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お子さんの不登校とインナーチャイルド

    
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お子さんの不登校とインナーチャイルド

お子さんの登校しぶり、不登校に悩んでいらっしゃるお母さんへ。
わたしの実体験、お客さまから伺ったお話などを元に、考えをまとめてみました。少しでもご参考になれば幸いです。

※不登校の原因、きっかけ、回復までのフローは、お子さんによって異なります。本記事の内容は、森ようこの考えによるものであり、この解説がすべての不登校において正しいと主張するものではないことをご理解ください。

不登校は突然はじまる?

お子さんが不登校になる理由はお子さんの数だけありますが、その入り口には多くの場合共通点があります。

それは、登校する前に体調不良を訴えること。

「おなかが痛い」「頭が痛い」「なんかフラフラする」

それを聞いたお母さんの第一リアクションもたいてい決まっていて、

「どんな風に痛いの?」「熱はあるの?」「寝不足じゃないの?」

訴えてきた症状について、確かめる。

そして、その症状から風邪や病気ではなさそうと判断すると、たいていのお母さんは「行けば治るよ」「早く寝ないからよ」となどと言って、子どもをどうにか送り出そうとする。

実際、お子さんは行ってしまえば一日元気に過ごせたりもする。

「無理に行かせない方が良かったかな?」
そんなお母さんの心配をよそに、何ごともなかったように帰宅してきて、お菓子も食べるしゲームもする。いつもの姿にほっと胸をなでおろします。

でも、次の日の朝、デジャヴが起こる。

「おなかが痛い」「頭が痛い」「なんかフラフラする」

あれ?既視感、、

そのやり取りが何日か続くと、お母さんはだんだん不安になってくる。

「ここで休み癖が付かないように行かせるべきか」「長期化しないためにも無理せず休ませるべきか」お母さんの葛藤は始まります。

そしていよいよ「不登校」の三文字が現実味を帯びてくる。

文科省のデータによれば、令和2年度不登校の児童生徒数が全児童生徒数に占める割合は、小学校で1.0%、中学校で4.1%。
1学年100人いれば、1~4人は不登校の計算。(ちなみにこの中に保健室登校などは含まれない。)

新学期ともなればニュースでも取り上げられることが多いし、決して他人事とは思っていない。
うちの子も例外ではない。頭ではそうわかっている。

でも、その一方でこうも思ってる。

「うちの子にかぎって。」

だけどたいていの場合、そう思った時点で時すでに遅し。

お子さんの不登校は、突然始まったようでいて、実は「とっくに」はじまっていたのです。

自律神経のブレーカーダウン

病院に行っても原因がわからないような身体の不調は、たいていの場合、自律神経の乱れによって引き起こされていると言われています。
朝起きれない「起立性調節障害」なども、自律神経系の異常が原因と言われています。

子どもが原因不明の体調不良を訴え、学校を休みたがる。

この状況は、自律神経が乱れて心身のブレーカーが落ちてしまっている状態とも言うことができます。

つまり、上記の「休みたい」→「行けば元気」→「休みたい」のループは、ブレーカーが落ちるまでのカウントダウン期間だということです。

では、カウントダウンが始まる前には何があったのか。

そうです。過度なエネルギー消耗です。

学校に行けなくなるほどに、無理をしてがんばりすぎてしまった結果、ブレーカーが落ちて動けなくなった状態が、実際の不登校が始まるときです。

だから、目に見える不登校がはじまったときには、もうエネルギー切れを起こしたあとなので、「どうやって行かせよう」と考えるのではなく、「どうやって休ませよう」にフォーカスする段階に入っていると考えます。

