「あたりまえ」が人間関係をぶち壊す
子どもの頃から「セミの声」と言えば夏の折り返し地点、8月に入ってからの風物詩でした。夕方になると聞こえてくるミーンミンミーン。あぁ、自由研究やんなきゃ、みたいに。(ミンミンゼミ)
でも、こちらに引っ越してきて、7月に入ったと同時にセミの声を聞くようになりました。ジジジジジジジジ。夏始まったぞー!という感じ。しかも朝から。しかも爆音w(クマゼミ)
住んでるところによって、セミの種類がちがうなんて知らなかった。
こんな風に、「あたりまえ」はぶっ壊される。
でも人は、自分の価値観をどうしたって「あたりまえ」だと思ってしまう。
それ以外が「ない」と思っているわけじゃないけど、でも、常識はこちらで、あちらは非常識。普通はこちらで、あちらが特別。
そんな風に思ってしまう。
わたしのお客さまたちは言う。
- 小学生の子どもは9時までに寝るべきですよね。
- 孫にお小遣いをあげたのに、嫁からお礼が無いなんて非常識ですよね。
- 仕事中にずっとしゃべってるとか、普通あり得ないですよね。
「べき」「常識」「普通」
本当にそうだろうか?
その「あたりまえ」は、あなたが生まれたときに持っていたものではなく、きっと今日に至るまでのどこかで「刷り込まれた」もの。
- 規則正しく育った人は、子どもが早く寝ないとイライラする。
- 礼儀正しく育った人は、相手からお礼がないと憤慨する。
- まじめに正しく育った人は、不真面目な人に腹が立つ。
ただそれだけのことなのかも。
あなたの中に作られた「あたりまえ」が他人の手によって壊されそうになってるから、危険を感じてファイティングポーズをとっているだけなのではないでしょうか?
7月に鳴くセミがいるのと同じように、習慣や価値観は人それぞれ。
相手が自分の「あたりまえ」に沿わないことで怒りを覚えるなら、それはあなた自身で向き合うものであって、人に自分の「あたりまえ」を押し付けるものではないんです。
でもどうしても納得いかなくて、自分の価値観を相手に理解されたいのならば、それは「命令」や「強制」ではなく、「お願い」するしかない。
お母さんは子ども頃から「9時までに寝なさい」って言われていたから、子どもは9時までに寝るべきって思いこんじゃってるんです。石頭ですよね。すみませんが、そんなお母さんのために早く寝ていただけないでしょうか?
わたしは礼儀を重んじて生きてきたので、孫にお小遣いをあげたら、母親であるあなたからお礼を言われたい厄介な生き物です。めんどくさくてごめんなさいね。電話でもいいので「ありがとう」ってひとこと言っていただけないかしら?
わたしは親の期待に応えようと必死にまじめに生きてきちゃったので、サボったりだらけたりしてる人見ると、ムキーッってなっちゃうんです。イライラしてごめんなさいね。
そんなヒステリックなわたしのために、せめて仕事してるフリしていただけませんかね?
どう?
あなたが相手に思ってる、「べき」「常識」「普通」ってこういうことです。
こんなの言う気失せるでしょ?
結局のところ、他人を変えることはできないのだから、「あたりまえ」を握りしめているインナーチャイルドに寄り添って、癒し緩めてくことが、楽に生きることにつながるんです。
人との摩擦はぜんぶ、自分の中にある「あたりまえ」が生み出している。
p.s. クマゼミさん。
わたしは、ずっとミンミンゼミさんと育ってきたものですから、あなたが7月に鳴き始めることも、朝っぱらから鳴くことも、しかも爆音なことも、ちょっとうるさいなって感じちゃうんです。
わがままでごめんなさいね。
もちろん、あなたが命の限りに求愛していらっしゃることは承知です。
そうですよね。勝負は数週間ですものね。そりゃ必死ですよ。
ですから、鳴くなとは言いません。
でも、もう少しだけボリューム絞ってもらえると助かります。
いや、できる範囲でいいんです。