【お悩み相談】上の子かわいくない症候群を克服したい!
ご相談者さま:つなころさん(30代・育休中)
いつも楽しく拝聴しています。
現在育休で、3歳の長男と0歳の次男の2人を 日中1人で世話しています。
上の子がかわいく思えなくていつもイライラしていることに悩んでいます。
食事に毎回1時間かかることもイライラ。
「ママ手伝って」と言われてイライラ。
「ママ遊んで」と言われるのもしんどいです。
わたしは3人兄弟の長子で、気分がのらないときもいつも「弟と遊んであげろ」「妹をみてろ」と言われて育ちました。
自分の私物はいつも妹にとられたり壊されたりしてきました。
なのに「お前はモノを大切にしないから与え甲斐がない」と言われてきました。
そういう怒りをずっと持って生きてきた気がします。
夫に「長男に冷たすぎるよ、長男がかわいそうだ」と言われたことがあります。
長男はなんの罪もないこと、私もわかってるのですが心や体がついていきません。
どうしたら長男へのイライラをやめられるんでしょうか。
私、おかしいんでしょうか?
森からのお答え
つなころさん、ご質問ありがとうございます。
お悩み切実ですね、、
同じ子を持つ親として、つなころさんの苦しいお気持ち、痛いほどわかります。
子どもに罪はない。わかっちゃいるけど心と身体がついていかない。
本当に苦しいですよね。
上の子かわいくない症候群
最近「上の子かわいくない症候群」なんて言葉が使われているのをご存知ですか?
下の子が生まれた後に上の子に対して「かわいくない」と感じてしまう母親の心情を表した言葉です。
ネットとかで見ていると、「まじめすぎるお母さんが、どちらの育児も完璧にやろうとして陥ります。完璧を求めなくていいんですよ。適度に手を抜いてやりましょう。」とか書いてありますが、わたしはこの問題、そんな単純な理由だとは思えないのです。
親のきょうだい構成を映し出す
多くの親は、自分の生まれ育った家のきょうだい構成を、そのまま自分の子どもたちに重ねます。
つなころさんの場合、ご自身も長子であり、かわいいと思えなくなってしまった長男くんも長子ですね。
- つなころさん⇒長子
- 長男くん⇒長子
ご自身の幼少期をご長男に重ねて見ているので、自分に下の子が生まれたとき何かと我慢させられていたのと同じように、長男くんも生まれたばかりの弟(次男くん)のためにがまんをすべきだと思ってしまっているのです。
それなのに、実際にはあれやってこれやってと甘えられたり、わがまま言いたい放題だったりするからイライラが収まらなくなってしまいます。
もちろん、頭(顕在意識・インナーマザー)では、「この子だってまだ小さいんだし甘えさせてあげなくちゃ」とわかっているけれど、心(潜在意識・インナーチャイルド)がそれを拒んでしまうのです。
ちなみに、もし長男くんがおとなしく自己主張せずに我慢するようなタイプだった場合、がまんしていた自分の幼少期が重なって不憫に思え、長男くんがかわいく、次男くんが憎たらしく思えるようなパターンもあります。
したがって、「上の子かわいくない症候群」はただ単に上の子が手がかかるから憎たらしく感じてしまうということではなく、ご自身の生育環境やきょうだいの性格、お子さんのきょうだい構成や性格など、複合的な要因が組合わさって起こる心理現象だと言うことをご理解いただければと思います。
まさか幼少期のことが今の子育てに影響するなんて!と思うかもしれませんが、わたしのお客さまのデータを見ても、これは疑いようのないことです。
※当然ながら、「症候群」とは言え正式な病名や心理学用語ではありません。
インナーチャイルドの気持ちを代弁するなら
つなころさんのインナーチャイルドの気持ちをひとつひとつ代弁するならこうなります。
- 食事に毎回1時間かかることもイライラ。
いつまで食べてるの!?わたしが子どものときは、ダラダラごはんを食べるのとか許してもらえなかったよ!
- 「ママ手伝って」と言われてイライラ。
なんであなたはお兄ちゃんなのに、手伝わなくちゃいけないの?ひとりでできるでしょ!?わたしがあなたの歳くらいのときは、そんなのもう全部ひとりでやってたよ!
- 「ママ遊んで」と言われるのもしんどいです。
イヤだー。わたし弟と妹の面倒さんざん見たもん。自分が遊んでもらった記憶なんてないもん。子どもの遊びなんてつまんない!自分の時間が奪われるのイヤ!ひとりで遊んでよ!
