「わたしさえがまんすればまるく収まる」という呪い【観念シリーズ】
「はじめてのインナーチャイルドケアBOOK」でも解説しているとおり、生きづらさの理由は「偏った思考のクセ」です。(P6)
そして、偏った思考のクセの元になるのが「不要な観念」です。(P17)
「観念」は別の言葉で、「スキーマ」や「コアビリーフ」などと言われ、あなたのインナーチャイルド(潜在意識)が頑なに信じていることです。
幼少期から知らず知らずのうちに刷り込まれてきた、周りの人たちからの「呪い」と言い換えることもできます。
今はまだ実感がないかもしれませんが、ちいさな頃にどんな言葉をかけられていたか、どんな風に扱われていたか、そんなことがおとなになってからのわたしたちに大きく大きく影響しているのです。
それはどんなに普通に育ったつもりでも。
かけられてしまった不幸の呪いを解くには、いったいどうしたらいいのでしょう?
※この記事内で使用される「症状」「病」「発症」「診断」などの言葉は、観念による呪縛を病気に例えて解説しているものであり、医学的な意味を含むものではありませんので、予めご了承ください。
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を持つ人の特徴
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を持っている人は、とにかく争いごとが苦手。
自分のがまんで穏便に解決することができるのであれば、多少理不尽であろうとも、進んで自己犠牲をしてしまいます。
- 優しい・穏やか・いい人
- 不穏な空気に敏感でよく周りを観察している
- 自分の周りで争いが起きないように、気を使って疲弊する
- 争い合うくらいなら自分が犠牲になった方がマシだという思考
- 残り物や誰もやらない損な役割を引き受けがち
- みんなの機嫌を取ろうとして八方美人になりがち
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を持ちやすい人
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を持ちやすいのは、こんな人たちです。
- クラウンタイプ
- 比較的末っ子に多い
- 優しい性格の子に多い
- 家庭内に不和・争いが多い
- 両親の夫婦仲が悪い
- 自己主張の強いきょうだいがいる
アダルトチルドレン5タイプの中で、比較的この観念を持ちやすいのが、「クラウンタイプ」です。顔で笑って心で泣いてのピエロさん。
子どもの頃、家庭内がどうしたら争いのない平和な場所になるかを考え、少しでも家族が笑顔になるように振舞ってきたような人。
自分の本音は隠して、家族に譲ったり、自分が面倒な役を買って出たりして、調和を保とうと努力してきた人たちが抱えやすい観念です。
【参考】「人の役に立たなければ」の観念とのちがい
この「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念と、「人の役に立たなければ」という観念は似ているようでちがいます。
「人の役に立たなければ」という観念は、周りの人から自分の存在価値を認めてもらうこと(承認欲求を満たすこと)が目的であるのに対し、「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念は、自分が犠牲になることで争いが起きないことが目的です。
同じ自己犠牲という形で現れますが、目的はおおきく違います。
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を持つ人が苦しい理由
この観念を持つ人は、自分ががまんすることで周囲に平和をもたらすため、表立った人間関係のトラブルなどは少ないです。
なので、人間関係で敵を作って窮地に陥いるようなことはまずないのですが、自分の中にずっとモヤモヤを抱えて地味に苦しんでいます。
というのも、この観念を持つ人たちは、対外的には「ものすごくいい人」であるにも関わらず、対自分になると「ものすごく怖い人」なのです。
インナーチャイルドから見たあなたは、いつもがまんばかりを強いる恐ろしいお母さんのように見えているはずです。
「いいからあなたは黙ってなさい!」「そんなのがまんしなさい!」って、自分自身に言っていませんか?
まさに顔(対外的)で笑って、心(自分の内側)で泣いて、という状態です。
自分で自分にがまんさせてばかりいるから、苦しくなってしまうのです。
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を手放すには
観念は、「インナーチャイルド(潜在意識)が頑なに信じていること」ですので、それをいきなり手放すことが難しいのは言うまでもありません。
表面的に、「自己犠牲なんてしなくていい」と言い聞かせたり、あれこれ深く考えるのはやめようなんて思おうとしても、エセポジティブにしかならず、かえってインナーチャイルドは固く心を閉ざしてしまいます。
※エセポジティブ:上辺だけのポジティブ思考のこと。
「わたしさえがまんすればまるく収まる」の観念を手放すためには、「周りの人のために自分が犠牲にならなくてもいい」ということを、表面的にではなく潜在意識レベル(インナーチャイルド)で実感する必要があります。
そのためにはまず、「わたしさえがまんすれば」と考えてしまうインナーチャイルドの恐れに気づいて、優しく癒していきましょう。
- 争いごとは嫌なんだよね
- 自分さえがまんすればって思っちゃうんだよね
- みんなに仲良くしてほしいって思うんだよね
こんな風に、争いを恐れるインナーチャイルドに優しく寄り添ってあげることで、少しずつ絆が形成されていき、「周りの人のために自分が犠牲にならなくてもいい」というフラットな視点で上書きしていくことができるようになります。
潜在意識で握り締めている不幸の呪いを解くには、インナーチャイルドケアが必要です。
インナーチャイルドケアを詳しく学んでみたい人は、こちらへどうぞ。
このトピックはYouTubeでも取り上げています