お母さん大好き星人さんへ ~先に幸せになってもいいのです~
お母さんや他の誰かを差し置いて、自分だけ幸せになることに抵抗感のある、お母さん大好き星人さんへ。
なんだか悪いような気がして・・・
以前、あるクライアントさんが、こんなお悩みを打ち明けてくれました。
「彼氏から結婚しようって言われてるんですけど、お母さんのことが心配で・・・。わたしが結婚したら、お母さんひとりになっちゃうので。」
また、あるクライアントさんはこう言いました。
「新婚旅行中もお母さんがどうしているかばかり気になって毎日LINEしてました。お土産屋さんに行くたびにお母さんがよろこんでくれそうなものばかりを選んでたりして。」
アダルトチルドレンのお悩み相談は尽きないけれど、その中でも最も根深いなとわたしが感じるのが、お母さんが大好きすぎる人(通称、お母さん大好き星人)のお悩み。
お母さん < パートナー
お母さんの幸せ < 自分の幸せ
こうなることに、とんでもなく罪悪感を抱いてしまう。
おおまじめに、お母さんを差し置いて自分だけが幸せになるのは罪なことだと思っている。
これは、母子共依存。本当に危険なことです。
お母さんを幸せにするのはあなたの仕事ではない
どんな状況であっても、どんなにお母さんが弱っていても、お母さんを幸せにするのはあなたの仕事ではありません。
もちろん、お母さんがご病気などでなんらかのサポートが必要なケースもたくさんあると思いますが、それでもあなたが人生のすべてを捧げてお母さんに尽くす必要はないハズです。
こんなことを言ったら「親不孝な人!」と思われるかもしれないけれど、でも本当にそうなんです。
そもそもこれはお母さんに限らずで、自己犠牲をしてまで誰かが誰かを幸せにしなくちゃいけないなんてこと、本当はないんです。
ましてや、子が親を幸せにしなくちゃいけないなんてことあり得なくて、それをすると必ずあなたがしんどくなります。
- 本当にしたい仕事をしない
- 本当に住みたい場所に住まない
- 本当に好きな人と結ばれない
- 本当に愛する人とうまくいかない
- 本当にやりたいことをやれない
人生の大切なことを削って親に尽くした結果、10年後、20年後、そしてお母さんがこの世を去った後、あなたの手元に残るのはなんでしょう?
お母さんにはあなたがいたけれど、あなたには誰がいるんでしょう?
それをわかっているから、ときどき無性に不安になったりもしますよね?
あなたはこの先の人生を何をして誰とどうやって歩みたいのかということを、まずまっさきに考えてほしいのです。
それでもやっぱり離れられない
と、いくら外野が言おうとも、わたしのような立場の人間が心を鬼にして言おうとも、結局お母さんを選んでしまうのが、お母さん大好き星人。
この記事だって、そろそろ閉じたくなっているかもしれません。
いくら周りの人間が言っても心の真ん中に届かないのは、わかっています。
だからこの記事は、心の真ん中じゃなくて端っこに引っ掛けるつもりで書いてます。
ちょっとでも意識してもらえたらそれでいいやって思ってます。
こればっかりは、やっぱり、どうしても、自分で気づくしかないんです。
「このままではマズイ!」
「絶対に絶対に絶対にお母さんから自立しなくては!!」
「この状況から一刻も早く抜け出さなくては!」
と、本気で腹をくくらない限り、母子共依存からは抜け出せません。
それだけ、お母さんの引力は絶大なのです。
他の何よりも、お母さんの引力は強力です。
なぜこんなにもお母さんを求めてしまうのか
わかっちゃいるけど、どうしてもお母さんから離れられない。
お母さん大好き星人は、どうしてこんなにもお母さんを求めてしまうのでしょう。
その理由は、
幼少期にもらいそびれた愛を今ならもらえる気がしているから。
- わたしがいないと困るだろう。
- お母さんの愚痴をわたしがきいてあげなくちゃ。
- お父さんじゃ話し相手にならないし。
- お母さんもわたしだけが頼りって言ってくれてるし。
- 小さいころは、お兄ちゃんばっかり可愛がっていたけれど、今はわたしの方が頼りにされている。
幼少期にお母さんのいちばんになれなかった人こそ、今ならお母さんのいちばんになれる!と思って、そばにいることに固執してしまうのです。
頼りたいお母さんと頼られたいあなたの需要と供給が一致してしまって、一時的に満たされてしまうから、離れられないのです。
たとえ一時的なものだとわかってはいても、やっとお母さんに必要とされた。
だから、お母さんから離れることがものすごい損失に思えて、その場にとどまることを選び続けてしまいます。
つまり、それだけお母さんの愛を渇望してきたということです。
もしかしたら、表面的にはあなたが一方的に依存している状態かもしれません。
金銭的なこと、衣食住のこと、お母さんに助けてもらってばかりと思っているかもしれません。
でも、そこにはお母さんがあなたを繋ぎとめておきたいという思惑、年老いていく自分のそばにいてほしいという思惑がきっとあります。(お母さん、ご本人も無意識のことが多いのですが!)
