【認知のゆがみ】④マイナス化思考 ~ポジティブなこともネガティブに捉える~
『認知を変えれば人生が変わる』をテーマにお届けする、認知のゆがみ解説シリーズ。
「うつ病のバイブル」とも言われる、デビット・D・バーンズさんの著書「いやな気分よさようなら」に書かれている代表的な10種類のゆがみをご紹介しています。
今回はそのうちのひとつ「マイナス化思考」について解説します。
認知の歪み10種類
種類 | 内容 |
---|---|
1. 全か無か思考 | 白黒思考、ものごとを極端に考える |
2. 一般化のしすぎ | 「一部」のできごとを切り取って、あたかもそれが「すべて」であるように思い込む |
3. 心のフィルター | ネガティブなことに注目しすぎて世界が全体がどんよりしてしまう |
4. マイナス化思考 | ポジティブな面をねじ曲げてネガティブに捉えてしまう |
5-a. 心の読みすぎ(結論の飛躍) | はっきりとした根拠もないのに、相手の心を深読みして、勝手に傷ついたり怒ったりしてしまう |
5-b. 先読みの誤り(結論の飛躍) | 未来のことを読み間違えて決めつける |
6. 拡大解釈と過小評価 | ものごとや人物をありのままの大きさで捉えることができず勝手に拡大&縮小してしまう |
7. 感情的決めつけ | 自分が感じたことをあたかも事実を裏付ける証拠のように思い込む |
8. すべき思考 | 何か行動をおこすときに、マイルール(自分の中にあるルール)と照らし合わせて、それに沿っているかどうかにこだわる |
9. レッテル貼り | 自分や他者にペタペタとネガティブなタグ付けをする |
10. 個人化 | 自分に関係ないことまで、なんでもかんでも「わたしのせい」と思い込む |
マイナス化思考
「③心のフィルター」に似ていますが、心のフィルターがポジティブな面はスルーしてネガティブな側面ばかりに着目するのに対して、 この「マイナス化思考」はポジティブな面もわざわざねじ曲げてネガティブに捉える、という思考のクセを指します。
マイナス化思考の例
「マイナス化思考」のゆがみを持つ人は、こんな風に考えがちです。
- どうせお世辞にちがいない。
- 嫌味かな。
- うまい話にはきっと裏がある。
- これはまぐれだ。
たとえば仕事などで、「無理しなくていいよ」などと気を遣われると、「必要とされていないのではないか」と考えてしまったり、部署異動の相談を持ち掛けられると「ここではお荷物だと思われているのでは」などと勘繰ってしまったりします。
このような思考パターンを持つと、せっかくのポジティブなできごとも、わざわざネガティブに変容させてしまいます。
人の好意もネガティブに解釈してしまうので、人間関係で問題を抱えやすくなります。
マイナス化思考の人が持ちたいフラットな視点(適応的思考)
「マイナス化思考」のゆがみを持つ人は、以下のようなフラットな視点を持てるようになると、生きづらさが改善されていきます。
- 人の言葉にいつも裏があるわけではない。
- ものごとにはポジティブな面がきっとある。
- ものごとをわざわざネガティブに捉える必要はない。
- 相手の好意を素直に受け取ってもいい。
フラットな視点に導く自身への問いかけ
「マイナス化思考」のゆがみを持つ人がフラットな視点を導き出すためには、自分に対して以下のような問いかけをしてみます。
- わざわざネガティブに捉えていないだろうか?
- 本当に裏があるのだろうか?
- そのまま受け取っても良いのではないだろうか?
無意識のうちにマイナス化思考になっていないか立ち止まって考えてみましょう。
染み付いた思考のクセで、気づかないうちにものごとを捻じ曲げてネガティブに捉えてしまっているだけかもしれません。
認知がゆがんだのにはわけがある
認知のゆがみの意味を解説したこちらの記事にも書きましたが、あなたが「マイナス化思考」の思考パターンを持つようになってしまったのは、あなたのせいではありません。
▶参考記事:『認知のゆがみ』を治せば生きづらさは手放せる
幼少期から好ましくない経験を重ねたり知識を仕入れたりしてきたからで、周りのおとなの言動が色濃く反映された結果です。
子どもの頃に周りのおとなからネガティブなことばかり言われたり、親自身がなんでもマイナスに捉えるような人であれば、子どもも自然とものごとをネガティブに捉えるようになります。
無意識のうちに「マイナス化思考」が刷り込まれ、認知がゆがんでいきます。
それはあなたの潜在意識(無意識の領域)に深く根付いていきますので、ただフラットな視点を意識しただけで改善するのは非常に困難です。
こびりついてしまった認知のゆがみを修正するには、単にフラットな視点を意識するだけではなく、潜在意識に住むインナーチャイルドの癒しが必要です。
認知がゆがむ原因となった幼少期の心の傷を癒す(インナーチャイルドケアをする)ことで、その思考が必要のないものであると腹落ちさせていくことが大切です。
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