【認知のゆがみ】⑤-a心の読みすぎ(結論の飛躍) ~勝手にあれこれ勘繰る~
『認知を変えれば人生が変わる』をテーマにお届けする、認知のゆがみ解説シリーズ。
「うつ病のバイブル」とも言われる、デビット・D・バーンズさんの著書「いやな気分よさようなら」に書かれている代表的な10種類のゆがみをご紹介しています。
今回はそのうちのひとつ「心の読みすぎ」について解説します。
認知の歪み10種類
種類 | 内容 |
---|---|
1. 全か無か思考 | 白黒思考、ものごとを極端に考える |
2. 一般化のしすぎ | 「一部」のできごとを切り取って、あたかもそれが「すべて」であるように思い込む |
3. 心のフィルター | ネガティブなことに注目しすぎて世界が全体がどんよりしてしまう |
4. マイナス化思考 | ポジティブな面をねじ曲げてネガティブに捉えてしまう |
5-a. 心の読みすぎ(結論の飛躍) | はっきりとした根拠もないのに、相手の心を深読みして、勝手に傷ついたり怒ったりしてしまう |
5-b. 先読みの誤り(結論の飛躍) | 未来のことを読み間違えて決めつける |
6. 拡大解釈と過小評価 | ものごとや人物をありのままの大きさで捉えることができず勝手に拡大&縮小してしまう |
7. 感情的決めつけ | 自分が感じたことをあたかも事実を裏付ける証拠のように思い込む |
8. すべき思考 | 何か行動をおこすときに、マイルール(自分の中にあるルール)と照らし合わせて、それに沿っているかどうかにこだわる |
9. レッテル貼り | 自分や他者にペタペタとネガティブなタグ付けをする |
10. 個人化 | 自分に関係ないことまで、なんでもかんでも「わたしのせい」と思い込む |
心の読みすぎ(結論の飛躍)
相手の心を深読みして、疑心暗鬼になってしまうような思考のクセです。
はっきりとした根拠もないのに、相手の言動から勝手にあれこれ推察して、傷ついたり怒ったりしてしまいます。
心の読みすぎの例
「心の読みすぎ」のゆがみを持つ人は、こんな風に考えがちです。
- 嫌われたのかも。
- なにかわたしのこと怒ってる?
- どうせわたしの悪口言ってるんでしょ。
- 自慢かよ。
相手からの返信が無いと、「嫌われたんじゃないか」「自分が何かしてしまったのではないか」などと不安に囚われ、何も手につかなくなったりします。
このような思考のクセの持ち主は、自分で作った妄想劇場に振り回され、たくさんの時間とエネルギーを費やすことになります。
心の読みすぎの人が持ちたいフラットな視点(適応的思考)
「心の読みすぎ」のゆがみを持つ人は、以下のようなフラットな視点を持てるようになると、生きづらさが改善されていきます。
- 人の本当の気持ちはわからない。
- どんなに親しくても相手のすべてを理解できるわけではない。
- たまたまタイミングが悪かっただけかもしれない。
- 別に嫌われているわけではないのかも。
- 自分のせいではないのかも。
フラットな視点に導く自身への問いかけ
「心の読みすぎ」のゆがみを持つ人がフラットな視点を導き出すためには、自分に対して以下のような問いかけをしてみます。
- それは心の読み過ぎではないだろうか?
- 相手が本当にそう言った?
- 他の理由は考えられない?
- 本当に自分のせい?
実際にあったできごとと、自分の頭の中の思考を分けて考えることで、客観的な視点を持つよう意識してみましょう。
おそらく大半は、自分の勝手な想像の世界で繰り広げられることではないでしょうか?
認知がゆがんだのにはわけがある
認知のゆがみの意味を解説したこちらの記事にも書きましたが、あなたが「心の読みすぎ」の思考パターンを持つようになってしまったのは、あなたのせいではありません。
▶参考記事:『認知のゆがみ』を治せば生きづらさは手放せる
幼少期から好ましくない経験を重ねたり知識を仕入れたりしてきたからで、周りのおとなの言動が色濃く反映された結果です。
たとえば、子どもの頃に親の顔色をうかがって生活することが常態化していたり、「人の言うことを鵜呑みにしてはいけない」「相手の気持ちを察するべき」などと教えられたり、もしくは親自身が「心の読みすぎ」のゆがみを持っていたりすると、無意識のうちにその思考パータンが刷り込まれ、認知がゆがんでいきます。
それはあなたの潜在意識(無意識の領域)に深く根付いていきますので、ただフラットな視点を意識しただけで改善するのは非常に困難です。
こびりついてしまった認知のゆがみを修正するには、単にフラットな視点を意識するだけではなく、潜在意識に住むインナーチャイルドの癒しが必要です。
認知がゆがむ原因となった幼少期の心の傷を癒す(インナーチャイルドケアをする)ことで、その思考が必要のないものであると腹落ちさせていくことが大切です。
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