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自立するのは実家を出るべきですか?【質問コーナー】

  
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自立するのは実家を出るべきですか?【質問コーナー】

ご質問者さま:ねこみさん(30代・女性)

知人に「自分に自信がない」と相談したら、「もっと自分をほめた方がいい」とアドバイスされました。
でも、自分で自分を褒めるのが苦手です。見た目も中身も特に褒めるようなところも見当たらないです。
こんなわたしは、何をどう褒めたら自己肯定感があがるのでしょうか?

森からのお答え

ねこみさんさん、ご質問ありがとうございます。

この質問に真正面から答えると嫌われるので、あんまり言いたくないですがw、
「本気で自立をしたいのなら、実家を出た方がいいと思います」というのがわたしの答えです。

なぜならこれはすごくシンプルな話で、

仮に、はちみっつさんがアルコール依存症だったとします。

アルコールが常に手の届くところに置いてある状態と、わざわざ買いに行かなければ手に入らない状態だったら、どっちが依存から抜け出しやすいと思いますか?

・・・答えは明白ですよね?

では、

お母さんが手のところにいる状態と、わざわざ会いに行かなければ会えない状態だったら、どっちが依存から抜け出しやすいと思いますか?

・・・考えるまでもありませんね。

アルコールと親を一緒にするなと言われそうですが、「依存」はご自分の心の問題なので、その対象が何であれ、抜け出すための考え方は基本的に同じです。

だから、
「本気で自立をしたいのなら、実家を出た方がいいと思います」

これがわたしのお答えです。

実家を出れない本当の理由

だけど、依存状態にある人にとって「実家を出る」ということがどれほど大変なことなのかは、わたしもたくさんのお客さまを見てきてよくわかっています。

彼女たちは、実家を出れない理由をだいたい100個くらいお持ちです。

  • お金がない
  • 仕事がない
  • 給料が安い
  • 職場が近い
  • ペットの世話がある
  • 部屋が余ってる
  • 仕事が忙しく身の回りの世話をしてくれる人が必要
  • やりたいことがあるから貯金してる
  • 母親がひとりになる
  • 親にお金を入れなくてはならない
  • 親を病院に連れて行かなくてはならない
  • 親が反対する

いっくらでも出てきます。

別にウソをついているとは思いません。
どれも大切な理由だと思います。人それぞれにご事情があるのもわかります。
でも、よほどの状況でない限り、成人したおとなが「実家を出られない決定的な理由」はないハズです。
大変かもしれないけれど、どうにかこうにか工夫をすれば、人の手を借りたりすれば、実現不可能なことではないハズです。

つまり、あなたが実家を出ないのは、「実家を出られない理由」を上回るほどには、あなたが「本気で自立したい」と思っていないからなんです。

さらに言えば、「自立をしたいけど、実家を出られない」のではなく、
「自立をしたくないから、実家を出ない」のです。

過去にお話した実家暮らしのお客さまはもれなく、顕在意識では「自立したい」というものの、潜在意識(インナーチャイルドレベル)では、「自立したくない」という本音をお持ちです。

過去に何度も「本気で自立をしたいのなら、実家を出た方がいいと思いますよ」
とアドバイスをしていますが、実際にそれを行動に移した方は、ほとんどいません。

たいていは、「考えてみます」と言ったきり、二度とわたしに会いに来なくなります笑

本当の理由は、まだお父さんお母さんの側にいて愛情をもらいたい、守ってもらいたい。

それだけです。

幼少期からの繰り返しの刷り込みによって、「外の世界は恐ろしい」「あなたに自立する力はない」「死ぬまで親の面倒を見るべき」というような、なんらかしらの自立できない観念を

親の保護下を出ることは、

きっと彼女たちの期待する答えは、
「いえ、実家を出るかどうかは自立には関係ありませんよ」とか
「家を出たからって自立できてる人ばかりじゃないですし、実家に居ながら自立することもできますよ」とかなんだと思いますが、
さっきのアルコールの話で考えれば、それがほぼ不可能だということはおわかりいただけるんじゃないかと思います。

「家を出る=自立」ではない

でも、勘違いしないでいただきたいのは、「実家を出る=自立」ではないということです。

実家に住んで無くても親に依存状態な人は山ほどいます。
親に依存してなくても、恋人や友だちを親代わりに依存している人も山ほどいます。
アルコールや買い物に依存して、心の隙間を埋めてる人もたくさんいます。

実家を出るというのは、自立しやすくなるための手段であって、それで自立が完了するわけではありません。

つまり、物理的・金銭的な自立は、精神的な自立を実現するためのひとつの方法にすぎないというわけです。

本来、自立とは、誰にも依存することなく、自分で自分の心のケアができるようになることです。

家を出ただけで自立した気になっているとしたら、それはおおきな勘違いです。

なので、「自立をしたいのなら、実家を出た方がいいです」とは言いましたが、「実家を出れば、自立できます」とは決して言えません。

何かを頼んだ後、急に無言になったり、ため息をついていたりすると、「あれ?まずいこと言っちゃったかな?」って不安になったりしますよね。

この心の仕組みについて、ぜひ解説させてください。

心の読みすぎ(認知のゆがみ)

