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原因不明の生きづらさは「発達性トラウマ」のせいだ!!

    
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原因不明の生きづらさは「発達性トラウマ」のせいだ!!

このページでは、知ってるようで知らない「トラウマ」について解説しています。
そして、原因不明の生きづらさの理由は「発達性トラウマ」であるということについても解説しています。

俗にいうトラウマはトラウマではない

「前、部長にダメだしされたのがトラウマになっちゃってて、プレゼン苦手なんだよなぁ。」

「元カレの浮気がトラウマになってて、彼氏つくる気にならないんだよねぇ。」

こんな風に、日常会話の中でよく出てくる「トラウマ」というl言葉。

多くの方人は、トラウマを「嫌なできごとが後々に影響すること」というニュアンスで使っているかと思います。

でも、おとなになってからトラウマを負うというのは、かなりの苦痛を味わうできごとがあった場合に限られ、日常生活で誰もが体験しうる叱責や失恋などで、新たにトラウマができるというのはなかなか考えにくいです。

もし、叱責や失恋によって大きく取り乱してしまうのであれば、それは新規のトラウマではなく「トラウマの再体験」だと思われます。(後述)

トラウマとは

トラウマ(Trauma)とはそもそも、古代ギリシャ語で「傷」を意味します。

この言葉を心の問題として比喩的に使用したのが、フランスの心理学者ピエール・ジャネさん。

日本語で言うなら、「心的外傷」です。

国立成育医療研究センターの定義によると、

トラウマとは、個人が持っている対処法では、対処することができないよう な圧倒的な体験をすることによって被る、著しい心理的ストレス(心的外傷) のこと

引用元:子どものトラウマ診療ガイドライン – 国立成育医療研究センター

とされています。

トラウマの原因になるできごととしては、

〇 戦争・人為災害・自然災害およびそれに関連した身体的外傷
〇 子どもの虐待
〇 暴力や犯罪被害:通り魔・誘拐・監禁・リンチ・暴力の目撃など
〇 交通事故:自動車・鉄道・飛行機事故など
〇 レイプなどの性被害・年齢不相応な性的体験への曝露 など
〇 重い病気・やけど・骨髄移植 など
〇 家族や友人の死の直接的な体験、その他の喪失体験 など

引用元:子どものトラウマ診療ガイドライン – 国立成育医療研究センター

などだそうで、このことから考えても、おとなになってからトラウマを負うというのはよほどのことだということがわかりますね。

トラウマの種類

トラウマは、大きく分けて2つに分類できます。

「単回性トラウマ」「複雑性トラウマ」です。それぞれについて説明します。

単回性トラウマ(I型トラウマ):

複雑性トラウマ(Complex Trauma)と区別するために「単回性トラウマ」(single event trauma)と呼ぶことがあります。

戦争、災害、事件、事故、レイプなど、あるひとつの大きな脅威的できごとがきっかけで、心に負う傷のことです。

このトラウマは、わかりやすく本人も周りも認知しやすいものです。

たとえるなら、「雷に打たれるように」できる心の傷といえるでしょう。

複雑性トラウマ (II型トラウマ):

単回性トラウマのように一度の衝撃でできるものではなく、 長期間かつ反復的なダメージで心に傷を負うことを複雑性トラウマといいます。

執拗ないじめや誹謗中傷、監禁、虐待・ネグレクトなどにより、長期的にジワジワと心をむしばんでいくようなダメージです。

分類には諸説ありますが、複雑性トラウマの中でも、特に幼少期の逆境的体験の積み重ねによって負った心の傷を「発達性トラウマ」といいます。(複雑性トラウマと発達性トラウマを分けて分類する文献もあります。)

直接的な身体的虐待やネグレクトだけでなく、「男の子が良かった」「お姉ちゃんはできるのに、、、」「のろまだね」など、その人の存在や人格を否定するような言葉をたびたび浴びせられていた場合や、夫婦喧嘩、嫁姑バトルなどの家庭内不和、金銭的問題、病気、その他子どもにとってあまり良くない環境で育った場合なども、心に傷を重ね、発達性トラウマになる場合があります。