こんな風に書くと「なんておとなげないんだ!」って思うかもしれませんが、おとなげなくなってしまうのは、子ども時代にしっかり子どもをやりきっていないからです。
子ども時代にしっかり甘えてわがまま言って子ども時代を満喫していたら、思春期を経てちゃんとおとなになって、自分の子どもにちゃんと優しくできる親になるのです。
だから、決してつなころさんの性格が悪いとか、人として欠陥があるというわけではないことを知ってくださいね。それだけ過酷な幼少期を過ごしてきてしまったということです。
我が子に優しくできない本当の理由は、わたしたち親が子どもをやりきっていないアダルトチルドレンであるため、自分のインナーチャイルドが子どもに嫉妬しているからです。
詳しくは、こちらの参考記事をご覧ください。
▶参考記事:子育てがしんどい本当の理由 ~今からでもやり直せる?~
インナーチャイルドは自分の長女
そして、わたしの講座を受けてくださる子育て中のお母さんたちに決まってお話するのが、「インナーチャイルドはあなたの長子です」ということです。
つなころさんの場合、第一子つなころちゃん、第二子長男くん、第三子次男くん、と3人の子育てをしているとイメージをしていただきます。
こう考えてみると、長子であるつなころちゃんが不満を抱えた状態で、下の子たちに優しくしようとすればうまくいかないのは明らかです。
つなころちゃんが、つなころさんと弟(長男くん)の間に立ちはだかり、「なんでわたしは満たされていないのに、あの子に優しくしようとするの!ズルいよ!!」と邪魔をしてくるわけなんですね。
だから、子育てがしんどいと感じる親がまず真っ先にすべきことは、子育てのテクニックを学ぶことなんかじゃなく、自分で自分を癒す術を身に着けることです。それがインナーチャイルドケアです。
自分を満たせていない人に子どもが満たせるハズはないのです。
逆に自分を満たす術がわかっていれば、子育てのテクニックなんか学ばなくても、ちゃんと子どもに優しくできるようになるのです。
インナーチャイルドを満たすには
インナーチャイルドケアの習得には段階があります。
手始めにしていただきたいことは、子どもに優しくなれない自分を受容する作業です。
自分の中にまだ幼い長女がいるとイメージして、優しく語り掛けます。
たとえば、
- 食事に毎回1時間かかることもイライラ
×こんなことで怒っちゃダメ。他のお母さんみたいにおおらかでいなくちゃ。
〇そうだよね。ダラダラ食べているの見ると嫌な気持ちになるんだよね。つなころちゃんは小さいときさっさと食べないと叱られてたもんね。あんな風にのんきに食べてるの見たら、無性に悔しくなっちゃうんだよね。
- 「ママ手伝って」と言われてイライラ。
×次男くんが生まれて長男くんもさみしいんだ。わたし親なんだし、もっと優しくしてあげなくちゃ。
〇そうだよね。自分でできることは自分でやってほしいって思うんだよね。お兄ちゃんなんだし、忙しいときは協力してよって思っちゃうよね。つなころちゃんは小さいとき誰にも手伝ってもらえなくてぜんぶ自分でがんばってきたんだもん。甘えている子を見たらズルい!って思っちゃうの無理ないよ。
こんな風に丁寧に愛情深く、自分の気持ちに寄り添ってあげてください。
決して、「母親なんだから」「いい歳したおとななんだし」と自分を叱らないでください。
自分を叱れば叱るほど、自己否定感が強まり、ため込んだ怒りが弱者である子どもに向いてしまいます。
脅す用で恐縮ですが、たとえ今はがまんできていても、このままいくとそのうち子どもに手をあげてしまう日がくるかもしれません。
表面的なテクニックは根本解決にならない
「子育て イライラ」「上の子 イライラ」なんて言葉で検索すると出てくる対処法には、こんなものがあります。
- お母さんもたまにはリフレッシュしましょう。
- 子どもに怒鳴ってしまいそうなときは、ゆっくり6秒数えて気持ちを落ち着けましょう。
- 旦那さんやお友だちになどに話を聞いてもらいましょう。
- 子育てはいつか終わります。だから苦しいのは今だけ。きちんとやろうとするのではなく、子どもと居られる貴重な時間を楽しみましょう。
これらのことはわたし自身も散々試しましたし、きっとつなころさんもやってみたことがあるはず。
だけど、アダルトチルドレンの子育てのつらさは、こんな小手先のテクニックでは解決しませんよね。
- お母さんもたまにはリフレッシュしましょう。
⇒息抜きした分、罪悪感を覚えて、余計に頑張らなくてはいけない気がしてしまう。
- ゆっくり6秒数えて気持ちを落ち着けましょう。
⇒いったん怒りが収まってもすぐに再燃する。
- 旦那さんやお友だちになどに話を聞いてもらいましょう。
⇒「ムリしなくていいよ」「俺だって大変だよ」「みんなおんなじだよ」などの言葉で余計にわかってもらえないストレスをためる。
- 子どもとの時間を楽しみましょう。
⇒わかっとるわ!それができないから苦しんどるんじゃ!
ってなる。
一瞬は効果を感じられても長続きせず、みんなと同じようにできない自分を責め、余計に自己否定感が高まりイライラが募るだけです。
わたしは自分の経験上、そしてお客さまのサポートデータでも、アダルトチルドレンの子育てを楽にしてくれる唯一の方法はインナーチャイルドケアであると確信しています。
他のやり方では、問題を根本から解決することはできないのです。
今こそ負の連鎖を断ち切ろう!
つなころさんもお気づきのとおり、このままイライラの子育てを続ければ、長男くんの心に暗い影を落とします。
「自分は愛されていない」「ママは自分より弟の方が大切なんだ」そんな思いを胸に抱えたままおとなになってしまいます。
そう。それが負の連鎖です。
アダルトチルドレンの子育ては、誰かがストップをかけない限り、脈々と連鎖していってしまいます。
自分の生きづらさが子どもたちに引き継がれてしまいます。
その連鎖を止めることができるのは、気づいた人だけ。
今のところ、つなころ家ではつなころさんしかストッパーの役割を担える人はいないのです。
今ここで自分の心と真剣に向き合うか、それとも先送りにして子どもにイライラし続けるか。
その選択ができるのもつなころさんただひとり。
ご自分のためにもお子さんのためにも、ぜひ腹を括ってインナーチャイルドケアにガッツリ取り組んでみてくださいね。
わたしで良ければお手伝いさせていただきますので、ぜひ入門講座へお越しください!
お悩み募集中!
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みなさんのお悩みがきっと他の誰かの癒しになるハズです^^
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