子育てがしんどい本当の理由 ~今からでもやり直せる?~
この生きづらさを自分の子どもには味わわせたくない!
そう思ったのがわたしがインナーチャイルドと向き合うと決めた最大の理由です。息子がいなかったら、わたしは今も生きづらいままだったかもしれません。
いいお母さんになろうと思っていたのに
わたし、「もし子どもが生まれたら、ぜったいいいお母さんになる!」と決めていました。
子どもに優しくおおらかに接して、ムダに怒ったり大きな声で叱ったりしない。自分の気分で子どもに接したりしない。
産む前はきっとそう思っていたはずなんです。
なのに、いざ生まれてきたら、ちっともできませんでした。
なかなか寝てくれない我が子に常にイライラ。
言葉もわからない小さな子に、「なんで寝てくれないの!!」なんて怒ってみたり。
朝出社しようとする夫に「気楽でいいね」なんて悪態をついてみたり。サイテーw
それまで仕事では「デキる方」だったわたしが、子育てになるとおそろしくダメ人間。
周りのママ友はみんな自分よりも上手に楽しそうに子育てしているように見えて、自己嫌悪はつのるばかり。
寝かしつけは下手。離乳食もうまく作れない。子どもの遊び相手はぶっちゃけすぐに飽きてしまう。
自分勝手に生きてきたわたしにとって、何かしている最中に「ママ―!」と呼び止められ逐一インターセプトされることがこの上なくしんどい。
授乳とおむつ替えと1日1回の洗濯が精いっぱい。
最低限の生活をこなす以外はなんにもできないまま、毎日が過ぎていきました。
そのくせ理想だけはやたらと高くて、子どもにテレビばっかり見せてちゃダメ!自分はスマホばっかり見てちゃダメ!離乳食は手作りで!とガチガチのルールで縛っていたからもうがんじがらめ。
今だから言えるけど、そのときのわたしの本音は「とにかくひとりになりたい」でした。
ひとりになって、カフェでお茶して、好きな音楽聞いて、好きな本を読んで、昼寝して、長風呂に入って、心ゆくまでダラダラしたい。
息子のことがこんなにも可愛くて大好きなのに、それと同じくらい「ひとりの時間が欲しい」と思ってしまう自分。
わたしは母親失格だ。
毎日本気でそう思っていたので、あのときは本当にしんどかったです。
そして、ずっと思っていました。
「やばい。このままじゃ息子がわたしみたいになっちゃう・・・」
そうです。わたしが何よりも恐れていたのは、生きづらさの負の連鎖でした。
自分の大切な子が、わたしのせいで生きづらくなってしまうのではないかという恐怖がいつもそこにありました。
育児書どおりにやってるのに
息子はずいぶん大きくなるまで、寝ない、食べない、歩かない、の三拍子揃いだったので、「ちゃんとやらなきゃ病」に罹っていた当時のわたしにとって、そりゃ育てにくい子でした。(あとで彼はHSCだとわかったのですが。)
「書いてあるとおりにやってるのに、なんでうまくいかないの!」
「こんなに一生懸命作ったのに、どうして食べてくれないの!」
「なんであの子はできるのに、うちの子はできないの!」
ゆうに厚さ3cmはある育児書とにらめっこしながら、月齢どおりに成長しているかを細かくチェックして一喜一憂。
周りの子どもと比べてできるできないで、優越感に浸ったり落ち込んだり。
今書いてると相当やばくて笑っちゃうけど、当時のわたしは本当に必死で、毎日がそんな感じだったんです。
子どもがまるで大型家電みたいに、トリセツどおりに操作したらちゃんと動くと思っていたんですよね。
やたら知識だけはあるのにぜんぜんうまくいかないから、なにが間違っているのかわからなくて焦るばかりでした。
どうやら子どもの問題じゃないらしい
その後もいろいろとありました。
息子の園選びで失敗し、仕事復帰してみたけど職場の人間関係でつまずき、夫との仲はますます険悪になり、その他もろもろ育児だけじゃなくてなにもかもがうまくいかなくなってきて、、、。まさに八方ふさがり。
そこまできてようやく、「自分の問題」として認めざるを得ないと思うようになりました。
「息子に優しくできないのは、息子に問題があるわけじゃなくて、わたしに問題がある。」
「あちこちでトラブルが続くのは、周りの人や環境に問題があるわけじゃなくて、わたしに問題がある。」
うすうす気づいていたこのことに正面から向き合おうと思えたのは、たぶん息子のランドセル選びをしていたころ。
もう手遅れかもしれないとも思ったけれど、このままでいいハズないとも思えたので、そこから育児書を心理学の本に持ち替えて、自分の心と向き合い始めました。
その後もすぐに軌道に乗ったわけではなく、HSP気質のせいにしてみたり、親のせいにしてみたり、責任転嫁と自分責めを繰り返していました。
それでも、「子どもに自分と同じような思いはさせたくない!」
その思いだけでどうにか向き合い続け、やっとやっと真実にたどり着きました。
「すべてのできごとは内側で起きている。」
「幼少期に負った心の傷を癒さなければ根本解決はできない。」
そして、インナーチャイルドの存在がしっかり腹落ちしたとき、ようやく沼から這い上がることができたのです。
自分に優しくするってこういうことか!人に自然と優しくできるってこういうことか!