おとなに比べ感情を言葉で表現する能力が未成熟な子どもは、親や周りの大人のささいな言動からも心に傷を負ってしまうのです。

発達性トラウマができる年齢には諸説ありますが、根本的なものはおよそ年齢が一桁(0~9歳くらい)の間にできるといわれています。

単回性トラウマが「雷に打たれるように」できる心の傷であるとすれば、こちらの複雑性トラウマは、「雪が降り積もるように」ジワジワと重ねる心の傷と表現できます。

【トラウマ】
ー 単回性トラウマ
ー 複雑性トラウマ - 発達性トラウマ

アダルトチルドレンは発達性トラウマの持ち主

インナーチャイルドがケアを必要とするアダルトチルドレンは、この発達性トラウマの持ち主です。

アダルトチルドレンは日本人の約8割もいると言われており、大小の差こそあれ、ほとんどの日本人がこの「発達性トラウマ」を持っていると言えるでしょう。

発達性トラウマをお持ちのアダルトチルドレンは、

  • 自己肯定感が低く、自分に自信がない。
  • 何をするにも他人の目が気になってしまう。
  • 人に気を使いすぎたり、無理して相手に合せてしまったりする。
  • 人前で緊張しやすく本来の自分の力を発揮できない。
  • 他の誰かと比較して自分はダメだと落ち込むことがある。
  • 完璧主義でちゃんとやらないと気が済まない。
  • アドバイスをされると責められたように感じて落ち込んでしまう。
  • 嫌なことがあってもNOと言えず、いつも自分ばかり損をしてしまう。
  • 自分軸がなく、「何がしたいか」よりも「何が正解か」を考えて行動してしまう。
  • ぐるぐる思考が止められず、延々と悩み続けてしまう。
  • 小さなミスや失敗をズルズルと引きずってしまう。
  • ささいなことですぐにイライラしてしまう。
  • 誰にもわかってもらえないような孤独感を感じる。
  • 器用貧乏で、なんでも中途半端になってしまう。
  • 自分が本当は何をしたいのかがわからない。

このように不安や緊張感が強く、日常生活、特に人間関係において息苦しさを感じています。

しかしながら、このような問題を発達性トラウマが原因だと自覚しているのはごくごく一部の方です。

「別に親に暴力を振るわれたわけではない」「このくらいどこの家庭にでもあることだろう」「習い事などたくさんさせてもらって贅沢に育てられた」といった具合に、ニュースで取り上げられている幼児虐待などと比較して自分は恵まれていると思ってしまうため、今のお悩みの根本的な原因が幼少期にあることにはなかなか気づけないのです。

発達性トラウマの存在に気づけない限り、もぐらたたきのように表面上のお悩みに対処し続けることになり、何度でも同じような体験を繰り返してしまいます。

トラウマの再体験

この記事のはじめの方に、「叱責や失恋によって大きく取り乱してしまうのであれば、それは新規のトラウマではなく『トラウマの再体験』だと思われます。」と書きました。

トラウマの再体験とは、心の傷を負ったときの感情などを再体験することです。

再体験といっても、類似のできごと(類似因子)の再体験であって、まったく同じことではありません。

たとえば、幼少期に家庭内で疎外感を感じて心に傷(発達性トラウマ)を負った人は、大人になってからも、上司が別の部下ばかりをかわいがる、友だちの輪にうまく馴染めない、などの疎外感を感じる体験を繰り返すことになります。

また、幼少期に親に叱責ばかりされて心に傷(発達性トラウマ)を負った人は、大人になってからも、仕事の失敗で叱責される、怒りっぽいパートナーばかりを選んでしまう、など恐怖感を感じる体験を繰り返すことになります。

あなたが抱えているトラウマは、手放すまで何度でもあなたに同じ体験を連れてきます。

わたしは、発達性トラウマを手放すには、インナーチャイルドケアが不可欠だと考えています。

【まとめ】
●トラウマとは、「心的外傷」のこと。
●おとなになってからトラウマを負うのは、よほどのできごとがあったときだけ。日常生活で誰もが経験しうるようなことで新たにトラウマができるというのは考えにくく、ほとんどのことがトラウマの再体験である。
●トラウマには、雷に打たれるようにできる「単回性トラウマ」と、雪が降り積もるようにジワジワできる「複雑性トラウマ」がある。
●複雑性トラウマの中でも、幼少期の逆境的体験の積み重ねによって負ったお心の傷によるトラウマを「発達性トラウマ」という。(分類には諸説あり。)
アダルトチルドレンは、発達性トラウマの持ち主である。
●今のお悩みの根本的な原因が幼少期にあることに気づいている人はごくわずか。
●発達性トラウマの存在に気づけない限り、何度でも同じような体験を繰り返す。
●発達性トラウマを手放すためには、インナーチャイルドケアが不可欠。

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