱い人→ネガティブに偏った思考のクセが強い人
- メンタルが強い人→ポジティブに偏った思考のクセが強い人
です。
強いのはメンタル(心)ではなく、「思考のクセ」です。
「思考のクセ」とは?
わたしは生きづらさの理由は「偏った思考のクセ」(観念)であると考えています。
※このことは、『はじめてのインナーチャイルドケアBOOK』に詳しく書きましたので、気になる方は読んでみてください。(無料)
簡単に言うと、お悩みは「できごと」によってもたらされるわけでも、「弱いメンタル」によってもたらされるわけでもなく、「できごとを偏って解釈するその人特有の思考のクセ」によってもたらされるということです。
わかりやすいようにケーススタディをしましょう。
AさんにLINEを送ったけれど、「既読」になったまま返信がない。
こういうことってよくありますよね。
この「できごと」に際したとき、「思考のクセ」によって、考えることはさまざまです。
【Bさん】
Aさん、今日は忙しいのかな?そのうち連絡くるでしょ。
【Cさん】
なんで、既読になってるのにすぐに返信してこないわけ?Aさんたら失礼しちゃう!
【Dさん】
わたし余計なこと言っちゃったかな。Aさんなんか怒ってる?
おわかりいただけますか?
- Bさんは、Aさんの既読スルーを「Aさんの多忙が理由」だと「解釈」したため、怒ったり落ち込んだりすることなく、穏やかな気持ちで返信を待つことができます。返信が来るまでの間気をもむこともなく、他のことにエネルギーを使えます。
- Cさんは、Aさんの既読スルーを「自分に対する無礼」だと「解釈」したため、怒りが沸き、Aさんを責めるような思考をしています。返信が無いことに文句を言ったり、催促してみたり、納得のいく謝罪が得られるまではイライラが収まらなかったりします。
- Dさんは、Aさんの既読スルーを「自分に非があるから」だと「解釈」したため、自分の言動に落ち度がなかったかを振り返っています。Aさんから返信が来るまで何も手につかないほどに動揺し、場合によっては周りの人にAさんが自分のことを怒っていなかったか聞いてみたりもするかもしれません。
注目していただきたいのは、起こっているできごとは同じであるにも関わらず、その人の「解釈」によって、まったく異なる感情が生まれているという点です。
この解釈は、その人が元々持っている「思考のクセ」に依存します。
- Bさんは、ネガティブに偏った思考のクセが少ないので、起こったできごとに対し必要以上に深刻になることはありません。
- Cさんは、「人はわたしを雑に扱う」というような、ネガティブに偏った思考のクセを持っているので、起こったできごとにに対して怒りを覚えやすく、必然的に人間関係にトラブルを抱えやすくなります。
- Dさんは、「わたしは人に嫌われる」というような、ネガティブに偏った思考のクセを持っているので、起こったできごとに対して悲観的になりやすく、いつも周りの人に怯えて過ごすようになります。
このように、三者間のちがいは、「思考のクセ」であって、メンタルの強弱ではないのです。
ここ、超重要ポイントですので、しっかりと理解しておきましょう!
Bさんは別に鋼のメンタルを持っているわけではありません。ただ単に「偏った思考のクセ」が少ないのです。
一方で、CさんやDさんは、思考のクセの偏りが強く、できごとを極端にネガティブに解釈してしまうため、不要な怒りや恐れを作り出し、無駄なことに時間やエネルギーを費やして疲れてしまうのです。
思考のクセが現実を作る
この例をみなさんがAさんの視点に立って考えてみたら、仲良くしたいのはきっとBさんではないでしょうか。
Cさんは何かにつけてすぐに怒るから怖いし、Dさんは傷つけないように気を遣うから面倒だし。
Bさんのようにおおらかでいてくれたら、付き合いやすいですよね。
つまり、偏った思考のクセの問題点は、ただの心持ちの話では終わらず、実際に不幸な現実を作るということです。
いつも怒ってばかりのCさんやいちいち落ち込むDさんからは、自然と人が離れていきます。
そしてまた、思考のクセは強化され、人に対してさらに強い怒りや恐れを持ったりするようになります。
偏った思考のクセが、不幸な現実を作り出し、不幸な現実が偏った思考のクセを強化する。
わたしのところにご相談に来られる多くの方が、この負のループにはまって抜け出せなくなっています。
ポジティブに偏ることの弊害
ここまでの説明を見ると、ネガティブに偏った思考のクセが悪くて、ポジティブに偏った思考のクセがいいことのように思われるかもしれませんが、実はこれもちがいます。
ポジティブな思考のクセとはたとえば、
- わたしにはまったく問題がない
- わたしはなにを言っても人から嫌われない
- 困ったらきっと誰かがどうにかしてくれる
- 全員がわたしの味方をしてくれる
- 天災なんて起こるはずがない
というように、ものごとを楽観視することですが、これが極端に偏り過ぎていると、困ったことになりそうなのは想像がつきますね?