「長期休暇のあとなんだから、エネルギー切れしているわけがない。ゲーム三昧、スマホ三昧で、一日中ゴロゴロしてばかりだったし!」

いやいや。長期休暇中もあなたのお子さんの心は、ずっと休んでいなかったのかもしれません。

休みが終わりに近づくにつれ、もうすぐ学校が始まるということに気づいてストレスを感じながら、ゲームやスマホに現実逃避をしていたのかもしれません。

不登校のもっともらしい理由

「休みたい」

突然子どもにこう切り出されて、「じゃあ、今日は休もっか」などと即座に答えられるお母さんは、わたしも含めそうそういないはず。

無理やり行かせようとしないまでも、ほとんどのお母さんは「どうして?」と休みたい理由をたずねるでしょう。

「学校に欠席連絡するにもそれなりの理由が必要だし、休みたい理由を知ることができれば解決してあげられるかもしれない。」
そう思いますよね。

でも残念ながら、その質問にはあまり意味がありません。

なぜなら、不登校の子のほとんどは、自分でもなぜ学校に行けないのかわかっていないし、わかっているようであってもそれは表面上の理由に過ぎないからです。

それでも無理に理由を聞き出そうとすれば、子どもは「お母さんが納得しそうなそれっぽいこと」を理由にあげます。

たとえば、
「○○ちゃんにもう遊ばないって言われたから。」
「○○先生が教室で大きな声で怒鳴るのが怖くて。」
「勉強が難しくてついていけなくて。」

それを聞いたお母さんは、子どもが不憫になって「今日くらいは仕方ない」という気持ちになるかもしれません。
その問題を解決しようと学校に相談したり、相手の親御さんに連絡したりもするかもしれません。

でもたいていの場合、一日休んだところで、その問題が解決したところで、お子さんが完全回復して登校するようにはなりません。

どうにか登校するようになっても、またきっとどこかのタイミングで問題が起こります。

なぜなら、子どもが口にした不登校の理由は、不登校の「きっかけ」であったとしても、本当の理由ではないからです。

ほとんどの場合において、不登校の本当の原因はエネルギー切れ。

だから、しっかり充電しないことには少しの刺激ですぐにブレーカーが落ちてしまうのです。

誤解しないでいただきたいのは、いじめや先生の対応が無関係というわけではなく、表向きの理由(不登校のきっかけ)はどうあれ、エネルギー切れを起こしてしまった以上、充電が必要だということです。

不登校の4つのフェーズ

ここでご参考までに、「不登校の4フェーズ」について解説します。

「混乱期」「安定期」「転換期」「回復期」の4段階です。

これは、一般的に言われていることであり、個人差があります。
不登校のお子さんが必ずこの4フェーズをたどるわけではないことをご承知おきください。不登校のきっかけやその子の持つ特性、発達の凸凹の有無、ご家庭環境などによっても異なります。

不登校の原因を、お子さんの繊細さ(HSC)などと自己判断し決めつけるのは大変危険です。対応方法に迷う場合には、SNSなどの不確かな情報に頼り過ぎず、スクールカウンセラーさんや児童精神科医、臨床心理士さんなど、子どもの心を扱う専門家の方へのご相談をおすすめします。

①混乱期

ブレーカーダウン。登校しぶりから不登校への移行期間。
平均すると、約2~3ヵ月かけてだんだんと学校に足が向かなくなっていくと言われています。

五月雨登校、保健室登校、別室登校などを経て、完全不登校へと向かいます。

ピーク時には、言動が荒れ、昼夜逆転、ゲーム漬け、自室籠り、会話拒否などが見られます。

お子さんの混乱もさることながら、親御さんの混乱も大きいのがこの時期。
お子さんの言動に一喜一憂してしまうという方も多いです。

②安定期

混乱期を経て、親が不登校であるお子さんを受け入れ始めると、安定期に入ります。
安定期といっても、「行かない」安定です。充電期とも言えます。
ようやく落ち着いて家で充電を始められるときです。

それでも混乱期よりは落ち着いていて、外出はしたがらないまでも自室から出てリビングで食事をしたり、家族との会話も少しずつ増えてきます。

家の中だとわりと元気そうに見えるため、つい登校を促したくなることもあるけれど、まだまだ第二段階。
ここがいちばんの長期戦と言われています。

③転換期

充電が進んで、少しずつ子どもに変化が表れ始める時期。
子どもの方から「ヒマ」「つまんない」「出かけてみようかな」などの言葉が出てきます。
(言うとすぐに登校を促されると思って、口には出さないお子さんもいます。)

でも、まだ充電期間が終わったわけではありません。
親としては「気が変わらないうちに!」と急かしたくなりますが、ここで無理をさせてしまうようなことがあれば、一気にスタート地点まで逆戻りする可能性もはらんでいる繊細な時期です。

