【父親】お父さん大嫌い星人さんへ ~脳内ハイジャックの秘密~
まるで思春期女子の如く、おとなになってお父さんを毛嫌いしてしまう人に共通していること。
お父さんが苦手です
「子どもの頃からお父さんが苦手で。おおきな声で怒るし、家事は全部お母さん任せで何もしないのに偉そうで。ぜったいお父さんみたいな人とは結婚したくないと思っていました。」
こんな風に打ち明けてくださるクライアントさんは多いです。
実は、わたし自身も万年反抗期と言われるほど父親のことが苦手でした。
いわゆる昭和のステレオタイプ男で、男尊女子思考で、べきねばを押し付けてくる父親に対して強い嫌悪感を抱き、半径3m以内に入ると心の中でファイティングポーズを構えていましたw
だけど、心の学びを深めるうちに、見落としていたある重大なことに気づいたのです。
お父さん嫌いの本当の理由
わたしのところにご相談に来てくださる方の多くが、ご自分がアダルトチルドレンであることを薄々自覚され、生きづらさの原因が幼少期にあるのではないかと思っています。
そのことについてお話を伺っていくと、
- 子どもの頃、父親が厳しかったから
- 父親が仕事人間でぜんぜん家にいなかったから
- 父が母に暴言を吐くような人だったから
- 母が姑にいじめられているのを父がかばわなかったから
とお父さまに何かしらの問題があり、それが原因で自分の生きづらさに繋がっていると分析されている方が非常に多いです。
もちろん、それも要因のひとつかもしれません。
特に男性の場合には、ご自分の上司にお父さまの姿を重ねて見る方が多いので、職場の人間関係に苦しんでいらっしゃる方は、お父さまとの関係の癒しが必須です。
でも、「父親との関係が良くないからアダルトチルドレンかもしれない」とおっしゃる女性の多くは、「大好きなお母さんのためにお父さんを嫌っている」だけだったりします。
いきなりそんな風に言われても、ちょっとピンとこないかもしれませんが、ぜひ続きを読んでください。
お母さんの代わりにお父さんを嫌ってあげる
- 母親が父親に表面的には服従している
- 母親に生活力(経済力)がない
- 母親が陰で父親の愚痴を言う
- 父親の共感力が低い
- 嫁姑関係が芳しくない
- 子どもが父親に反抗すると母親がたしなめる
- 父親を嫌う問題が見つからないのに嫌い
- 父親は自分のことを愛してくれていたと思うけど、わたしは苦手
こんなことにお心当たりのある人は、「大好きなお母さんのためにお父さんを嫌っている」可能性大です。
特に、お母さんに生活力が無い場合、この傾向が顕著です。
お母さんのためにお父さんを嫌っている娘さんは、脳内をお母さんにハイジャックされています。
本来自分で握らなくてはならない操縦桿をお母さんにワシッとつかまれ、「お父さん嫌いスイッチ」をオンにされているのです。
そのときのお母さんの潜在意識(無意識下)には、こんな思惑があります。
「わたしはお父さんを嫌うわけにはいかないの。だって、わたしひとりじゃ生活できないもん。年金もロクにもらえないもん。だからこのまま我慢するしかないの。だけど猛烈に腹が立って気が狂いそうなの。あなたはお父さんに嫌われても害がないし、そもそも子どもだから嫌われっこない。だからお願い!あなた代わりに凸ってきて!」
というわけです。
そんでもって、娘が実際に凸ると、
「ちょっとあなた(娘)。誰のおかげでご飯が食べられてると思ってるの!毎日お仕事に行くって本当に大変なのよ。お父さんにちょっとは感謝しなさい。」
とかって良母よろしくたしなめる。しかもお父さんがいる前でw
これはつまり、
「わたしは決っしてあなた(夫)を悪く思ってないんですよ。でもこの子はそう思っちゃってるみたい。だからあなたも少し気を遣ってもらえると助かるんだけれど。」
というメッセージなのです。
娘の言葉から、わたしの苦しみに気づいてちょうだいということです。
せこいよねー
でも、これらはすべて潜在意識(無意識下)で行われていることだから、誰も本当のことに気づけず家族劇が上演され続けます。
- 母親は、「この子はお父さんにそんな乱暴な口利いて困ったもんだわ」って思ってるし、
- 娘は、「このクソおやじマジで腹立つ!大嫌い!」って思ってるし、
- 父親は、「子どものクセに生意気なんだよ。感謝しやがれ!」と思ってる。
でも、実はこれ、お母さんが「気の強い娘」という最強武器を使ってお父さんに仕掛けた巧妙な遠隔攻撃で、本来は、夫婦間で直接対決になるはずのところを娘はただ単に巻き込まれているだけだったりするのです。
父親にとって年頃の娘から一言が「痛恨の一撃」であることを、お母さんは無意識にでもちゃんとわかっているのです。
子どもはいつだって、お母さんが大好きで、お母さんの笑顔が見たい。お母さんに穏やかでいてほしい。お母さんに愛されたい。
だから、それを阻む(とお母さんに思い込まされている)お父さんを敵だとみなして、自己犠牲も厭わず神風特攻隊の如く凸るのです。なんて健気なこと!
