あなたの中に潜む「隠れ万能感」の危険
「万能感」は自信満々そうに見える人だけが持っているもの?
いやいや、あなたの中にもあるかもしれません。
おさらい:万能感とは
万能感については、こちらの記事で解説しました。
一見すると自己肯定感が高そうな自信満々の人は、決して自己肯定感が高いわけではなく、幼少期の「万能感」(幼児的万能感)を残したままなのだという解説です。
自分の短所を受け入れられず、いいところだけを捉えて過大評価しているため、他者からの評価に過敏になり、非常に脆い自己像であるということです。
自分に自信の無い人から見ると、なんて堂々としていて強そうなんだと思ってしまいますが、その奥には、親に認められたくて必死にがんばってきた小さなインナーチャイルドが住んでいます。
あなたの中に潜む「隠れ万能感」
そして、ちっとも自信満々になんか振舞っていないあなたの中にも万能感が潜んでいる可能性はあります。
心の中を覗いてみてください。
- こっそり他人を見下している。
- 周りの人をバカだなと思うことがある。
- 外ではいい人ぶっているが、家の中では他人を悪く言っている。
- 根拠のない自信がある。
- いつか何者かになれそうな気がしている。
- 「べき」「ねば」思考が強い。
- 「普通は」「常識的に」などと批評する。
- 何かに挑戦するときは、やたら「初心者です」アピールをする。
お心当たりありませんか?
こういう人は、実は「隠れ万能感」の持ち主です。
相手に対して露骨に牙をむくわけではなく、むしろ「わたし自信なんてありません」と謙虚に振舞っていたりするのですが、心の中では人と比べて優劣を付けたり、他人を見下していたりします。
隠れ万能感を持っていることのデメリットは大きく分けて以下の2つだと考えます。
- なぜか人間関係がうまくいかない
- 現状維持に甘んじる
ひとつずつ解説します。
なぜか人間関係がうまくいかない
「隠れ万能感」を持つ人は、人間関係のお悩みを抱えていることが多いです。
万能感むき出しの自信満々な人のように振舞ってはいないので、バチバチのトラブルになることは少ないのですが、気づくと友だちが離れていってしまったり、関係が長続きしなかったり、浅い友だちしかできなかったりします。
ご本人は、「なぜか」うまくいかないと思っているのですが、隠れ万能感のある人は言動の端々に、「あなたよりできる」「あなたよりまとも」がにじみ出てしまっています。
「なんとなく圧を感じる」「自慢されているような気がする」「嫌味っぽい」
そんな風にして周りの人から少しずつ距離を取られてしまうんですよね。
また、自分の表面(謙虚)と内面(自信満々)のギャップがあるため、人前でありのままの自分を出せず、下手な自虐や過剰なお世辞を言ったりすることも人間関係をこじらせます。
本当は自信のあることでも、「下手なんです」と前置きしたり、やたら「初心者アピール」したりするのも万能感の表われです。
また周りの人がやったことを腹の中では「自分の方ができる」と思っていても、「すんごいですね!」「めっちゃセンスいい!」などと過剰に褒めちぎるのも同様です。
わたしたち人間は意識下(集合的無意識)で繋がっていますから、万能感の裏返しで起こる度を越した謙虚さは、相手に違和感を与えてしまうのです。
現状維持に甘んじる
「隠れ万能感」のある人は、万能感のある人同様、「失敗」を強く恐れます。
そのため、チャレンジを避け「お山の大将」でい続けようとします。
ステップアップした場所で劣等感を感じるくらいなら、今のままでいいやと現状維持を望むため、せっかく実力があってもなかなか成長することができません。
職場などでよくあるのは、「あの人は仕事が遅い」「あの人はこんなこともできない」などと、周りの人ができないことを不満に感じつつも、そういう人がいることで自分が「できる人」ポジションをキープできている現状に甘んじてしまうというお話です。
たしかにその集団の中では、「できる方」かもしれませんが、ひとたび広い海に出れば自分よりできる人はいくらでもいるのに、その現実と向き合おうとしません。
そしていつまで経ってもチャレンジしないまま、「わたしこんなもんじゃない」「上司はもっとわたしを評価すべきだ」なんて思ってたりします。
また、「いつかお店を出したい」「いつか起業したい」とか言いながら、時間が無い・お金が無いを言い訳にして、なかなかチャレンジしないのもこのタイプの人に多く見られます。
本当は失敗するのが怖いだけなのに、そんな自分と対峙したくないので、やらない言い訳をいくらでも探し出してしまいます。(時間とお金なんて一生ないよ;)
こんな風に、やりたいことがあってもなかなかチャレンジしない自分のことを、「自分に自信がない」と評している人は多いですが、実はその逆です。
自分には力があると思っていたいから、それが無いことを思い知るのが怖くて挑戦を避けるのです。
自分の等身大を知っていれば、失敗するのはあたりまえで、失敗を肥やしに次のステップに進めばいいとわかっているから、恐れずにチャレンジできるのです。
チャレンジを避けて、本当は持っている才能を開花できないまま一生を終えてしまう。
これが、隠れ万能感を持つ人のもっとも損をしているところだと思います。
隠れ万能感を手放そう
このように、「隠れ万能感」を持っていると、人間関係がなんだかギクシャクしたり、やりたいことにチャレンジできずに現状維持の毎日が続いてしまうなど、おおきなデメリットがあります。
わたし自身もこの「隠れ万能感」がとっても根深くて、失敗したくないだけの自分のこと「繊細さん(HSP)」だとか言ってはチャレンジを避けてました。
繊細どころか、高慢ちきのプライド高いおばさんだったのに。めっちゃ恥ずかしい・・・
人生短し。たくさん挑戦して、たくさん失敗してなんぼです。
今のご自分をじっくり見つめて、万能感を自覚し、本気で向き合う覚悟を決めてください!
せっかくの才能を、隠れ万能感のせいで発揮できずにいたら、本当にもったいないのです。
万能感を手放すには、等身大の今の自分を受け入れるところからスタートです。
こちらの記事に書いたとおり、万能感を手放せなかった理由に気づいて、心を寄せることで、少しずつありのままの自分を受け入れていきましょう!
ぜひ、入門講座へお越しください!
【まとめ】
●あなたの中に潜む「隠れ万能感」を自覚しよう!
たとえ謙虚に振舞っていても、相手への見下しなどがあれば、隠れ万能感の持ち主。
●隠れ万能感を持っていることのデメリットのひとつは、人間関係がうまくいかないこと。気づくと友だちが離れていってしまったり、関係が長続きしなかったり、浅い友だちしかできなかったりする。
●言葉の端々に、「あなたよりできる」がにじみ出ていたり、下手な自虐や過剰なお世辞を言ったりして関係が悪化する。
●隠れ万能感を持っていることのもうひとつのデメリットは、現状維持に甘んじて成長の機会を逃すこと。失敗するのが怖くてチャレンジを避けるため、せっかくの実力を存分に発揮できない。
●人生短し。たくさん挑戦して、たくさん失敗してなんぼ。インナーチャイルドケアで隠れ万能感を手放して、チャレンジできる人になろう!