④回復期

いよいよ、充電完了間近。子どもが外への一歩を踏み出すとき。

勘違いしてはいけないのは、行く場所は学校とは限らないということです。
でも、家という安心安全基地を抜け出してみようと思えるまでに心が回復したということです。

実際に出かけられるかどうかはその日のコンディションなどにも左右されます。
行きつ戻りつ、親から見るとじれったいようなこともありますが、不登校が始まったときよりも明らかに目に力が戻っていると感じられるでしょう。

この4フェーズにかかる期間も人によって異なり、数か月~数年と言われています。

まれに数日数週間で復学するお子さんもいますが、短期間の場合、充電完了前に無理をしているケースも多く、リバウンドの可能性は大いにあります。

お母さんはどうすればいい?

お子さんが不登校になると、ほとんどのお母さんは不安になっていろいろ調べることと思います。

「不登校 原因」「不登校 支援」「不登校 高校」「不登校 中学」「不登校 甘え」「不登校 定義」「不登校 休み明け」

こんなキーワードが、Google検索上位にあがっています。

どれも検索したくなる気持ち、めっちゃわかります。

  • どうして不登校になったんだろう?
  • 誰のせいでこうなった?もしかしてわたし?
  • この先どうすればいいんだろう?何か支援はあるのかな?
  • このままだと進路はどうなるんだろう?選択肢はあるのかな?
  • うちの子が不登校になったのは、わたしが甘やかしすぎたから?
  • うちの子が不登校になったのは、わたしがちゃんと甘えさせてあげなかったから?
  • そもそもどっからが不登校なの?うちの子はまだ長期休みの範疇?
  • 休み明け、ちゃんと行ってくれるかな?

どれもこれも、お母さんの「不安」が如実に表れていますよね。

もちろん、情報は大切です。
不登校は親子共に外部と接触の機会が減りやすいですから、情報難民になってしまわないようにある程度の情報収集はしておきたいです。

でも、いくら検索してもみなさんがいちばん求めている「不登校の特効薬」の情報は載っていません。そんなものは存在しないからです。

前述のとおり、不登校は長期戦があたりまえ。

始まってしまった以上、待つしかない。

親が復学のチャンスと思いがちな、行事も、新学期も、進級も、進学も、不登校のお子さんには関係ありません。お子さんの充電が完了したときが動き出すときです。

お子さんが回復期に入るまで、気長におおらかに見守ることが何よりも大切です。

そう。不登校児のお母さんに求められるのは、情報収集力以上に、「辛抱強く、愛情深く、見守る力」なのだと思います。

むしろこれさえあれば、他に何もいらないんじゃないかっていうくらい、大切なものだとわたしは考えます。

お子さんへの対応の判断に迷うときには、ひとりで抱え込まず、専門家の手を借りることをお勧めします。
※「専門家」とは、スクールカウンセラーさんや児童精神科医、臨床心理士さんなど、子どもの心を扱う専門家です。

お母さんにやってほしくないこと

お子さんが不登校になったときに、お母さんにやってほしくないこと。

対お子さんについては、「過干渉」

心配なお気持ちはよーくわかりますが、あれこれ詮索したり、提案したりすることは極力控えた方が良いでしょう。

特に転換期に入るまでのブレーカーダウンしているお子さんにとって、周りの人からの励ましや情報はプレッシャーになるだけです。

昼夜逆転もゲーム依存も、現実からの逃避行動であることがほとんど。
その隠れ蓑を無理やり剝がそうとすることが、さらにお子さんを苦しめることにもなりかねません。

学校や周りの人からは「学校に行かないのならせめて規則正しい生活を」とかなんとか言われるかもしれませんが、まずはお子さんが家という充電器に繋がって、安心してエネルギーを蓄えられるように、温かくそっと見守っていただきたいところです。

そして、対ご自分については、「過度な自分責め」

不登校児を抱えるお母さんは、みなさん少なからず自分の育児に責任を感じています。

「あのときもっとこうしていれば」「わたしがうるさく言わなければ」などと後悔の波が押し寄せては、苦しい気持ちになることもあるでしょう。

もちろん、お子さんに対して不適切な対応をしていたのであれば、同じ過ちを繰り返さないための反省や言動の改めは必要かと思いますが、行き過ぎた自分責めは、ご自分だけでなくお子さんを余計に苦しめることにもなります。