お母さんを守らなきゃ!
そんな子どもがおおきくなると、お母さんに代わってお父さんに物申すことが常態化します。
「そんな言い方したら、お母さんかわいそうでしょ!」
「ちょっとは周りのことも考えなよ!」
「家にいるんだから、自分のことくらい自分でやりなよ!」
「お母さんは弱くてお父さんに何も言えないから、わたしが代わりにビシッと言ってあげなくちゃ!」
なんて正義感に駆られて、実家に帰るたびにこんな風にお父さんにお説教しているとしたら、ちょっとストップ!!
それ、自立したおとな視点から言ってるつもりかもしれないけれど、実はお母さんにハイジャックされたままですから!!
お母さんはあなたが実家に帰ってきて、自分のストレスを汲み取ってくれて、それをお父さんにぶつけてくれるのを期待していて、あなたはまんまとそのとおりに動いてしまっているだけです。
お父さん大嫌い星人さんは、モノをはっきり言うため、自分が自立したおとなだと思っている人が多く、母子共依存の自覚がない人がほとんど。
でも、実はあなたの中身は、お母さん大好き星人さんとイコール。
お母さんの気に入るように、自分軸ではなくお母さん軸で生きている、バッキバッキの母子共依存です。
▶参考記事:お母さん大好き星人さんへ ~先に幸せになってもいいのです~
お母さんを守るはあなたの仕事ではない
あなたは、お父さんとお母さんの子どもであって、親ではありません。
お母さんは、自分の不満はしっかりお父さんと話し合って解決すればいいし、それができないのなら自立の道を探せばいい。
お母さんに生活力があろうがなかろうが、そんなこと、娘のあなたが心配してあげる必要はありません。
ましてや、あなたが代わってお父さんと争う必要はありません。
お母さんの人生はお母さんのもので、誰かのせいにして被害者然としていてはいけないのです。
あなたがお母さんの気持ちを汲み取ってあげればあげるほど、あなたがお母さんに代わってお父さんに攻撃すればするほど、お母さんは自立から遠ざかります。
お母さんにとっては、話さないとわからない、もしくは話してもわからない夫より、なんでもツーカーな娘の方が楽に決まっています。
そして、あなたは、お母さんに必要とされることで承認欲求が満たされ、自分の存在価値を感じることができてしまいます。
あなたがお父さんを攻撃すればするほど、あなたとお母さんは共依存が深まり、お互いが無くてはならない存在になってしまいます。
そうなると、外から見てどんなに自立しているように見えても、あなたはお母さんの手足としての人生しか送ることができません。
- お母さんの近くにいられる職場を選び、
- お母さんがよろこびそうなパートナーを選び、
- お母さんみたいな子育てをして、
- お母さんみたいな人生を送って、
気づいたらお母さんと一緒に旦那さんの悪口を言っているかもしれないし、もしかしたらパートナーを見つけることもせずに、ずっとお母さんを近くで守ろうとしてしまうかもしれません。
それだけでなく、母子共依存の人は、お母さんの価値観に洗脳されてしまっているため、他の人間関係がうまくいきません。
自分が普通で、他人が異常。自分が常識的で、他人が非常識。
こんな固定観念に縛られてしまうので、そこにあてはまらない人をお父さん同様敵として見てしまい、こじれていきます。
お母さん親衛隊を辞めて、自分で自分を愛する道を選ばなければ、あなたの本当の人生を歩くことはできません。
その後に待っているのは、お母さんがいなくなったあとのあなたの孤独です。
お父さん大嫌い星人さんに告ぐ!
お母さんを守るのは、あなたの仕事ではありません!!
今すぐお母さん親衛隊を辞めて、あなたはあなたの人生を。
【まとめ】
●「父親との関係が良くないからアダルトチルドレンかもしれない」とおっしゃる女性の多くは、「大好きなお母さんのためにお父さんを嫌っている」。
●お母さんが表面的にはお父さんに服従しているのに、裏で愚痴っていたりする場合、お母さんに脳内をハイジャックされている可能性大。特にお母さんに生活力が無い場合には、この傾向が顕著に表れる。
●お母さんは、「気の強い娘」という最強武器を使ってお父さんに遠隔攻撃を仕掛ける。娘はそれに巻き込まれているだけ。
●お父さん大嫌い星人がおとなになると、実家に帰るたびに父親に説教しがち。自分では自立したおとな立場から意見しているつもりだが、実際には母親にハイジャックされたまま巧妙に操られている。
●お父さん大嫌い星人さんは、母子共依存の自覚がない人がほとんどだが、中身は「お母さん大好き星人さん」と同じ。
●お母さんの気持ちを汲み取ってあげればあげるほど、あなたがお母さんに代わってお父さんに攻撃すればするほど、お母さんは自立から遠ざかる。
●お母さん親衛隊を辞めて、ご自分の人生を。お母さんを守るのは、あなたの仕事ではありません!!