生きづらさを手放して自分と仲良く生きていく

人は「実家感」のあるものに惹かれてしまう。それがどんなに苦しいものであっても。

    
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人は「実家感」のあるものに惹かれてしまう。それがどんなに苦しいものであっ...
入門講座(マンツーマン)
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いつも同じパターンにはまってしまう

みなさんには、なぜだかわからないけれど、いつも同じパターンにはまってしまうことってありませんか?

  • なぜだかわからないけれど、いつも圧の強い人に目を付けられてしまう。
  • なぜだかわからないけれど、いつも自分ばかりが大変な思いをする。
  • なぜだかわからないけれど、いつも友人関係が長続きしない。
  • なぜだかわからないけれど、いつも自己中な人をパートナーに選んでしまう。

みたいなことです。

そのたびに、「わたしってなんでいつもこんな目にばかり遭うんだろう」って自分の不運を嘆いているのではないでしょうか?

でも実は、その「いつも同じパターン」、無意識のうちにあなたが自ら望んで引き寄せているものなのかもしれません。

人は「実家感」を求める

人間にとって、生まれ育った自分の家というのは、ホームポジション(基本となる位置)です。

たとえ、実家にあまりいい思い出が無かったとしても、お父さんやお母さんがいて、毎朝目覚めて、毎晩眠りについていた場所が、あなたにとってのホームポジションです。

ずれているとなんとなく違和感があり、無意識のうちに戻りたくなってしまうのが人間の性です。

ホームポジションからずれることは、他人の家の布団で寝るような心地悪さ。

どこかに泊まりに行って、家の古びた毛布とはちがう、ふかふかの客用寝具で寝かせてもらっても、なんか居心地が悪いような、安心感が足りないような。

まさにその感じがホームポジションからずれている状態です。

周りの人から見れば、「どう考えたって客用布団の方が寝心地がいいでしょう」って思うような場合でも、本人にとってはいつもの古びた毛布こそがホームポジションで、もっともしっくりくる場所なわけです。

あなたにとって「実家感」とは?

そんなわけで、人はどんなに他にもっといい場所があると知っていても、無意識に「実家感」のある場所(ホームポジション)に戻ってしまいます。

わかりやすいように、いくつかの例をご紹介してみます。

いつも圧の強い人に目を付けられる

職場などで、圧の強い人に目を付けられがちなAさん。
自分では出る杭にならないようにできるだけおとなしくしているつもりなのに、気づくと目の敵にされてしまいます。

そんなAさんは子どもの頃、ヒステリックなお母さんが怖くて、いつも顔色をうかがっていました。
不機嫌を態度に出して、ドアをバタンと閉めたり、お皿をガチャガチャ洗ったりする姿を見てはビクビクしていたそうです。

→圧のある人に怯えるというホームポジション

いつも自分ばかりが大変な思いをする

職場や家庭などで、損な役回りを負わされるBさん。
周りの人はのんびりマイペースなのに、いつも自分だけたくさんやることを抱え込んで忙しくしている。

そんなBさんは、3人きょうだいの長女。
小学生の頃から、弟や妹の面倒を見たり、お母さんの手伝いをしていました。
そんなことにはお構いなしに自由に過ごしているきょうだいを見ては、不公平だと思っていたそうです。
でも、「お姉ちゃんだから仕方ない」と自分に言い聞かせてがまんをしていました。

→自分ばかりが損をするというホームポジション

いつも友人関係が長続きしない

友人関係が長続きせず、気づけば仲間外れにされてしまうというCさん。
はじめは一緒に楽しく話していても、いつの間にか自分以外の人だけが盛り上がってしまい、取り残されてしまうなんてことがしばしば。

そんなCさんには妹がいて、いつもお母さんを独占されっぱなしでした。
家族4人で出かけるときも、Cさんはお父さんとペアにされることが多く、いつも妹のことをうらやましく思っていました。

→疎外されるというホームポジション

いつもわかってくれないパートナーを選んでしまう

いつも同じような恋愛パターンに陥ってしまうDさん。
自分の気持ちはわかってもらえず、相手の都合に振り回されてばかり。

そんなDさんは、子どもの頃、親に自分の気持ちをわかってもらえないと感じていました。
何か相談しても、「気にすることない」と言われたり、「お母さんが子どもの頃はね」と話をすり替えられたりして、まともに寄り添ってもらったことがありませんでした。

→わかってもらえないというホームポジション

おわかりいただけましたでしょうか。

実際にはここまでわかりやすくなかったりしますが、いつもはまってしまうパターンには、必ず幼少期の反復的な原体験があります。

冒頭に書いた、「なぜだかわからないけれど」の正体は、「実家感」(ホームポジション)です。

その場所がどんなに苦しくても理不尽でも、まるで鳥の帰巣本能のように、わたしたちは実家と同じような匂いのする場所(ホームポジション)に引き寄せられてしまうのです。

あなたのホームポジションは、どんな場所ですか?

ホームポジションを変えるには

もし今いる場所や環境に不満があるとしても、あなたがそこに「実家感」を感じている限り、抜け出すことは容易ではありません。

なぜなら、あなたのインナーチャイルド(潜在意識)にとっては、もっともしっくりくるホームポジションだからです。

少なくとも、その場所でおとなになるまで生きてきたという「ある種の成功体験」があるので、無理に新しい布団に馴染もうとしても、気づけば自分の古びた毛布をひっぱり出してくるまれたくなります。

周りの人からいくら、「あんな人、いちいち気にすることないよ」とか、「そんな男、さっさと別れちゃいなよ」とか言われても、悲しいかなやっぱりそこに戻ってしまうんです。

そんなあなたのホームポジションを変える唯一の方法が、インナーチャイルドケア

「もっと強くなろう」「もっとポジティブになろう」と無理に自分を変えようとするのではなく、まずはインナーチャイルドの気持ちを理解することから始めましょう。

インナーチャイルドが握りしめている「古びた毛布」を無理に取り上げるのではなく、それがどれほど大切なものかを理解し、認めてあげてください。

そうすることが、あなたとインナーチャイルドの間に信頼関係を築く第一歩です。

信頼関係が回復するにつれて、あなたがいてくれさえすれば、その毛布を握りしめ続ける必要がないことに気づいていくはずです。

あなた自身の内側に、インナーチャイルドが安心して過ごせる、最高に居心地のいいホームポジションを作ってあげてくださいね。