自分の問題を改善しようとしなかったり、人を平気で傷つけたり、他力本願で依存的であったり、有事に備えなかったり・・・
自分はいいかもしれませんが、周りの人が不快な思いをしたり迷惑をこうむることだってあります。
その結果、人が離れていってしまい自分も困るということにもなりかねませんよね。
先ほどのLINEの既読スルーをの例でいくと、もし自分がAさんの立場だとして、超楽観的なEさんが「Aさん、わたしのことが好きすぎて緊張で手が震えて返信できないのかな!」みたいに極端にポジティブな思考をしてたら、ちょっと付き合いづらいなって思いますよねw
フラットな思考を目指そう!
というわけで、みなさんに目指していただきたいのは、ポジティブにもネガティブにも振れ過ぎない、できるだけフラットな思考です。
- 既読スルーされることもあれば、されないこともある
- わたしを好きな人もいれば嫌いな人もいる
- 全員が敵でも、全員が味方でもない
- いいときもあれば悪いときもある
- 天災が起こるかどうかは誰にもわからない
こんな風に、極端に偏らないバランスの取れた思考こそが健全で、その健全な思考が健やかな精神状態を維持します。それこそ「メンヘラじゃない」ってことです。
思考のクセを直して、ものごとをフラットに捉えられるようになると、Cさんのように怒り震えることもDさんのように恐怖で心が揺さぶられることなく、そしてEさんのようにおめでたい勘違いをすることもなく、Bさんのように心穏やかでいられるようになるのです。
思考のクセを変えるには?
というわけで、お豆腐メンタルに悩むみなさんにやっていただきたいことは、メンタルを鍛えることではありません。
自分の思考のクセに気づいて、それをフラットに修正していく作業です。
怒りっぽい性格やへこみやすい性格を直して、心穏やかに暮らせるようになるためには、この作業が必須です。
ただし、それを頭で考えてどうにかしようとしても、うまくいかないということもお伝えしておきます。
なぜなら、あなたが思考のクセを持つようになった大元の原因は、幼少期にあるからです。
幼少期から刷り込まれてきた観念を、新しいものに書き換えていくのは並大抵のことではありません。
それを証拠に、今あなたが誰かに既読スルーされたとして、「それはあなたの思考のクセであって、別に無視されてるわけじゃない」と言われたところで、ただの気休めにしか思えないでしょう。
思考のクセとはそれほどに強固なものです。ちょっと話を聞いたくらいで手放せるものではありません。
セミナージプシーの人はよくお分かりかと思いますが、その場ではなんか良くなった気がしても、あっという間に元に戻りますね?
それは、表面だけが変化して、根本が何も変わっていないからです。
わたしは、根本的に思考のクセを変える唯一の手段が、インナーチャイルドケアだと思っています。
決して文章化できるようなものではなく、おひとりおひとりの生まれ持った特性や生まれ育った環境、これまでのご経験など、多角的な視点で捉えて分析して、その方だけのアプローチ方法で徹底的に癒しを進め、そのうえで少しずつ思考のクセを上書きしていきます。
それくらい気合いを入れて向き合わなければ、思考のクセを変えるのは不可能だと思っています。
ちなみに、数年前までのわたしは、CさんとDさんのあいのこで、毎日他者に対する怒りと恐れにさいなまれていました。
いつしかそれがあたりまえのようにも思えてしまって、「人生ってこんなもんでしょ」みたいに諦めているようなところもあったと思います。
でも、インナーチャイルドケアのおかげで、今ではすっかりBさんです。というか、既読スルーされてることにも気づかないかもしれません。笑。
あれだけ神経質だったわたしにこんな未来が待っているなんて想像もしていませんが、無駄な怒りや悩みがなくてなって、すこぶる快適になりました。
何度もお伝えしますが、あなたの生きづらさはお豆腐メンタルのせいなんかじゃありません。
鍛えるのではなく、インナーチャイルドを癒すことで、生きづらさを手放していくのです。
LINEの既読に心揺さぶられてるそこのあなた!
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