きっつい話ですが、お母さんが心配しているのは、あなたの将来よりも自分の孤独です。表面的にはあなたの心配をしていても、潜在意識の部分では自分が孤独になることを恐れています。
残念ですが、幼少期にもらいそびれた愛なんて、もらえません!!
このつらい現実に目を向けない限り、いつまで経ってもこの状態から抜け出すことはできません。
お母さんと自分の幸せは両立しないのか
どうして、自分が幸せになるのにお母さんといてはいけないのか。
お母さんと自分の幸せは両立しないのか。
そんな風に思ったりもしませんか?
お母さんの幸せと自分の幸せは、両立可能です。実際にしている人もいます。
その道はただひとつ。あなたの自立です。
母子共依存の状態で、何の犠牲も払わずにお互いが継続的に幸せでいられることはありません。
だからといって、お母さんに先に自立してもらうことはほぼ不可能です。
まずは、自分が子どもに依存していることに気づく、そして自分で自分を満たす努力をする、子どもの幸せを願って見守る。
これ、お母さん大好き星人のお母さんには、まず不可能です。
今これができるのなら、とっくにしているからです。
残念だけれど、とってもしんどいけれど、覚悟を決めてあなたが先に自立するしか、道はないのです。
自分で自分を満たせる人になってください。
そのための手段がインナーチャイルドケアだとわたしは考えています。
インナーチャイルドを癒して、自分で自分を幸せにするしか、母子共依存からの脱出方法は今のところ見当たらなくて・・・。
先に幸せになっていいんです
わたしは、人間はみんな自分専用のコップを胸のあたりにひとつ持っているとイメージしています。
そのコップが空っぽで自分は喉がカラカラなのに相手を先に満たそうとすれば、必ず自己犠牲が伴いますし、共倒れの危険もあります。
まずは、自分で自分をしっかり満たして、そして余った分を相手に注いであげればいいのです。
親子だってそれは同じ。この順番を守れないと、あなたはいつまでもお母さんからお水をもらいたくて、お母さんのスカートのすそを引っ張り続ける子どもから卒業できません。
あなたはもう立派なおとな。自分で自分のコップに水を注いでください。
自分を先に満たすと、お母さんに悪い気がする。
ですって?
それは、そう思うように育てられてきてしまったからです。
直接、「お母さんを幸せにしなさい」と言われた人はおそらくほとんどいないでしょうが、お母さんの不幸そうな目や仕草や後ろ姿から、あなたは無言のメッセージを受け取り続けていたのです。
「お母さんはいいから」なんて言っているお母さんの瞳の奥にあるさみしさや孤独を、賢いあなたはちゃんと感じ取っていたのです。
だから、自分が先に幸せになることに強い罪悪感を感じるのです。
ついパートナーよりもお母さんを優先してしまうのです。
罪悪感は、「感」であって、「罪悪」ではありません。
あなたが先に幸せになることで、結果お母さんを助けてあげられるのですから、わざわざふたりで不幸になる道を選ばなくていいんです。
あなたが自立をすれば、お母さんも自立します。それは本当の意味でふたりが幸せになるということです。
お母さんだって、あなたが自分のために人生を犠牲にすることを、魂レベルでは望んでいないハズです。
あなたが幸せになることがみんなの幸せだっていうことに、どうか気づいてくださいね。
届かないかもしれないけど、もう一度だけ。
お母さん大好き星人さん、あなたはお母さんよりも
先に幸せになっていいんです。
【まとめ】
●お母さん大好き星人は、おおまじめに、お母さんを差し置いて自分だけが幸せになるのは罪なことだと思っている。
●どんな状況であれ、お母さんを幸せにするのはあなたの仕事ではない。
●お母さんの引力は絶大。周りの人がいくら言っても本当はムダ。自分で気づいて抜け出すしかない。
●お母さん大好き星人がお母さんから離れられないのは、幼少期にもらいそびれた愛を今ならもらえる気がしているから。
●たとえあなたが表面的には頼る側であっても、精神的に頼りたいお母さんと頼られたいあなたの需給が一致していて、なかなか離れられない。
●お母さんの幸せと自分の幸せは、両立可能。そのためにあなたの自立が不可欠。お母さんが先に自立するのはほぼ不可能。
●あなたは先に幸せになっていい。それが周りのみんなの幸せになる。