せっかく学校を休んでも、お母さんが家で苦しい顔をし続けていたら、心が休まりません。

繰り返しお伝えしますと、ほとんどの場合、不登校の本当の原因はエネルギー切れです。

エネルギー切れを起こした大元の理由は、複合的なものであってひとつではありません。
お母さんのせいもあるかもしれませんが、すべてではないはずです。

「わたしのせいで」

そう思って過去を嘆いてばかりいても不登校は解決しませんし、お子さんの充電は溜まりません。

そしてもちろん、きっかけになった学校やお友だちのせいだけにするのもちがいます。

大切なのは、「どうしてこうなったか」ではなく、「ここからどうするのか」です。

お母さんにやってほしいこと

過干渉になるな、自分を責めるなと言われても、不登校の子どもと四六時中同じ家の中にいて、心穏やかにいるなんて、なかなか難しいことですよね。

昼夜逆転、ゲーム三昧、ネット三昧の我が子を見れば、ついひとこと言いたくもなるものです。

気晴らしにひとりで買い物にでかけみても、キラキラと青春を謳歌している子どもと同じ年頃の子を見れば、自分の子が気の毒に思えて悲しくなってしまうこともあるかもしれません。

だからわたしは、お子さんが不登校になってしまったお母さんにこそ、本気でご自分に向き合っていただくことをおすすめします。

お子さんが、じっくり充電をしてエネルギーを蓄えている間に、お母さんは自分の子育て(インナーチャイルドケア)をして、お子さんを辛抱強く、愛情深く、見守れる力を養っておくのです。

子どもに余計な干渉をしないために、自分の内側との対話に時間を使いましょう。

やがてやってくる「転換期」に備え、焦って不要な口出しをして振り出しに戻すようなことにならないために、自分の心を整えておくのです。

あたりまえですが、不登校の本当のゴールは復学ではありません。

学校という場所には馴染めなくても、他の場所でなら才能を発揮できる子もたくさんいます。

お子さんがこの先どんな選択をしても、その選択を心から応援できるように、
お子さんが自分を好きでいられるように、
お母さん自身も自分を好きになって、笑顔で楽しく生きてほしいのです。

おとなになるって楽しいことだよって伝えられるようになっていてほしいのです。

お子さんの不登校に悩めるお母さんへ

大切なお子さんが、他の人とちがう生き方をすることが怖い気持ち、わたしもよくわかります。

高望みなんてしてない。
普通に学校に行って、普通に友だちと遊んで、普通に恋愛して、普通に就職して、普通に結婚して。
それだけでいい。そう思ってしまいますよね。

でもお子さんは、「不登校」という選択をしました。
大好きなお母さんの思う「普通」から外れて、家に居るという選択をするのは、とても勇気のいることです。
お母さんにとっても苦しいことですが、お子さんにとってはもっと苦しいことです。
でも、その選択をせざるを得ないほど、お子さんの心は疲弊しています。

まずは、「行きたくない」と言える力が残っていて良かったです。
あなたが「行きたくない」と言えるお母さんで良かったです。(お母さんが怖くて言えない子もたくさんいます。)

たいていの場合、不登校は親が思っているより長期戦になります。
一度良くなっても何度も繰り返す子もいます。
そのことを心に留めておいてください。
そしてその間に自分ができることは何かを、本気で考えてみてください。
今こそ、自分と向き合い、自分を変えるときなのではないでしょうか。

お子さんが将来、「あの不登校の期間があったから、今の自分がある。」
そんな風に思えるように、お子さんを全肯定できる自分になってみませんか?

そのためにはまず、自分自身を全肯定できる人になってください。
わたしは、そんなお母さんたちを応援したいと心から思っています。
一緒にインナーチャイルドケアしてみませんか?

森ようこ

入門講座では、子育てのお悩み不登校のお悩みも承ります。

ご自分のケアだけでなく、お子さんへの接し方、学校や周囲への対応などについても、わたしがお答えできることならなんでもアドバイスしますので、お気軽にご相談にきてください。

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