悪意がなければ、それでいいのか?
誰かから言われた悪意のない一言が、グサッと刺さってしまうこと、ありませんか?
そんなとき、「悪意がないんだから仕方ない」と飲み込もうとしてしまいがちです。
でも、あなたのそんなおとななやり方が、実はインナーチャイルドをとんでもなく傷つけているかもしれません。
悪意はないと思うんですけど
- 悪意はないと思うんですけど
- 別にわたしを傷つけるつもりじゃないと思うんですけど
- きっと良かれと思って言ってくれたと思うんですけど
このセリフ。めっちゃ聞く。
下手したら1日1回は聞くんじゃないかってくらい、わたしのお客さまたちの大好きなセリフです。
めっちゃ嫌な言い方すれば、相手から何か言われたりされたりして嫌な思いをしたときに、相手を責めずに自分の被害を訴えられる魔法の言葉です。
こうやって言えば、なんかいい人っぽく見えるし、いい人っぽく見えたまま愚痴れちゃう。
聞いた相手からは、「そこ、もっと怒っていいとこですよ!」「○○さん、人が良すぎますよぉー」なんて、承認欲求満たされワードも引き出せる。最高じゃないか!
・・・でも、本当にそう思ってます?
心の奥底まで覗いてみて、本当に一点の曇りもなく、自分だけを責めているでしょうか?
「他人を悪く思ってはならない」
幼少期から身に着けてきたそんな思考のクセが、あなたのインナーチャイルドを苦しめているかもしれないことに、どうか目を向けてみてください。
相手を責めない人のインナーチャイルド
たしかに、他人のせいにしない、他人を責めない、という心がけは大切なことだと思います。
だって、他人のせいにしたところで問題は解決しないし、あなたが生きやすくなるわけでもないですものね。
「自分がイヤな思いをしたんだから、それは自分の中で解決すればいい」そのお考えには、わたしも大賛成です。
でも、「自分の中で解決する」にもいろいろやり方があって、「悪意がないから仕方ない」で済ませることは、決しておすすめできないです。
なぜなら、「悪意がないから仕方ない」で済ませようとするとき、あなたのインナーチャイルドは、こんな風に叫んでいるからです。
悔しい!悔しい!悔しいよ!!!
どうしてあんなこと言われなくちゃいけないの!?
わたしうんと傷ついたんだよ!
あの子ひどい!ひどいよねぇ!
インナーチャイルドがあたまから湯気出して、地団太踏んで悔しがっているのに、あなたときたらどこ吹く風。
まるで何ごともなかったかのように平静を装って周囲に笑顔を振りまき、家に帰っても「嫌なことなんてさっさと忘れよう」なんて言って、スマホいじったり、飲んだり食べたりするばかり。
ぜんぜんまともに話を聞いてくれない。
あなたのそんな冷たい態度に、インナーチャイルドは、ますます苦しくなります。
そして、あなたに向かってさらにこんな風に訴えます。
ねぇ、どうして!?
どうして、わたしの話聞いてくれないの!?
わたしこんなに悔しいのに、どうして無視するの!?
味方じゃないんだ。
ひどい。ひどい。ひどいよー!!
わたしは、お客さまのこんなインナーチャイルドの存在を感じるたび、キューっと切なくなるのです。
外側でいい人をやって、内側でインナーチャイルドを苦しめているってことに、そろそろ気づきましょう。
あなたまであなたいじめに加担して、あなたの味方をしてあげなかったら、いったいあなたのインナーチャイルドは何を信じて生きていけばいいのでしょう。
「他人を悪く思ってはいけない」の呪い
冒頭でお伝えしたとおり、「悪意がないから仕方ない」なんて言うあなたは「他人を悪く思ってはいけない」という呪いにかかってしまっています。
幼少期にこんな風に教えられませんでしたか?
- お友だちの悪口を言ってはいけません
- 人を悪く言うとバチがあたるよ
- バカって言う方がバカなんだよ
ね。おとなたちから言われましたよねー
他人を悪く言わず、インナーチャイルドを苦しめている人たちは、みなさんこんな教えを忠実に守ってきた優等生な良い子ちゃんたちです。
- 元気に挨拶をしましょう
- 廊下を走ってはいけません
- 給食は残さず食べましょう
そんな教えと並列で、「他人を悪く思ってはいけない」を学び、それに対して何の疑問も抱かず、「正いこと」として心に刻んできてしまったから、それが自分の中に深く深く浸透して、誰かを悪く思う気持ちが沸いてくるや否や、サッとふたをして何ごともなかったかのように閉じ込めてしまうのです。
そりゃ周りから見たら、めったなことで怒らない優しい人かもしれませんが、インナーチャイルドから見るあなたは鬼そのもの。
無理やり押し込められた気持ちは、表面上見えなくなっただけで消えて無くなったわけではありませんので、あなたの中に留まり続け、確実にあなたの心や体をむしばんでいきます。
なんだか元気が出ない、朝起きるのが憂鬱、帰宅すると何もかもが面倒くさい。
そんなエネルギー切れの状態に始まり、やがて心や体に症状が現れてくるのです。
このことをわたしは、セルフ幼児虐待(セルフネグレクト)と呼びます。
しつこいけど、もう一回言っておきます。
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あなた、呪われてます!!
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まずはそこに気づきましょう。
「他人を悪く思う気持ち」はあっていい
人間ですから、ごはんを食べなければお腹がすくし、嫌なこと言われたら腹が立つんです。そんなの自然なことです。
それを「おなか減ってません」とか「別に怒ってません」とか、やせ我慢してるからしんどくなるのです。
「他人を悪く思う気持ち」は、嫌なこと言われたり嫌なことされた瞬間にあなたの中に沸いていて、慌てて隠そうとしたってもう手遅れ。
無理に抑圧しようとすれば、インナーチャイルドが苦しむばかりです。
でも、だからといって、別に相手にわざわざ何か言い返したりする必要はありません。
前述のとおり、言い返しても問題が解決することはないし、下手したら状況はもっと悪くなりますから。
相手を悪く思う気持ちは、
抑圧するでも、相手にぶつけるでもなく、あなたがちゃんとわかってあげる。
それで十分です。
相手にそれを言われて、あなたがどんだけ嫌だったか、悔しかったか、恥ずかしかったか。
そこを逃げずに見つめて受け入れることができる人が、本当の意味で自分にも他人にも優しい人です。
自他に愛を持ったおとなです。
そろそろ外向きばかりのいい子ちゃんはやめて、自分に優しくなってみませんか?
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