インナーチャイルドとは? ~潜在意識の中に住む子ども~
このページでは、インナーチャイルドについて解説しています。
「インナーチャイルドっていったいなに?」そんなあなたの疑問にお答えします。
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルド(Inner Child)を直訳すると、「内なる子」。
自分の内側にいる小さな子どもという意味です。
- 内側・・・潜在意識(無意識)の領域のこと。
- 子ども・・・あたかも子どものようにピュアで無邪気な性質を持っていること。
つまり、普段意識していないところに、おとなの理性では制御できない、まるで子どもみたいに純粋な部分があるということです。
インナーチャイルドは誰の中にもいます。
ひげを蓄えた80歳のおじいさんの中にも、歌うことが大好きな8歳の女の子の中にも。
顕在意識・潜在意識
インナーチャイルドを理解する上で、知っておいていただきたいのが、人間の意識構造についてです。
人間の意識はこのように2段階でできています。(もっと細分化することもできます。)
- 顕在意識(有意識):普段わたしたちが、思考や判断をしている部分。理性や建前。意識全体の5%程度を占めると言われている。
- 潜在意識(無意識):普段わたしたちが意識していない、習慣やクセ、長期記憶やトラウマなどたくさんの情報がしまい込まれている。意識全体の95%程度を占めると言われている。
※割合については諸説あります。
わたしたちが普段ものごとを考えているのは顕在意識(有意識)の部分です。
今こうして文章を読み、内容を理解しようとしているのは、まさに顕在意識(思考)の働きです。
多くの人は「顕在意識=自分」であると認識していますが、顕在意識は全体のたった5%程度に過ぎず、残りの約95%は「潜在意識」という無意識の部分でできています。
「自分のことは自分がいちばんよく知っている」などと言いますが、わたしたちが自分について把握できていることなど、ほんの一握りに過ぎないのです。
そして、潜在意識は、顕在意識以外の無意識の部分です。
わたしたちは普段、潜在意識の働きにはなかなか気づけないため、多くの人はその存在すら知らずに生活をしていますが、多くの心理学者や精神科医がその重要性について語っています。
潜在意識の広大な領域には、普段わたしたちが意識していない習慣やクセ、長期記憶などたくさんの情報がしまい込まれています。
そして、さまざまなきっかけによって必要な情報が顕在意識(有意識)へと送り出されてきます。
潜在意識があるからこそ、わたしたちはいちいち考えずとも、最寄り駅から家への道のりをたどれます。お風呂に入れば迷わずに毎回同じところから洗い始めます。
その他にも足を組む、爪を噛む、鼻を触るなど、その人独自のクセも潜在意識の作用です。
直したいクセがなかなかやめられないのは、顕在意識(5%)vs 潜在意識(95%)だと圧倒的に潜在意識が有利だからなのです。
インナーチャイルドは潜在意識の住人
そんな潜在意識に住んでいるのが、インナーチャイルドです。
このような擬人的な表現がしっくりこない方は、「潜在意識=インナーチャイルド」と、そのままとらえていただくのがよいでしょう。
なぜおとなではなく子ども(チャイルド)なのかというと、潜在意識はウソや建前や理性などがない、ピュアな本音の領域だからです。
あなたがいくら上司の前でペコペコしていようと、ママ友さんの前で渾身の作り笑顔をしていようと、本音はそこにないことを、インナーチャイルドはちゃんと知っています。
インナーチャイルドは自分に正直でウソがつけないのです。
インナーチャイルドの役割
たとえば、小さなころにお父さんからきつく叱られてばかりだった人は、上司から少し注意されたりすると、必要以上に委縮してしまったりします。
また、お母さんが感情の起伏が激しい人だった場合は、感情を露わにする人が苦手で、友だちが機嫌を損ねないように過度に気を遣ってしまったりします。
あなたにもお心当たりはありますか?
なぜこのようなことになるかというと、潜在意識の中に心の傷(トラウマ)を残していて、同じような場面や人に遭遇すると、トラウマが再起されるからです。
この照合作業を一瞬のうちにやってのけるのが、潜在意識に住むインナーチャイルドです。
インナーチャイルドはとっても優秀で、潜在意識の中に溜め込まれた莫大なデータ(習慣・クセ・長期記憶・トラウマなど)の管理しています。
心の傷(トラウマ)を負ったときと、同じようなもの(人・もの・場面など)に出くわしたときには瞬時に、「命の危険が迫っている!」と顕在意識にワーニングを送ってくれます。
ただし、「命の危険が迫っている!」というのは、お父さんやお母さんに嫌われたら生きていけないと思っていた幼い子どもの頃の判断基準です。
実際にはあなたはもうおとななので、たとえ上司に叱られても、友だちの機嫌が悪くても、そんなこととは関係なしに生きていけるのですが、インナーチャイルドはそのピュアさゆえ、現実と記憶の区別がつかないのが玉に瑕です。
このことが、わたしたちが先入観や偏見で必要以上に人を恐れたり、身構えたりしてしまう心の仕組みです。
インナーチャイルドがいてくれるから、わたしたちは危険を察知することができるのですが、心の傷(トラウマ)を多く抱えた状態だと、あちこちで過剰反応になってしまうというわけなのです。
わたしたちはインナーマザー
インナーチャイルドケアメソッド(ICCM)では、潜在意識の住人であるインナーチャイルドに対し、思考や判断を司る顕在意識の部分をインナーマザーと呼んでいます。
今こうやって記事を読んでくださっているあなた(顕在意識)は、インナーチャイルドのお母さん、インナーマザーというわけです。
あなたは、インナーチャイルドにとってどんなお母さんでしょうか?
「なんでそんなに怖がりなの!」
「どうしてこんなこともできないの!」
自分を叱ってばかりいませんか?
「〇〇さんはあんなに美人なのに。」
「〇〇ちゃんはもう結婚して子どももいるのに。」
他の人と比べてばかりいませんか?
そんな風に自分に厳しくすればするほど、インナーチャイルドは傷つきトラウマの上塗りをし、あなたはますます過緊張状態になっていきます。
いつも緊張状態で周りを警戒しているなんて、息が詰まりますよね。
あなたがリラックスして幸せに生きていけるかどうかは、あなたがインナーチャイルドに対してどれだけ愛情深く慈しみ深く接することができるかにかかっています。
幼少期に負った心の傷(発達性トラウマ)を癒して、インナーチャイルドがいる潜在意識の中を居心地よくしてあげること。
それが顕在意識であるインナーマザーの本来のお仕事です。
このサイトのサブタイトルである、
「生きづらさを手放して自分と仲良く生きていく」
の「自分」は、潜在意識の中に住むインナーチャイルドのことなんです。