なべちゃさんのように、相手の気持ちをあれこれ深読みして、怖くなったりしてしまう人は、認知のゆがみの一種「心の読みすぎ」をお持ちだと考えられます。

▶【認知のゆがみ】⑤-a心の読みすぎ(結論の飛躍) ~勝手にあれこれ勘繰る~

解説記事にもありますとおり、「相手の心を深読みして、疑心暗鬼になってしまうような思考のクセ」で、はっきりとした根拠もないのに、相手の言動から勝手にあれこれ推察して、傷ついたり怒ったりしてしまう思考パターンを指します。

この思考パターンがあると、たとえば、

  • 友だちにLINEを既読スルーされた。ぜったい嫌われてる!!
  • 上司がバタンとドアを閉めた。わたしのこと怒ってるんだ。どうしよう?
  • 彼氏のクセに約束に遅れるなんてひどい!わたしのことどうでもいいと思ってるんだ!

みたいな感じで、極端な決めつけをしてしまうわけです。

「クセ」「パターン」と書いたとおり、なべちゃさんの中で無意識に習慣化されてしまっているので、わざわざ「心を読もう」なんて思わなくても、勝手にそう思えちゃうという状況を作り出してしまいます。

「心の読みすぎ」を持っている理由

なべちゃさんが「心の読みすぎ」の認知のゆがみを持っているのは、生まれつきの性格だけの問題ではありません。

幼少期から繰り返し「心を読まなくてならないシチュエーション」に遭遇していたから、そのようなクセが付いたのです。

たとえば、なべちゃさんのケースでは、

  • お母さんが「あなたの好きにしていいよ」と言ったから、自分で好きなように決めたら、あとから「○○にすれば良かったのに」と言われた。
  • 「お父さんが無言になるときは、たいてい不機嫌なときだから、余計なことを言わずおとなしくしていなくてはいけない」と教えられた。

こんな具合に、「いいよ=ダメだよ」「無言=不機嫌」と勝手に脳内変換されるようなできごとがあったのではないかなと推察できます。

フラット(現実的)に考えれば

今回のケースでは、

  • 「いいよ」と引き受けてくれたのだから、問題ないだろう。
  • 夫はただ黙っていたいだけかもしれない。
  • 無言だからといって不機嫌とは限らない。
  • 家族なんだから、頼みごとをするのは悪いことじゃない。
  • 嫌だったら断ればいいことだ。

みたいな感じで考えられたいいですよね。

実際のところ、いくら夫婦とはいえ相手の気持ちなんてわかりっこないんですから、そこまで気を回してご機嫌取りをしてあげる必要なんてないんです。
(ご主人の機嫌を取ることが常態化しているのであれば、それは「共依存」です。)

でもだからと言って、「そう考えればいいんじゃないですか」というよくあるアドバイスは、インナーチャイルドケアメソッド(ICCM)としてはNGです。

そう思えないから悩んでるんだってこと、ちゃんとわかっています。解決策は他にあります。

インナーチャイルドに寄り添おう

なべちゃさんが、ご主人の心を読んで不安になってしまうのは、幼少期に顔色をうかがわなくてはならなかった相手(たとえばお父さんとかお母さんとか)をご主人に重ねてみてしまっているからです。

「無言は不機嫌の証」「この人を不機嫌にすれば恐ろしいことになる」
そう思い込んでしまっているから、心を読みすぎてしまうのです。

こんなときはインナーチャイルドに声をかけてみましょう。

  • 黙ってると、怒ってるのかなって不安になるんだよね。
  • 何か怒らせるようなことしたかなって怖くなっちゃうよね。

不安や恐れを感じている自分の中のちいさな子にしっかりと寄り添うことが、まずまっさになべちゃさんに取り組んでほしいお仕事です。

そのような寄り添いもせずに、「怖がる必要なんてない」「夫の不機嫌なんて気にしなくていい」とか言い聞かせても、問題は解決しません。

一時しのぎになることはあっても、また次に同じようなシチュエーションに出くわせば、グラグラと心が揺れてしまいます。

解説記事でもお話したとおり、認知のゆがみを直すには、ただ「そう思わないようにする」だけではうまくいかないんです。

幼少期に負った心の傷を癒し、インナーチャイルドとの信頼関係を取り戻すことでしか、根本的な解決には至らない。

これは、長年たくさんのお客さまと接してきて、わたしが確信していることです。

インナーチャイルドケアメソッド(ICCM)を身に着けて、フラットな考え方ができるようになれば、必要以上に周りの人の機嫌をうかがい過ぎて疲弊してしまう毎日から解放されていきますよ。

こんなお悩みを解決したいと思ったあなたは、インナーチャイルドケア入門講座にお越しくださいね!

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この記事について、動画でも解説しています。

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