マウント取る人・取られる人 〜取られない人になるにはどうしたらいい?〜
ステータスや収入などをひけらかしたり、相手のダメなところを人前で指摘したり。マウントを取る人の心理とは?
また、マウントを取られやすい人と取られにくい人にはどのようなちがいがあるでしょうか。
この記事では、生きづらさを抱える人のマウント問題を取り上げます。
マウントとは
「マウントを取る」という言葉、今ではあたりまえに使われていますが、元々はネットスラングで、あの2ちゃんねるから広まったようです。
本来のマウントの意味は、動物が自分の優位性を敵に示すために馬乗りになる状態を指しますが、これが転じて人の精神的な馬乗り状態を「マウント」と言いあわらすようになったのがはじまりです。
ステータスや収入などをひけらかしたり、実績を自慢したり、相手のダメなところを人前で指摘したりといった具合に、自分が相手より優位であることを示すためにあの手この手を使って馬乗りになってくる人、あなたの周りにいますか?
そして、あなたは、そんな人たちからマウントを取られやすいですか?
同じような立場にいてもマウントを取られやすい人と取られにくい人がいます。そのちがいはなんでしょう?
マウントを取る人の心理
先に、マウントを取る人の心理を解説します。
マウントを取る人には、意識的な人と無意識的な人がいますが、いずれも「人から認められたい」という強い承認欲求があります。
承認欲求自体は人間なら誰にでもあり、仕事や恋などのモチベーションにもなるものですが、それが強すぎると、「他者を蹴落としてでも自分が優位に立ちたい」「自分のすごさをみんなにわからせたい」などというゆがんだ思考になってしまい、マウント行為につながります。
そんな承認欲求の強い人は、親の期待に応えるために努力を重ねてきたアダルトチルドレンのヒーロー・ヒロインタイプに多く見られます。
幼少期に親から十分に認めてもらえなかったことや、何かできたときだけ褒めてもらえるなど「条件付きの愛」しかもらっていないことが原因で、インナーチャイルドが傷つき、おとなになってからも人から認められるために手を尽くします。そのひとつがマウントを取ることなのです。
マウントを取ってくる人は、一見すごく自信満々で強い人のように見えますが、実態はその真逆で、ありのままの自分の価値を認められていないからこそ、他人の承認を必要としています。
そのままの自分に価値を感じられないので、付加価値(ステータスなど)を付けて、自分を大きく見せようとしてしまうんですね。
あの自慢ばかりのおじさんも、夫の仕事や子どもの成績をひけらかしてくるママ友さんも、実は傷ついたアダルトチルドレンなのです。
また、タイプ診断でヒーロー・ヒロインタイプを自覚されている方は、自分でも気づかないうちに相手にマウントを取ってしまっている可能性があるので気を付けたいです。
自分で自分を認めることで、他者にマウントを取る必要がなくなりますので、ご自分のことをしっかりと満たしてあげてくださいね。
マウントを取られる人の特徴
マウントを取る方に特徴があるように、マウントを取られる人にも特徴があります。
マウントを取られやすい人は、自分で自分にマウントを取っている人です。
それはつまり、「わたしには価値がない」「わたしはダメ人間だ」などと、自分の欠点を見つけてはそれを厳しく叩いている人です。
小さいころから劣等感を抱え、自分にダメ出しをする習慣がついていると、他者に対して必要以上にへりくだるなど、不自然な態度を取ってしまいがちです。
また、不自然な態度とは、マウントを取られまいと虚勢を張るような態度も含まれます。
内心は自分に自信がなく相手を恐れているのに、無理に強気に振舞っていても、相手には不自然に映ります。
へりくだったり虚勢を張ったりする言動がマウントを取りたい人の嗅覚を刺激し、知らず知らずのうちにロックオンされてしまうのが、マウントを取られる人の特徴です。
下図のように、人と人は潜在意識のさらに奥の「集合的無意識」という領域で繋がっているため、言動から「どうぞマウントをお取りください」というメッセージがにじみ出て相手に伝わってしまうのです。(これがスピでいうところの「引き寄せの法則」です。)
周りの人に比べていつも自分ばかりがマウントを取られていると感じる人は、自分で自分にマウントを取ってないかということを一度振り返ってみてくださいね。
取る側と取られる側の共通点
ここまで読んでお判りになったかもしれませんが、マウントを取る人も取られる人も、根底には「自信のなさ」があります。
取る側と取られる側で、表向きには真逆に見えますが、「ありのままの自分に価値を見いだせていない」という点においては類友なのです。
自分の価値を自分でわかっていさえすれば、どちらが上でどちらが下という縦の関係になることはありません。
誰かに認められようとマウントを取る必要もなく、逆に誰かに対して過度にへりくだったり虚勢を張ったりする必要もないのです。
だから、もしあなたがマウントを取られる立場だとしたら、マウントを取る人を過度に恐れなくて大丈夫です。
「この人の中にも自分と同じような自信のなさがあるんだな。それが呼応し合っているだけなんだな。」ということに気づいていただくだけでも、少し恐れが和らぐのではないでしょうか。
マウントを取られない人になるには
では、マウントを取られやすい人が、取られなくなるためにはどうしたらいいか。
それは、相手にマウントを取るのをやめさせようとするのではなく、自分が先に縦の関係から抜け出すことです。(他人と天気は自分の力では変えられませんので!)
その方法はシンプル。
「マウントを取られやすい人は、自分で自分にマウントを取っている人」という原理をひっくり返して、自分のマウントを取るのをやめればいいのです。
- こんなんじゃダメだ。
- わたしなんてどうせ。
- 他の人はもっとできるのに。
こんな風に日々の生活の中で繰り返し行われる自分責めに気づいて、愛情深い言葉に変えていきましょう。
そのための最も効果的な方法がインナーチャイルドケア。
あなたが劣等感を抱えてしまうことになったのはなぜでしょう?
インナーチャイルド(内なる子)に意識を向け、幼少期のあなたがどれほどの屈辱感や恐怖を味わったのかに思いを寄せ、「そのままで十分価値があるのだ」ということを繰り返し伝えてあげてくださいね。
あなたのありのままの価値を自分で認められるようになれば、周りの人からの扱いも必ず変わります。
自分で自分をどう扱っているかが、外の世界に投影されます。
マウントを取ってくるような人に煩わされ、エネルギーを吸い取られてるなんてもったいないですよ。
【まとめ】
●マウントとは、自分の優位性を示すために精神的な馬乗り状態になること。
●マウントを取る人の共通点は承認欲求。承認欲求自体は悪ではないが、強くなり過ぎると「他者を蹴落としてでも自分が優位に立ちたい」などのゆがんだ思考になってしまう。
●マウントを取る人の多くはアダルトチルドレンのヒーロー・ヒロインタイプ。幼少期に親から十分に認めてもらえなかったことや、条件付きの愛しかもらえなかったことが原因で、他者から認められるために手を尽くしてしまう。
●マウントを取られやすい人は、自分で自分にマウントを取っている人。自分の欠点を自分で責めまくっている人。
●人間は集合的無意識で繋がっているため、自信のなさでへりくだったり虚勢を張ったりする言動がマウントを取りたい人の嗅覚を刺激する。
●マウントを取る人も取られる人も「ありのままの自分に価値を見いだせていない」という点においては類友。
●マウントを取られないようにするためには、自分で自分の存在価値を認めること。そのために有効な手段がインナーチャイルドケア。
●自分で自分の価値を認めることで、縦の関係から抜け出そう!