やっと実感できた頃には、息子は友だちと自転車で駄菓子屋さんに行けるくらいに大きくなってました。
酸素マスクの法則
ご存知かもしれませんが、飛行機で緊急事態に陥ったとき、上から降りてくる酸素マスクをつけるのは、おとなが先で子どもがあと、とルールが決められています。
なぜなら、子どもに先にマスクをつけようとしてその間におとなが気を失ってしまえば、どちらも助からないから。
だから、まずは自分がマスクをして、次に子どもに着ける。これが原則です。
なのに、息子が小さかった頃のわたしは、自分の酸素が究極に薄い状態で息子にどうにか酸素マスクをつけようとしていたようなものです。
苦しくて苦しくてしかないのにどうにか立派な子育てをしようとしていたのですから、うまくいくハズもありません。
あのときのわたしは、まず先に自分を満たす必要があったのです。
それも、ただ自分にご褒美を与えるとか、甘いものを買うとか、ちょっと美容院に行くとかっていう表面上のことではなく、自分のインナーチャイルドを自分で愛するという満たし方。
そこをすっとばして、「ぜったいいいお母さんになる!」なんて先に決めてしまったものだから、めちゃくちゃ苦しくなってしまったのです。
子育てがしんどいと感じるのなら
当時のわたしみたいに、「子どもは可愛い。でも、子育てがしんどい。」と思うのなら、まず先にご自身のインナーチャイルドケアに取り組まれることを本気でおすすめしたいです。
なぜなら、子どもに優しくなれないのは、あなたの子育てスキルうんぬんの問題ではなく、あなたの中のインナーチャイルドが、あなたのお子さんに嫉妬しているせいだからです。
わたしが子育てをされているクライアントさんに毎回お伝えするのは、「インナーチャイルドはあなたの長女(長男)です」ということ。
「なんでかわいい我が子にこんなにイライラしちゃうんだろう?」
そんな風に思うときは、まずまちがいなく、上の子(インナーチャイルド)が下の子(実の子)に嫉妬している状態です。
あなたの中のインナーチャイルドが手足をジタバタさせて、こんな風に訴えているんです。
- わたしはそんな風にしてもらってない!
- わたしが同じようなことをしたら怒られた!
- わたしのときは許されなかったのに!
- あの子ばっかりズルい!
- あの子わたしのジャマばっかりする!!
傷ついたインナーチャイルドが、わたしのことももっと大切にしてほしいと訴えているんです。
この心の仕組みに気づいて本気でインナーチャイルドケアに取り組まない限り、いくら育児書読んでも子育ては楽になりません。
子どもへの負の連鎖を止めることはできません。
だから、今、子どもに優しくなれなくてしんどい思いをしている方は、子育ての方法のリサーチはそのくらいにして、そろそろ本気でご自分と向き合ってみていただけたらなと思うのです。
インナーチャイルドが満たされれば、育児のテクニックなんかなくても、ちゃんと子どもに優しくできるようになるのです。
手遅れかもしれない
わたしのクライアントさんは、これまでの子育ての失敗を悔いている方がたくさんいます。
インナーチャイルドの仕組みについてお話すると「子どもにひどいことをしてきてしまった。もう手遅れかもしれない。」と涙を流される方もいます。
たしかに、小さいころにしっかりと愛情を注いで自己肯定感を育んであげた方がいいのは本当です。
ここを安易な慰めで、「まったく問題ありませんよ」なんて言うつもりはないです。それが無意味だってこともわかってます。
だけど、わたしも子育て失敗組です。
みなさんと同じように、もしかしたらそれ以上に、子どもの心を傷つけてきてしまったんです。
だからこそ言えるのは、わかれ道を間違えてしまったとき、10歩進んだところで戻るのと、100歩進んだところで戻るのでは大きなちがいがあるのと同じように、失敗に気づいてやり直すのであれば、一日でも早い方がいいということ。
子育ても、先延ばしにすればするほど、来た道を引き返して正しい道を進むのに時間がかかるだけです。
残念ながら、ショートカットコースやどこでもドアはないんです。
遅いも早いも悩んでるヒマなんかない。今やるかやらないか。それだけです。
お子さんの年齢に関係なく(もう大人になってても!)、気づいた今がはじめどきです。
わたしも本当はもっと早くに気づいて、子育てを始める前にインナーチャイルドケアをしておけばよかったと何度も後悔しました。
でも、今思うのは、あのタイミングがわたしの精いっぱいだったし、きっとどうやってもあのタイミングでしか変われなかったということ。
そして、子どもには子どもの人生の意味があって、わたしが立ち直れたように子どもにも立ち直る力が備わっているということです。
まだまだポンコツ母さんだけれど、わたしのところに来てくれて大切なことに気づかせてくれた我が子に感謝して、毎日わたしにできることを重ねていこうと思います。それだけです。
【まとめ】
●子育てがうまくいかない本当の理由は嫉妬。長子であるインナーチャイルドが実の子に嫉妬しているから優しくできない。
●育児のテクニックよりも、自分のインナーチャイルドケアが最優先。
●インナーチャイルドが満たされれば自然と子どもや周りの人に優しくできるようになる。
●問題を先送りにすればするほど余計に時間がかかるだけ。遅すぎるも早すぎるもない。気づいたときがはじめどき。