人間関係がうまくいかないあなたにどうしても知ってほしいこと ~脳内TKJがあなたを苦しめている~
人間関係がうまくいかないというのはどういうことか?
あたりまえのことだけれど、この仕事をしていると「人間関係がうまくいかない」と感じている人にたくさんお話を聞くことになります。
それで「人間関係がうまくいかない」って、いったいどういうことなんだろうと改めて考えてみると、こういうことだと思うんです。
- 周りの人の言動が、自分を攻撃しているように思えてしまう。
- 周りの人の言動が、自分を見下しているように思えてしまう。
- 周りの人と比べて、自分がひどく劣っているように思えてしまう。
- 周りの人と比べて、自分だけが優れているように思えてしまう。
つまりは、周りの人たちを「敵か味方か」「自分と比べて優か劣か」で見てしまう。
そして、自分がそう見ているから、相手もそう見ているにちがいないと錯覚してしまう。(鏡の法則というやつです。)
本当に多くの人が、この状態に陥っています。
人間関係がうまくいかない人がやっていること
「たたいてかぶってジャンケンポン」(略称、TKJ)というお座敷遊びをご存じでしょうか?
わたしは、人間関係がうまくいかない人というのは、四六時中、頭の中であれをやっているようなものだと思っているんです。
自分の出した手が、相手に勝っているかどうかを瞬時に見極めて、
勝っていると思えばすかさずハリセン持ってたたきに行く、
負けていると思えば慌ててヘルメットをかぶって身を固くする。
これを言ったら、こう思われるかな。
こう言ってきたら、こう返そう。
こう思われてるだろうから、こうしよう。
こうやってやれば、こう思ってもらえるだろう。
そんな風に、常にぐるぐるぐるぐる頭の中であらぬシミュレーションして、どうしたら自分が痛い思いをしないかについて考えている。
お風呂に入ってても、ごはんを食べてても、脳内TKJは止まらない。気が休まらない。
相手が目の前にいないときまでいつでも臨戦態勢でいるのだから、そりゃ疲れる。
でも、人間関係がうまくいかない人にとってはずっと続けていることだから、どうやってやめたらいいのかもわからないんです。
なぜ脳内TKJがやめられないのか
では、なぜ脳内TKJがやめられないのかといえば、これに尽きる。
子どもの頃に、自分の安心安全な場が確保されていなかったから。
それは、わかりやすく「虐待」を受けていた人だけに限らない。
- いつもいい子でいようとがんばっていた。
- いつも優秀でいようとがんばっていた。
- 親にあまり話を聞いてもらえなかった。
- 親に感情に寄り添ってもらえなかった。
- 親から過度に期待をされていた。
- 自分の気持ちを言わないようにしていた。
- いつも否定をされていた。
- 両親がしょっちゅうケンカをしていた。
- 家にお金のトラブルがあった。
- 親からきょうだいで比較されていた。
- 親が別のきょうだいばかりをかわいがっていた。
- 親が情緒不安定だった。
ほかにもたくさんあるけど、たとえばこんなこと。
子どもの頃に、安心安全な場所で、両手を広げて、床にごろんと寝っ転がって、うーんと伸びをするような気持ちの良さを、どれだけ味わえていたか。
「あなたはそのままでここにいていいんだよ」というメッセージを全身で受け取れていたか。
(大事なのは、実際にどうだったか、ではなくて、あなたがどう感じていたか。)
そういう感覚が無いままおとなになってしまうと、周りの人を信頼できなくて、いつでも右手にハリセン、左手にヘルメットの臨戦態勢になってしまうんです。
脳内TKJをやめないとどうなるのか
それはもちろん、あなたが悪いわけじゃないですし、親御さんたちだってわざとそうしようとしていたわけじゃないかもしれない。
でも、どこかでそれを変えないと、あなたはずっと損をし続けてしまいます。
なぜなら、どんなに上手に隠しているつもりでも、あなたがハリセン握りしめていることは、無意識のうちにちゃんと周りの人にバレているからです。
いくら作り笑顔をしてフレンドリーを装っていても、人と人は意識の奥底でつながっていて、ちゃんと伝わっちゃってます。
それで、「なんか付き合いづらい人」「どことなくめんどくさそうな人」「できるだけ関わらない方がよさそうな人」認定をされてしまう。
相手だって痛い目に遭いたくはないから、あなたがハリセン構えているのを感じたら、そーっと離れていくんです。
脳内TKJをやめるには
どうしたらこのつらいつらいシミュレーションを終わりにできるのか。
わたしはその答えを知っています。
なぜならわたし自身がそのやり方で脳内TKJをやめたひとりだから。
その答えは、ずばり。
自分の中に安全基地(Secure Base)を作ること。
それしかない。
あなたのインナーチャイルドに「あなたはそのままでここにいていいんだよ」のメッセージを与え続け、子どもの頃にできなかった、両手を広げて、床にごろんと寝っ転がって、うーんと伸びをするような気持の良さを、たくさん味わわせてあげること。
そうやって自分の中に安全基地を形成していけば、やがてあなたのインナーチャイルドは、ハリセンもヘルメットも必要ないのだということを理解します。
すると本当に不思議なくらい、外に見える世界も穏やかに変容していきます。
わたしが今見ている景色は、脳内TKJばかりしていた頃のわたしでは考えられないくらい、静かで優しい世界です。
あの頃の、人間関係に思い悩んでキューっとなるような苦しさは、もうひさしく味わっていません。
こんなに楽な世界があったんだ。
そのことにむちゃくちゃ感動しています。
だから、心から思います。
あなたにもこの景色を見てほしい。あなたにもこの空気を吸ってみてほしい。
たった一度の人生、臨戦態勢のまま生きていくなんて、本当に本当にもったいない!
覚悟を持てば、きっと人は変われます。
一緒にやろうよ、インナーチャイルドケア。