「好きな人フィルター」ってなに?
ICCM Newsletter – by Yoko Mori
Letters on Inner Child Care Method®
この記事について
※この記事はメールマガジン「インナーチャイルドケア通信」で配信した内容を掲載したものです。
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今クール、蒼井優さん主演のドラマ、
「Tシャツが乾くまで」にハマっております。
元来ビビりなもので、
人がバタバタ死んでいくのとか、血が流れる医療モノとか怖くて観られず、
必然的にヒューマンドラマを選ぶことになります。
このドラマに出演されている俳優さんたちの演技は、本当にすごすぎて、
いったいどうやったらあんなに繊細な表現ができるんだろうと、毎回感動ばかりです。プロはすごい。
今日はそんなドラマの中で、頻繁に登場するワード
「好きな人フィルター」について、ICCMの視点で解説してみたいと思います。
もちろん、ドラマを観ていない方にもわかるようにお話しますね。
※この記事はドラマ『Tシャツが乾くまで』をきっかけに、「好きな人フィルター」についてICCMの視点から考察したものです。作品および制作・放送関係者とは関係ありません。
好きな人フィルターとは
「好きな人フィルター」
好きだと思った人に、好意的なフィルターが掛かって、
実際以上に過大評価してしまうというもの。
ちょっと前の表現だと、「あばたもえくぼ」とか、「恋は盲目」的なことです。
- わがまま → 男らしい
- ケチ → 倹約家
- 片付けができない → 母性本能くすぐる
みたいなね。
たしかに、わたしにも夫のルーズさが、かわいく見えていたときがありました笑
なぜ、こんなことが起こるかというと、
人間の脳には、「都合のいいものを選んで見てしまう」という、ヘンテコで厄介なクセがありまして、
相手が理想の人だと思いたい気持ちが、
本当はあるはずの欠点を見えなくしてしまうのです。
このことを心理学の言葉で、「理想化」と言ったりします。
好きな人フィルター=理想のお母さんフィルター
そして、今日の本題はここから。
ICCM視点でのお話です。
まず知っていただきたいのが、
「都合のいいものを選んで見てしまう」の主語が、
誰なのかということについて。
実はこれ、「インナーチャイルド」です。
生きづらさを抱えている人のインナーチャイルドは、
いつも「理想のお母さん」探しをしています。
子どもの頃に満たされなかった思いを満たしてくれそうな人を見つけては、
その人に「理想のお母さん」の役割を期待します。
期待は人それぞれ、
- この人なら、わたしのことをわかってくれるかもしれない。
- この人なら、わたしを無条件で愛してくれるかもしれない。
- この人なら、よそ見をせずわたしだけを大切にしてくれるかもしれない。
インナーチャイルドは都合よく、そんなふうに思いこんで、
相手を理想化してしまいます。
つまり、
「好きな人フィルター」=「理想のお母さんフィルター」
です。
子どもの頃に満たされない思いを抱えていればいるほど、
恋に盲目的になりやすかったりもしますね。
好きな人フィルターが破れるとき
でもって、
相手が自分の期待に応えてくれているうちは、
好きな人フィルターがかかったままです。
周りが何と言おうと、
「この人だけがわたしの本当の理解者」
「この人だけがわたしを孤独から救ってくれる」
なんて、
やっと生涯のパートナーを見つけたような幸福感で満たされます。
そうやって、盲目的になっているうちは、
ある意味ハッピーなのかもしれませんね。
でも、
相手も人間ですから、
すべて自分の理想通りというわけにはいきません。
一緒に時間を過ごすうちに、遅かれ早かれ、自分の理想通りでない面が見えてきます。
(自分に打ち明けられない秘密を別の人にだけ打ち明けてたり、急に失踪したりもするかもしれない。)
そしてやがて、
好きな人フィルターが破れるときが来るわけです。
インナーチャイルドが、
相手を「理想のお母さんではない」と悟った瞬間です。
そうなると、いくら頭で、
「この人だって人間だし」とか、
「自分にだって悪いところはたくさんある」とか考えてみても、
あの頃のフィルターが掛かった景色は、見られなくなるのです。
ちなみに、
ここで、一気に気持ちが逆ブレして、
「嫌いな人フィルター」がかかってしまい、
相手に嫌悪感すら抱くこともあります。(「脱価値化」と言います。)
わたしの体感、
パートナーシップのいざこざの多くは、ここが理由です。
フィルターが破れたあとこそが本当のはじまり
そしてそして。
フィルターが破れたあとこそ、
本当のパートナーシップを見つめ直すとき。
ここで、自分の中に「理想のお母さん」を内在化させて、
自分で自分をケアする人になる人生を選ぶか。
いるはずのない「理想のお母さん」を外の世界に求めて、
永遠に終わらない次のお母さん探しをし続けるか。
きっとドラマの中のさっちゃんは、
前者を選んでくれるんじゃないかなと期待して、
最終回を見守りたいと思います。
Tシャツが乾いたあと、
いったい誰とどんな未来が見られるでしょうか。
今日のまとめ
・「好きな人フィルター」をICCM的に言えば、インナーチャイルドが「理想のお母さん」を探す過程で起こる理想化である
・相手に理想のお母さん像を重ねることで、本来見えるはずの欠点も見えなくなってしまう
・フィルターが破れたあと、自分で自分をケアする人生を選ぶか、外に「理想のお母さん」を求め続けるかの選択が大事