トラウマとPTSDってなにがちがうの?
このページでは、「トラウマ」と「PTSD」のちがいについて解説します。
また、「PTSD」と「複雑性PTSD」のちがいについても解説します。
トラウマの解説記事はこちらです。
PTSDとは?
PTSDは、日本語で「心的外傷後ストレス障害」といいます。
英語の正式名称は、「Post Traumatic Stress Disorder」です。
「障害(Disorder)」という名がついているとおり、こちらは、単なる医学用語ではなく診断名でもあります。
単にトラウマ的体験をしただけでは診断が下りず、
- 悪夢やフラッシュバック・解離などの症状が1カ月以上続いている。
- 日常生活に大きな支障をきたしている。
など、医師が総合的に判断し診断をします。(詳しくは、MSD マニュアルをご参照ください。)
PTSDと診断されたら、病院で精神療法や薬物療法(抗うつ薬)などの治療を受けることが可能になります。
トラウマとの違いは、心の傷を負ったことにより、その後に障害と呼ぶ諸症状を引き起こし、医師の診断を受けているかどうかということです。
PTSDにも単回性と複雑性があり、両者のちがいは、その障害の元になるトラウマが、単回性トラウマであるか複雑性トラウマであるかです。
単回性トラウマと複雑性トラウマのちがいは以下の記事をご参照ください。
少し短絡的なようですが、まとめるならこんな感じです。
体験 | 医師の診断なし | 医師の診断あり |
ひとつのできごと | 単回性トラウマ | 単回性PTSD |
複数のできごと | 複雑性トラウマ (発達性トラウマ) | 複雑性PTSD |
PTSDと診断を受けたら
あたりまえのことですが、「PTSD」もしくは「複雑性PTSD」と診断を受けた場合には、お医者さまの治療方針に従ってください。
インナーチャイルドケア講座の受講をご希望の場合には、必ずお医者さまの許可を得てからお越しくださいね。またご受講時にはその旨必ずお申し出ください。
インナーチャイルドケア講座では過去の振り返りをすることがあるため、PTSDの方には刺激が強すぎてフラッシュバックによりかえって症状を悪化させてしまうことがあります。
判断に迷う場合には、まずはお医者さまにご相談ください。
【まとめ】
●PTSDとは、「心的外傷後ストレス障害」のこと。
●PTSDは単なる医学用語ではなく「診断名」であり、PTSDかどうかを判断するの医師である。
●トラウマとの違いは、障害と呼ぶ諸症状を引き起こし、医師の診断を受けているかどうかである。